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【QAあり】シーラHD、「不動産投資の民主化」を掲げ経営統合後初黒字へ 岩盤収益の積み上げで5年以内に全販管費を賄う目標

投稿:2025/07/30 17:00

株式会社シーラホールディングス 個人投資家・機関投資家向け決算説明

杉本宏之氏(以下、杉本):みなさま、こんばんは。株式会社シーラホールディングス代表取締役会長CEOの杉本宏之です。本日はよろしくお願いします。

ご説明に入る前にお伝えしたいことがあります。私は本日、作業着を着ていますが、オンライン説明会だからといって気を抜いているわけではありません。実は作業着の背中に当社のロゴが入っています。なぜこのような作業着で来たのか、最初にお話ししたいと思います。

ご覧いただいている多くの方がご存じだと思いますが、シーラテクノロジーズとクミカが経営統合し、シーラホールディングスとなりました。

PMIを進めていく1年8ヶ月の中、さまざまな逆境、障害、壁を乗り越えてきました。我々はデベロッパーとして、ゼネコンとして、エリアは違うものの、やはり良いものを作るという原点に帰りました。

いろいろな障害がある中でも、お客さまのために良いものを作って喜んでいただき、それが社員の幸せにつながり、企業の成長につながるということを再確認しました。

クミカは創業55年の会社でしたが、我々は15年という歴史の浅い新興企業です。この1点において、経営統合というかたちに合わせ、もの作りにかける魂を大事にして一緒に取り組んでいこうというスローガンでPMIを進めてきました。

竣工検査や建築現場に行く時には、幹部も全員この作業着を着て検査等を行います。

決算説明会や、お客さま、株主の前に出る時は、このような思いを表すためにも「ふだんの格好で行こう」と作業着で来ました。

荒井沙織氏(以下、荒井):とてもスタイリッシュなデザインですよね。

杉本:ありがとうございます。「ディッキーズ」で作りました。作業着は垢抜けないというイメージもあるため、格好良いものをきちんと作って若い社員みんなに着てもらいたいと思い、時間をかけて作りました。

会社概要

杉本:では、2025年5月期通期の決算についてご説明します。まずは会社概要です。こちらはみなさまもおわかりいただいているかと思いますので、割愛します。

スローガン・経営信条・基本理念

杉本:次に、スローガン、経営信条、基本理念です。他にも仕事の価値観、バリュー、経営方針など30個程度の項目がありますが、本日はこの3点に絞ります。株主のみなさまには、ぜひ基本的な理念を含めてお聞きいただきたいと思います。

まず、スローガンとして「世界中の不動産投資を民主化する」を掲げています。

日本は「失われた30年」といわれていますが、実は個人の金融資産は約2,200兆円あります。アメリカに次ぐ金融資産を持っていますが、この30年間であまり増えていないですよね。

細かい数字は資料で確認しないといけませんが、だいたいアメリカは3倍以上になっている一方で、日本は30パーセントから40パーセントしか増えていません。圧倒的な差がついてしまっています。

日本人は約2,200兆円もある金融資産を約56パーセントが預金しており、この30年、0パーセント台で運用してきた民族です。一方で、アメリカ人は30パーセントが債券や株式で、残りがその他の保険や不動産など、いろいろなものに投資し、預金は約16パーセントしかしない民族です。ヨーロッパでも預金が約30パーセントで、その他が約70パーセントです。

私は、バブル崩壊以降、投資に対してのアレルギーが日本民族を貧乏にしてしまったのではないかという1つの仮説を立てています。やはり、不動産投資を民主化して、さらに身近なものにしてお客さまの裾野を広げていくことが大事です。これが日本再興戦略に入っていくという使命感を持って取り組んでいます。

次に、経営信条として「私たちは社員とお客様の幸せを追求し、株主と社会へ還元し、ベンチャースピリットを胸に成長し続ける事を誓います」ということを掲げています。

そして基本理念は、「会社は家であり、社員は家族である。お客様は大切な友である。全てのステークホルダーは会社と社会を良くする為、共に事業に取り組むパートナーである」ということです。

20年近く経営をしてきて、いろいろ思い悩んできました。青臭いんじゃないかというご指摘をいただいたり、さまざまなことを言われたりしました。しかし、この3つは非常に大切なことだと考えており、いわゆる昭和のような雰囲気で毎朝社員と唱和して取り組んでいます。

目次

杉本:本日は、2025年5月期通期の業績、すなわち旧クミカのラストイヤーとしての業績を発表します。その後、みなさまが一番お聞きになりたいところかと思いますが、2026年5月期、初のシーラホールディングスとしての連結業績予想と成長戦略、株主還元、事業についてご説明します。

