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日経平均株価のニュース
明日の株式相場に向けて=「AI・半導体礼賛」相場の賞味期限
きょう(24日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比136円高の4万5630円と続伸。午前中は下値を探る展開を余儀なくされたが、それも束の間、午後の取引では買い板が急に厚みを増して結局連日の最高値更新となった。今年3月末から4月上旬にかけての波乱安を昔のことのように感じる投資家も少なくないはずである。昨年8月に遭遇した歴史的暴落とオーバーラップして記憶がぼやける部分があるのかもしれないが、だとしても4月のパニック的な下げで日経平均は一時3万1000円を下回る水準まで売り込まれたことは現実であり、そこから半年も経たないうちに1.5倍化するという超強気相場が眼前で繰り広げられていることもまた現実である。
日経平均、TOPIXともにバリュエーション的に調整が必要という声を完全に無視した状態で、最高値圏をつむじ風に巻かれるように舞い上がっていく。先行部隊が買い疲れ感を催して押し目を形成しても、そこでは待ってましたとばかりに相対的に買い持ち高の少ない第2部隊が後れを取り戻そうと拾いまくる。その結果、この日のように朝方はリスク回避ムードが強くても、売りが一巡したころになると機械的な買いが全体指数をプラス圏に押し返す。こういう展開にも目が慣れてきた。
そうしたなか、個人投資家に売りポジションを積み上げる向きが一段と増えているもようだ。ネット証券大手の店内では信用売り残高が金額ベースで600億円近くまでかつてなく膨張しているほか、個人の日経平均先物への売りもかなり活発で、「これはいわゆる天井圏の“逆シグナル”、つまり踏み上げによる相場の一段高を示唆している」(同証券マーケットアナリスト)という指摘がある。高値警戒感が強いなか、なかなか人間の思考では腰を据えて買うのは困難だ。しかし、空売りはその比ではなく危険である。相手は指数売買を駆使する機関投資家で、日経平均構成比で首位に躍り出たアドバンテスト<6857.T>を筆頭に、AI・半導体関連株への買いが止まない限り、日経平均も上値を追う仕組みとなっている。
きょうは午後に自民党総裁選の候補者5人による公開討論会が開催されたが、消費税減税を含む財政拡張政策への期待感が株式市場に活力を取り戻すカタリストとなったという解釈も出ていたが、実際のところ新政権への思惑がそれほど相場に影響を及ぼしているという感触がない。現時点で小泉進次郎農水相が次期総裁に就任する可能性が高いとみられる。この場合、財政規律を前面に押し出す新総裁が、株式市場にとってフレンドリーではないことは本能的に察知されることだが、足もとの相場はそれを嫌気するような気配もない。やはり、トランプ政権下での米国株市場がグローバルマネーフローを支配している、日本もそれと一蓮托生というのが本当のところではないか。現在は個人のショート戦略にも反映されているように、バブルを肯定するようなムードにはまだ遠い。裏返せば、今はまだバブル相場の形成途上にあるということを示唆しているともいえる。AI・半導体礼賛の地合いはまだ続きそうだ。
半導体セクターの中小型株では半導体材料分野に展開する化学株にも物色の矛先が向いている。そのなか半導体レジスト用樹脂を手掛け、PBR0.6倍、4.6%前後の高配当利回りからも注目なのがハリマ化成グループ<4410.T>だ。また、半導体周辺装置メーカーでは、AI半導体市場の拡大を背景に成形用プレス装置でグローバルなニーズを取り込んでいる北川精機<6327.T>も要マークとなる。AI関連で動きが出そうなのがAGS<3648.T>。データセンター運用は金融機関や自治体向けに特化しているが、これとは別に5月に新たにリリースした生成AIサービス「AI-Zanmai」に引き合いが旺盛で今後に期待が大きい。また、低位の穴株ではサインポスト<3996.T>が面白い存在といえる。こちらはITコンサルを主力に、生成AIを活用したDX宣言書作成ツールを共同開発している。
このほか、高市トレードは何となく厳しそうな雰囲気が漂うが、それとは別にサイバーセキュリティーは国家安全保障の観点からも重要で、次期政権でも米国に尻を叩かれる形で重要テーマとして脚光を浴び続けることになりそうだ。今はノーマーク状態ながら低位株ならではの妙味を内包するセキュアヴェイル<3042.T>や、前週18日にザラ場ストップ高を演じた後、半値押し水準で収れんしているバリオセキュア<4494.T>などをマークしたい。
あすのスケジュールでは、日銀金融政策決定会合の議事要旨(7月30~31日開催分)、8月の企業向けサービス価格指数がいずれも朝方取引開始前に開示されるほか、前場取引時間中に40年物国債の入札が行われる。後場取引時間中には8月の全国スーパー売上高、8月の外食売上高、8月の全国百貨店売上高が発表。この日は東証プライム市場にオリオンビール<409A.T>、東証グロース市場にGMOコマース<410A.T>が新規上場する。また、28日までの日程で東京ゲームショウ2025が開幕する。海外では週間の米新規失業保険申請件数、8月の米耐久財受注額、4~6月期米実質GDP確定値、8月の米中古住宅販売件数が発表されるほか、米7年物国債の入札も予定。このほか、NY連銀のウィリアムズ総裁、ボウマンFRB副議長、バーFRB理事などFRB高官の発言機会が相次ぐ。(銀)