2025年5月期 通期サマリー

杉本:旧クミカは、ほぼ予算どおりの業績結果が出ました。まず、当期純利益の大きな赤字は適時開示でもご説明したとおりです。台湾事業の縮小および子会社の清算、そして千葉県のマンション開発プロジェクトの中止を決断しました。

膿を出し切ったといえばきれいに聞こえるかもしれませんが、旧クミカ単体で見ると今期もまだ構造的な赤字部分は若干続いています。ただ、今期中に旧クミカとしても、チームも、必ず黒字化させるという目標を持って、現在経営統合作業は順調に進んでいます。

2025年5月期 通期損益計算書

杉本:次に、サマリーです。売上高をセグメント別に示しています。開発事業は減少しましたが、シーラテクノロジーズとの経営統合によって、今後は開発事業全体が当然ですが膨らんでいきます。また、営業利益、EBITDA等はスライドのとおりです。

2025年5月期 通期BS

杉本:バランスシートはスライドのとおりです。残念ながら赤字となったため、ROE、ROAいずれもマイナスとなっています。ネットD/Eレシオはマイナス40パーセントと、自己資本比率も含めて非常に優秀だと思っています。

2026年5月期通期 業績予想サマリー

杉本:シーラホールディングスとしての2026年5月期連結業績予想と成長戦略についてご説明します。

今期の売上高は前期比約6.4倍の345億円です。営業利益は前期比約12倍の約24億円です。

経営統合直後2025年6月1日時点の簡易連結BS

杉本:バランスシートは、正式には2026年5月期の第1四半期の発表が10月となるため、現在、監査法人と精査中です。ほぼこちらのレンジで収まるということで、関係者と協議をした結果、スライドに記載の数字を発表しています。

2026年5月期 業績予想サマリー関連指標

杉本:先ほどのレンジでいくとROA1.4パーセントから1.5パーセント、ROE4.1パーセントから4.8パーセント、DOE2.4パーセントから2.7パーセントです。6月2日時点の株価でいくと配当利回りは3.65パーセント、今期は連結配当性向を57.0パーセントとしています。

そして、先般発表した配当と優待利回りを合わせると、最大で年10.40パーセントとなります。こちらも6月2日以降株価がかなり上がってきたため、6月2日資料作成時点で10.40パーセントというのは、株主のみなさまにも非常にご満足いただけるのではないかと思います。

株主還元策を積極的にかつ継続的に進めていくために、このような数字を設定しました。

成長戦略と中期目標

杉本:成長戦略についてご説明します。まずは2030年に向けての5ヶ年計画で、現在の総資産600億円から1,000億円を着実に作っていこうと考えています。そして、ROA、ROE、DOEはほぼ市場の平均点ですが、今期発表した数字は少し保守的に見積もり、着実に積み上げていく経営をしていこうと思っています。

投資家のみなさまからの信用を一度失っているため、確実に信用を回復していきたいと考えています。安心して継続してご投資いただける会社になるべく、地に足をつけた目標とし、少し控えめに設定しています。

2026年5月期 通期損益計算書予想

杉本:サマリーは、売上高345億円、営業利益約24億円、そして営業利益率もかなり改善しました。当期純利益については今般、金利上昇もあり、まだ旧クミカのほうでも若干赤字要因があるため、保守的に見積もっています。

まずはこのような数字を発表し、これから上積みしていけるように経営陣・役職員一同取り組んでいきたいと思っています。

業績推移

杉本:スライドのグラフは、売上高と営業利益の伸びを示しています。営業利益は前期比約12倍となっています。前回の記者会見の発表時と比較すると、売上高は約100億円下がっていますが、営業利益は変わっていません。

おわかりいただける方も多いと思いますが、前倒しで予算を達成できると考え、期末の売上を少しずらすという判断をしました。予定していた利益の達成が確実であるため、記者会見発表資料より少し売上高を下げています。

我々はデベロッパーであるため、基本的には中長期的な戦略を立てて戦っていかなくてはいけません。来期以降も成長を続けながら株主還元を継続的、積極的に行っていくために、少し抑えめですが、確実に一歩一歩階段を上っていこうということで、このような業績を発表しました。

当社が目指す利益構造

杉本:当社が目指す利益構造です。実は旧クミカも当社も我慢強く持ち続けた保有資産が、現在200億円を超えています。これはすなわち、家賃収入が入ってくるということです。

売上、利益だけを追わずに、例えば分譲した物件の総戸数が50戸あれば、2戸か3戸は自分たちの保有物件にして、あとはお客さまに販売しています。良いビルがあれば自分たちで買って、リノベーションしてバリューアップし、場合によっては家賃が倍に上がったビルもあります。

このようなことを地道にコツコツ続けて、おかげさまで現在、18億円の岩盤収益があります。これは販管費の半分をストック収益である家賃収入や管理で稼いでいるということです。もちろんフローも回していくのですが、岩盤収益をひたすら積み上げ続け、5年以内にすべての販管費をストック収益で賄うという目標を立てています。

この目標を達成してJカーブのように利益を描くことが我々の目指す利益構造であり、成長戦略と合致していると考えています。

2026年5月期 セグメント別売上予想

杉本:セグメント別の売上予想です。「利回りくん」などの不動産クラウドファンディング事業について、キャピタルは総合不動産事業に入れ、AM(アセットマネジメント)などは不動産管理事業に入れて、わかりやすく4つのセグメントに分けました。

総合不動産事業は売上高303億円、不動産管理事業は売上高27億円です。こちらは岩盤収益に当たる部門となります。

次に、建設事業です。実は旧クミカもシーラグループもゼネコン事業を行っていました。後ほどビジネスモデルについてご説明しますが、建設事業を自前で行っていることが、我々にとって非常に大きな強みになっていると考えています。

物件の供給をさせていただき、来期には約半分を自前で施工していこうということで、新築物件の目標を立てています。売上ベースにすると、おそらく現在約25億円ですね。もう少し超えてくるのではないかと思いますが、これが自前で内製化し、自分たちで作っている物件となります。

そして、再生可能エネルギー事業です。太陽光事業も行っており、順調に成長しています。これらを合わせたものが先ほど発表した売上高となります。

事業セグメントにおける環境による影響と事業の取り組み

杉本:事業セグメントにおける環境認識と当社への影響についてです。当然みなさまもご認識されているとおり、いよいよインフレの時代に突入しました。建築費が上がっていくことは1つのリスクだと考えています。また、金利も確実に上がっていくと思っています。

そして、世界経済を取り巻く状況はあまり良くありません。各国が経済成長率を下方修正していますが、この影響も無視はできないと思っています。

ただ、先ほどもご説明したとおり、我々は岩盤収益があります。そして、この市場の大きな変化に左右されない需要の高い単身者向けマンション、あるいは小さくコンパクトなオフィスや商業ビルなど、大手があまり入り込んで来ない分野でランチェスター戦略をとっています。

建築費の高騰については、5年ほど前から自分たちで基本設計から構造設計、意匠設計(デザイン)、そしてこの型枠から建築を全部自前でできるようにするため、地道に取り組んできました。

他社は設計で3パーセントを外部に発注し、デザインで1、2パーセントを発注し、建築で10パーセント程度をゼネコンに発注しています。これを全部自前で内製化ができれば、デベロッパーとしても大きな強みを持つことができると考えています。

我々のような規模で、このような内製化を行っているデベロッパーは他にいません。企業がコンパクトで、エリアを絞り、業態を絞っているからこそできると考えており、5年前から地道に取り組んできた結果といえます。

そのため、我々は利益率が高く、ここが強みの1つとなっています。今後金利も上がっていきますが、このインフレの時代に強固な財務基盤を武器として、サステナブルに事業を継続して利益を上げていくことができると考えています。

2025年6月1日に株式会社シーラテクノロジーズと経営統合

杉本:旧クミカとシーラテクノロジーズが統合し、シーラホールディングスとなりました。旧クミカはファミリー向けマンションを展開しており、埼玉県の南部中心にゼネコン事業も行っていました。我々シーラグループは単身者向けのマンションで、東京23区と神奈川県の横浜市、川崎市に強みを持っていました。

供給している商品はワンルームとファミリー向けマンション、供給しているエリアは埼玉県南部と東京都、神奈川県です。ゼネコン事業はこれを一緒にするとかなり利益率の改善ができていくため、規模の理論が大きくなります。

シーラホールディングスとして両社のノウハウを融合させ、不動産開発や管理も一緒になったため、管理戸数は4,000戸を超えました。当然、請負工事はさらに増え、エリアも保管領域が広くなりました。

そしてなにより、旧クミカが行っていなかった不動産クラウドファンディング事業やデジタルマーケティングを統合することによる、オペレーションコストの削減、DXなどの推進が見込めます。これらはシーラホールディングスとして強みを発揮できる部分であると考えています。

当社グループの強み

杉本:当社グループの強みをまとめました。

まずは一気通貫のビジネスモデルです。基本設計、構造設計、デザインをし、次に自分たちで設計したものを作ります。ゼネコン事業を行い、できたものを自分たちで販売します。