出所:MINKABU PRESS
日経平均、TOPIXともにバリュエーション的に調整が必要という声を完全に無視した状態で、最高値圏をつむじ風に巻かれるように舞い上がっていく。先行部隊が買い疲れ感を催して押し目を形成しても、そこでは待ってましたとばかりに相対的に買い持ち高の少ない第2部隊が後れを取り戻そうと拾いまくる。その結果、この日のように朝方はリスク回避ムードが強くても、売りが一巡したころになると機械的な買いが全体指数をプラス圏に押し返す。こういう展開にも目が慣れてきた。
そうしたなか、個人投資家に売りポジションを積み上げる向きが一段と増えているもようだ。ネット証券大手の店内では信用売り残高が金額ベースで600億円近くまでかつてなく膨張しているほか、個人の日経平均先物への売りもかなり活発で、「これはいわゆる天井圏の“逆シグナル”、つまり踏み上げによる相場の一段高を示唆している」(同証券マーケットアナリスト)という指摘がある。高値警戒感が強いなか、なかなか人間の思考では腰を据えて買うのは困難だ。しかし、空売りはその比ではなく危険である。相手は指数売買を駆使する機関投資家で、日経平均構成比で首位に躍り出たアドバンテスト<6857.T>を筆頭に、AI・半導体関連株への買いが止まない限り、日経平均も上値を追う仕組みとなっている。
きょうは午後に自民党総裁選の候補者5人による公開討論会が開催されたが、消費税減税を含む財政拡張政策への期待感が株式市場に活力を取り戻すカタリストとなったという解釈も出ていたが、実際のところ新政権への思惑がそれほど相場に影響を及ぼしているという感触がない。現時点で小泉進次郎農水相が次期総裁に就任する可能性が高いとみられる。この場合、財政規律を前面に押し出す新総裁が、株式市場にとってフレンドリーではないことは本能的に察知されることだが、足もとの相場はそれを嫌気するような気配もない。やはり、トランプ政権下での米国株市場がグローバルマネーフローを支配している、日本もそれと一蓮托生というのが本当のところではないか。現在は個人のショート戦略にも反映されているように、バブルを肯定するようなムードにはまだ遠い。裏返せば、今はまだバブル相場の形成途上にあるということを示唆しているともいえる。AI・半導体礼賛の地合いはまだ続きそうだ。
半導体セクターの中小型株では半導体材料分野に展開する化学株にも物色の矛先が向いている。そのなか半導体レジスト用樹脂を手掛け、PBR0.6倍、4.6%前後の高配当利回りからも注目なのがハリマ化成グループ<4410.T>だ。また、半導体周辺装置メーカーでは、AI半導体市場の拡大を背景に成形用プレス装置でグローバルなニーズを取り込んでいる北川精機<6327.T>も要マークとなる。AI関連で動きが出そうなのがAGS<3648.T>。データセンター運用は金融機関や自治体向けに特化しているが、これとは別に5月に新たにリリースした生成AIサービス「AI-Zanmai」に引き合いが旺盛で今後に期待が大きい。また、低位の穴株ではサインポスト<3996.T>が面白い存在といえる。こちらはITコンサルを主力に、生成AIを活用したDX宣言書作成ツールを共同開発している。
このほか、高市トレードは何となく厳しそうな雰囲気が漂うが、それとは別にサイバーセキュリティーは国家安全保障の観点からも重要で、次期政権でも米国に尻を叩かれる形で重要テーマとして脚光を浴び続けることになりそうだ。今はノーマーク状態ながら低位株ならではの妙味を内包するセキュアヴェイル<3042.T>や、前週18日にザラ場ストップ高を演じた後、半値押し水準で収れんしているバリオセキュア<4494.T>などをマークしたい。
あすのスケジュールでは、日銀金融政策決定会合の議事要旨(7月30~31日開催分)、8月の企業向けサービス価格指数がいずれも朝方取引開始前に開示されるほか、前場取引時間中に40年物国債の入札が行われる。後場取引時間中には8月の全国スーパー売上高、8月の外食売上高、8月の全国百貨店売上高が発表。この日は東証プライム市場にオリオンビール<409A.T>、東証グロース市場にGMOコマース<410A.T>が新規上場する。また、28日までの日程で東京ゲームショウ2025が開幕する。海外では週間の米新規失業保険申請件数、8月の米耐久財受注額、4~6月期米実質GDP確定値、8月の米中古住宅販売件数が発表されるほか、米7年物国債の入札も予定。このほか、NY連銀のウィリアムズ総裁、ボウマンFRB副議長、バーFRB理事などFRB高官の発言機会が相次ぐ。(銀)
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