そして、部屋の中の管理から建物全体の管理、大規模修繕までを一気通貫で行い、アフターサービスもします。「全てにおいて一切妥協のない、拘りぬいたモノ創り」をしっかりと行う、この一気通貫のビジネスモデルが強みであり、唯一無二であると考えています。

さらに、コンパクトマンションや15坪程度のコンパクトオフィス、約20坪の商業ビルなどに特化し、他社が行わない領域で事業を実施しています。こちらも大きな強みの1つです。大手デベロッパーがしないことをゲリラ戦略で実施しています。

また、エリアも東京23区、川崎市、横浜市、埼玉南部など、単身者の人口増加が著しいエリアのみに集約しています。当然このようなエリアに関しては、今後も横展開で広げていく可能性は大きいと考えています。エリアを限定し、その中で強みを保っているところも、独自のランチェスター戦略として勝ち続けている理由だと思っています。

そしてもう1つ、最後に強くお伝えしたいのは、岩盤収益(ストック型)の積み上げです。現在は販管費の半分ですが、近い将来にすべての販管費を岩盤収益で賄おうと思っています。家賃収入も含め、この強固な財務基盤を基に、自分たちが抱えるアセットも増やしていこうと考えています。

現在、「利回りくん」という不動産クラウドファンディングサービスも順調にAUM(運用資産総額)が増えています。アセットマネジメントや、お客さまからいただく資産管理料も増えています。そして、賃貸管理や建物管理も販売するたびにさらに増えていっています。

来月はさらにあと0.数パーセント、そして3ヶ月後に四半期が終わればまた1パーセントと、継続してシェアと岩盤収益を伸ばし続けられています。5年ほど実施してきてようやくここにたどり着きましたが、これも大きな強みの1つとなっています。

現在の取り組みとして、自分たちが仕入れてきた土地を「利回りくん」のお客さまが入口としてプロジェクトファイナンスを行い、クラウドファンディングで作り上げた物件を出口として、「利回りくん」ファンドにエグジットをしていくことができるようになりました。

これを銀行や直接資本市場以外の第3の金融調達手段とすれば、もう1つのバランスシートを回していくことができます。ちょうど今期は、AUMが100億円に迫っており、我々の大きな強みの1つになっていくと考えています。

シーラホールディングス循環型経済システム

杉本:スライドは一気通貫のビジネスモデルを図にまとめたものです。入口である資金調達は、通常は金融機関や資本市場から調達してきますが、我々は不動産クラウドファンディングの「利回りくん」のプロジェクトからの調達ができます。

そして、不動産開発は一気通貫で、仕入れから設計、企画・開発、建築、そして販売、管理までやります。

不動産管理では、販売した者がお客さまから管理や賃貸仲介を依頼されたり、リーシングをして手数料をいただけたり、建物全体のマネジメントも行ったりします。「利回りくん」のファンドができれば、アセットマネジメントフィーをいただけます。そして、大規模修繕も我々が請け負い、ストックビジネスに関してもお客さまに一気通貫でご用命をいただきます。

出口として、不動産クラウドファンディングでファンド化し、個人のお客さま・事業法人・ファンドに売却していきます。この多種多様な出口先を確保していることが我々の強みであると考えています。

成長戦略と成長目標

杉本:スライドは、成長戦略と成長目標について、わかりやすく図にしたものです。今回は、売上高が前期比約6倍、利益が前期比約12倍とジャンプアップしました。我々のなによりの強みは岩盤収益があることです。

そして、黙っていても伸びていく「利回りくん」というクラウドファンディング事業や、管理事業、賃貸管理、家賃収入といった強みがあります。明日はより良くなる、来月はより良くなる、四半期はより良くなる、この岩盤収益をひたすら積み上げていくことが未来の成長戦略をより確かなものにしてくれていると思っています。

株主還元施策

杉本:これらの成長戦略を基に、株主還元施策についてお話しします。まず配当予想は、前期の期末は1.5円だったため、今期の中間配当は普通配当5円に記念配当1円をプラスした6円です。期末配当も6円とし、年間で12円としました。

そして、先般発表した株主優待は、デジタルギフトと、「利回りくん」をご利用いただいたお客さまに、我々のサイト内でご使用いただける「利回りくん」コインをお配りします。配当と優待を合わせて最大年10.40パーセントとなります。

株主優待の実施

杉本:株主のみなさまのご期待にお応えするために、そして「利回りくん」ユーザーのみなさまにも、ぜひ株主になってご支援をいただきたいという思いを込めて、スライドに示した株主優待をご用意しました。こちらはデジタルギフトです。

株主優待の実施

杉本:こちらのスライドは、「利回りくん」コインの株主優待です。

株主優待の実施

杉本:現在、「利回りくん」は日本最大である約28万人の会員がおり、株主は約1万3,000人を超えています。これらの方々がシーラファンとして経済圏をお作りいただけると考えています。

株主でもあり、「利回りくん」の会員でもあり、我々でマンションを買っていただけるようなお客さまになっていただく。さらに購入いただいたマンションの管理をお任せいただき、「利回りくん」のファンドも買っていただければ、より経済圏が拡充していきマーケティング費用が少なくなります。

後ほどご説明しますが、実は「利回りくん」は月間50万円程度しかマーケティング費用をかけていません。ただ、会員さまは自然増でずっと増え続けている状況です。最初は28万人という会員を獲得するためにかなりマーケティングコストをかけていましたが、現在はちょうど刈り取り時期となるかと思います。

会員になっていただいたお客さまに、中身のある利回りの高いファンドを提供していきます。実際にファンになっていただき、株主にもなっていただければと思います。さらに配当もお配りしてシーラファンを増やしていき、シーラ経済圏を拡大していくという循環型の経済を目指していきたいと考えています。

総合不動産事業

杉本:最後に、Appendixとして掲載したビジネスモデルについて掘り下げてお話しします。

スライドに記載のとおり、我々は土地を権利調整し、仕入れをして企画を立てます。そして、基本設計、構造設計、意匠設計、施工管理、積算、型枠から塗装に至るまですべて自分たちで作り上げます。

ゼネコンも行い、施工して出来上がった物件を自分たちで販売します。まさしく我々の代名詞ともいえる岩盤収益が賃貸管理、賃貸仲介であり、これがリーシング、ビルマネジメントにつながり、アセットマネジメント、大規模修繕、アフターサービスへと拡大していきます。

開発・販売の実績と現在の取り組み

杉本:旧クミカとシーラテクノロジーズを合わせた累計開発棟数は194棟で、累計で4,825戸の自社マンションを供給してきました。これが一つひとつ蓄積されたノウハウとなっています。

機関投資家・事業会社への売却

杉本:出口のお話です。直近は強固なバランスシートを武器に、時にはフォワードガイダンス(将来的な売却価格などの見通し)をいただき、ファンド向けの物件供給も強化しています。ブラックロックと業務提携を行い、東京都内のワンルームマンションを我々が管理しています。

おかげさまでファンドのお客さまも増えています。ここにすべてを託すことはありませんが、多様な出口の1つとして、ファンド事業会社への売却も少しずつ増やしていきたいと考えています。

日本最大級のオンライン賃貸仲介サービスieTTY(イエッティ)

杉本:我々は、オンライン賃貸仲介サービスも展開しています。わかりやすくお伝えすると、インターネットでマーケティングを行い、集めたお客さまにオンラインで物件をご案内して、ご希望があれば現地で内見して契約するというかたちで、最大限効率化した事業を行っています。

会員数は40万人以上を謳っていますが、競合他社が次々といなくなった結果、私たちしか生き残りませんでした。おかげさまで黒字化しています。

単身者においては、大企業の社宅需要などで、引っ越しの際に部屋を見ないで決めたいという需要があります。そこで、単身者向けのオンライン賃貸仲介サービスがマッチしたということです。

不動産テックビジネスとしては、不動産クラウドファンディングおよびオンライン賃貸仲介サービスが会員数日本No.1ということで展開しています。

再生可能エネルギー事業

杉本:再生可能エネルギー事業は、日々順調に成長しています。こちらは請負に加え、さらに自社で保有して売電事業を行いながら、現在は蓄電池事業にも取り組んでいます。

購入する投資家は、単身者マンションを1棟で購入するような事業会社であったりします。ビジネスモデルも、実は投資用不動産と隣の畑です。太陽光発電を立てて売電するということで、家賃収入と非常に似たビジネスモデルとなっています。これを投資家に買っていただきます。

また、35パーセント以上を再生可能エネルギーで賄いたいという政府の目標もあり、国の後押しもあるため、当面の間、再生可能エネルギー事業は伸びる余地があると思っています。着実に事業を展開していきたい考えです。

不動産クラウドファンディング利回りくん

杉本:先ほどお話しした、我々の大きな強みとなりつつある「利回りくん」です。入口の資金調達から出口に至るまで、第三の資金調達手法としてAUMを拡大しながら、約1.5パーセントのアセットマネジメントフィーをお客さまからいただいています。

今期で100億円に近づき、来期は150億円、200億円と、もう1つの大きなバランスシートが別で回っている状況を将来的に作り出していきたいと考えています。

不動産クラウドファンディング利回りくん

杉本:「利回りくん」のファンド数や累計調達額の推移です。サービス開始当初にマーケティング費用を一気にかけたため、現在の会員数は鈍化して見えます。しかし、現在はほとんどお金をかけなくても、毎日オーガニックにお客さまが流入しています。

十数人や少ない日で5人など、マーケティング費用をかけなくても増え続けていくフェーズに入りましたので、ひたすらファン経済圏を拡大し続けていくことが我々の1つの戦略となっています。

収益不動産のトータルアセットマネジメント

杉本:収益不動産のトータルアセットマネジメントについてです。現在、我々は保有資産を積極的に増やしています。自己資本比率が40パーセント近くあったため、おかげさまで金利上昇の局面にあっても、金融機関から「ぜひ借りてくれ」といわれる側の会社になりました。

保有資産を次々と増やす利点としては、我々はファミリーマンションデベロッパーと違い、投資用マンションを中心としていますので、在庫化しても家賃収入が入ってきます。

在庫化しているものから収益が常に発生し、保有しているものも、もちろん家賃が入ってくるため、休まず働いてくれる資産を持ち続けていることになります。

その中でも、保有資産は長期的にバリューアップしながら保有し続けている資産で、現在約260億円あります。こちらはシーラホールディングスとしての保有資産ですので、旧クミカが数十年保有し続けた含み益がある物件もあります。

シーラテクノロジーズも10年ほど前に取得して、まだ売却していない物件があります。こちらは数値化していませんが、含み益がかなりあります。

先日、『日本経済新聞』の記事にもなりましたが、単身者マンションは首都圏で賃料が急激に上昇しており、我々は持っているだけで賃料が上昇していく局面に入っています。利益が出るからと安易に売却するのではなく、一部の土地については再開発にかかり、物件として着実に仕上げていきます。

自前で建築し、時には途中で売却することもありますが、超長期の戦略を立てて、金融機関から30年あるいは35年という超長期のタームで借り入れを行い、岩盤収益を確実に増やしていくことが我々の大きな強みであると考えています。

不動産管理事業

杉本:総合不動産事業や岩盤収益事業を支えているのは、不動産管理事業です。「SYFORME」シリーズの入居率は99.8パーセントと、常に空きがほとんどない状況です。

これまでの15年間で、さまざまな工夫を行ってきました。旧クミカも同じく、50年以上にわたり、どのようなもの作りをすればお客さまに喜んで入居していただけるのかを考え続けていました。

ワンルームに関しては、一般的にはうなぎの寝床のような細長い間取りを想像する方が多いと思いますが、我々は正方形の間取りにすることをずっと考えてきました。細長い間取りではなくトイレやキッチンを横にして正方形の間取りに配置すると、廊下面積が少なくなって居室面積が増えていきます。

これにより、狭くても間仕切りを作って1LDKの間取りを作れるため、2人で住むこともできます。このような細かいこだわりをひたすら続けており、同じ広さでも間取りが大きく広く感じられようにしています。

正方形の間取りでオープンキッチンにすることにより1畳分広くしたり、居室スペースを広くすることで同じ広さでも家賃が1万円上がったりします。このような工夫を清掃、保守管理など含むすべてにおいて、こと細かく取り組んできました。

その結果、99.8パーセントという入居率を実現しています。我々は管理にも、モノ作りにもこだわり続けてきました。これが我々のすべての事業を支えてくれていると考えています。

ご説明は以上となります。ご清聴いただき、誠にありがとうございました。

質疑応答:経営統合について

荒井:「シーラテクノロジーズは1年前に旧クミカの筆頭株主となりましたが、当時感じていた課題や、その後の統合に向けて取り組んできたことについて教えてください。また、昨年12月の経営統合発表から本年6月1日の正式統合までのおよそ半年間は、杉本さんにとってどのような期間でしたか? その間の思いや印象深かった出来事などがあれば、ぜひお聞かせください」というご質問です。

杉本:一言で言うと、本当に大変でした。埼玉県の草加本社に1年ほど通い続け、外環道が嫌いになるくらい本当にいろいろなことがありました。

1点だけ我々が伝え続けたのは、上場会社として成長しなければいけないということです。やはりモノ作りの精神もそうですし、我々に言われたから動くのではなく、自分たちで考えて動いて、一人ひとりが自立し、自足している会社になってもらいたいと伝え続けてきました。

良い意味でも悪い意味でも、前の会社は強烈なトップがいて、その手足になって動いている企業でした。我々になってからは「自分たちで考えて動いてくれ」と言った時に、思考停止になってしまう人たちも少なくありませんでした。

一人ひとりと膝を詰めてお話ししていく中で、我々は成長しなければいけないことや、自立して動いていただかなくてはいけないこともお伝えしました。50代後半から60代の幹部で、残念ながら我々の方針に合わないということでお辞めになった方も20名程度いらっしゃいます。

解雇したわけではなく、我々は雇用を守ることを大前提に掲げていました。結果的に、我々の成長戦略やグランドビジョンを正しいと思ってくれた若い人たちが残ってくれて、経営統合後も取り組んでくれています。

一番の苦労は文化が違うことでした。大先輩方に、我々は企業として成長したいことや、作り上げてきたビジョンや成長戦略、一つひとつの理念を伝えてきましたが、例えば朝礼での唱和を「立って大きな声で言ってください」とお願いしても、60代の方はなかなかやってくれません。

荒井:抵抗があるかもしれないですよね。

杉本:そのとおりです。「我々は昭和にできた会社ですよ」「昭和に唱和しているのです」と冗談を交えて言っていましたが、そのように凝り固まってしまうところがありました。

我々は基本的にはこのようなことが経営において大切だと思っています。例えばしっかり挨拶したり、「誠実さ、あるいは感謝の心を持て」と言っています。感謝とは、やはり思いやりの心だと私は思います。

そのようなものを持てず、お客さまが我が社に来て、目が合ったのにもかかわらず挨拶もできない人が我が社の社員であっていいのだろうかなど、そのような根本的なところからお伝えしてきました。

「挨拶をしてください」「全部でなくてもよいので、会社の経営理念やビジョンをいくつか言えるようになってください」など、基本的なことをお伝えしましたが、「今からそのようなことはできないよ」ということで、残念ながら辞めていった方々もいました。

ただし、我々の心は1つになったと思います。このようなことが大事だと感じてくれた社員が残ってくれて、今は社員一同、邁進しています。

そのような意味では軋轢もあり、私も旧クミカの方からいろいろと否定されたこともありました。しかし、「このような会社にしたいんだ」という思いを伝え続けた結果、このようなかたちになれたことは、やはり自分の信念を貫いてよかったなと思います。

正しかったかどうかは歴史が証明してくれます。業績や結果を出し、株主のみなさまにも還元性向で必ずお返ししなければいけないと思っていますが、まずは第一段階としては成功したという感想を持っています。

荒井:では、よい環境作りは順調だということですね?

杉本:はい。うまくいっていると自信を持っています。

質疑応答:自社株買いの実施および株主優待の継続について

荒井:「自社株買いの予定はありますか? また、株主優待が非常に魅力的ですが、継続しますか? 今後の株主還元方針について教えてください」というご質問です。

杉本:自社株買いの時期をお話しするとインサイダー取引になってしまいますので、お伝えできません。ただし、経営者として当然ですが、株主還元策の一環として検討していきます。

我々は残念ながらPBR1倍を大きく割っており、過去のことも含めてまだ株主のみなさまに正当な評価をいただけていないと思っています。

反省すべき点もありますし、反対に「わくわくする」「これから取り組めることがまだたくさんある」と思っていますが、そのような意味でも自社株買いは1つの手段だと思っており、随時検討していくべきだと考えています。

キャッシュが今100億円を超えています。我々の基盤でこれだけの岩盤収益が入ってきて、キャッシュが安定しており、自己資本比率が40パーセント近くというデベロッパーはなかなかありません。強固な財務基盤も含めて、株主還元策について検討していきます。

「株主優待は一時的なものですか?」「来期の配当はどうでしょうか?」というご質問もいただきますが、業績を上げた暁には継続的かつ積極的に株主のみなさまに還元していかなくてはいけないと思っています。それが株主のみなさまからの信用回復手段の1つであると強く考えていますので、自社株買いも含めて前向きに検討していきたいと考えています。

質疑応答:コンパクトマンションやコンパクトオフィス領域を狙う理由について

荒井:「なぜコンパクトマンションやコンパクトオフィス領域を狙いにいくのでしょうか? 事業戦略について教えてください」というご質問です。

杉本:例えば大手企業の三井不動産、三菱地所、住友不動産、森ビルと比べると、総資産が600億円あろうとも、自己資本が200億円を超えようとも過少資本です。

「最後に情報が回ってくる案件は何だろう?」と考えると、やはり大手企業が取らない案件、あるいは捨てる案件です。これを地道に調査したり権利調整したりして、昔の言葉で言えば地上げですが、自分たちで小さな土地を買って確実に作り上げていく技術が大事になります。

実は、昨年は東京の人口が前年比で9万3,000人増えておりその7割が単身者です。当たり前ですが、日本は人口が減少していき、経済も残念ながらシュリンクしていく可能性があります。そのような中で、都市部への労働人口の集約は逃れられないと思っています。

この大きな流れに逆らうと、事業としては痛手を負うのではないかと考えています。したがって、我々は大きな波に乗っていきます。このエリアで徹底して単身者向けの、他社が行わない領域に取り組んでいく方針です。

「コンパクトな15坪の商業ビルを作っている会社はありますか?」と聞かれると、おそらく「あれ、どこだろう?」となると思います。例えば35万円で借りられる15坪のオフィス、またはこれから狭小領域にさらに挑戦し、20万円で借りられるオフィス、シェアオフィス、コワーキングスペースなどを作っていきます。

他社よりも競争力があり、我々が独自に作り上げてきたノウハウを基に、15年間ずっとそれだけに取り組んできました。ここに旧クミカの埼玉県を中心としたファミリーマンションのデータベースも加わっています。

これだけをひたすら続けてきたため、単身者向けマンションをどこに作れば、いくらくらいの賃料で、どれくらいで売れるのか、どのようなものを作るべきなのかというノウハウがデータベースに蓄積されています。

したがって、自分たちの強みをさらに磨き、大手企業が入らないところで、ランチェスター戦略で徹底的に投資を集中させて勝っていくことでしか、我々のような中小企業が生き残っていく方法はないと思います。

ここを徹底していった結果、おかげさまで先日、我々が作ったマンションをブラックロックだけではなく、超大手のデベロッパーに買っていただきました。

最初に担当者が来た時に「なぜ大手がうちのワンルームマンションを買うんだ」「買うわけないだろう」と言いました。しかし、コンパクトマンション領域にも事業展開していきたいということで「勉強も兼ねて買ってみたい」「本当に良い物件だ」ということで購入していただきました。

建築側にいる社員たちは「本当に誇らしく思う」と言っていましたが、これも我々が積み上げてきた実績とノウハウ、強みによるものと考えています。

質疑応答:シーラテクノロジーズにおける直近期の売上高と営業利益について

荒井:「今回、経営統合を行ったシーラテクノロジーズの売上高と営業利益は、直近期でどの程度あったのでしょうか?」というご質問です。

杉本:2024年12月期においては、売上高は約308億円、営業利益は約23億円です。その後、シーラホールディングスが旧クミカ側に決算を合わせたため、2025年5月期の5ヶ月分については、売上高は約125億円、営業利益は約9億円となっています。

なお、2023年12月期の売上高は226億円であり、2024年12月期は308億円、今期は345億円の計画ということで、引き続き高い成長率を維持していると考えています。

質疑応答:販管費を抑えつつ収益を伸ばすための施策について

荒井:「ストック収益の成長に対して、販管費はあまり増えない計画ですが、どのように支出を抑えつつ収益を伸ばしていくのでしょうか? 具体的な施策を打っていたら教えてください」というご質問です。

杉本:まず1点は、DXへの取り組みです。これまでシステムに6億円ほどかけてきています。旧クミカはすべてを紙で行っていましたので、統合することによって業務効率がかなり上がったと思います。

2点目に、上場の維持コストがあげられます。我々はアメリカで上場していましたが、実は上場維持コストが人件費も含めて高い傾向にありました。アメリカ人の役員が必要だったり、アメリカ側の監査法人は日本の1.5倍近くのコストがかかったり、円安のため証券会社に対するフィーが5億円程度かかっていたりしました。一方で日本での上場に切り替わると、3億円近くのコスト削減が可能です。

3点目に、人材が地道に成長してきたことです。人材戦略の詳細は割愛しますが、生え抜きから育てていこうというテーマを掲げて、今期はたくさんの生え抜きの社員たちが幹部に昇進しています。

今までは外部から年収が高いプロフェッショナル人材を採用し、ポジションに就いていただいていましたが、内部から生え抜きの社員が次々と育ってきていることも、販管費を抑えて収益を伸ばす要因の1つです。

我々はこの好循環を生み出すことで、外部の給料が高いプロフェッショナル人材を充てるのではなく、成長した内部の社員の給料を上げて、内製化してきています。また、アメリカのNASDAQ市場への上場コストも下がってきており、DXにも取り組んでいます。

さまざまなことで販管費が抑えられていく取り組みを進めているところで、デトックス委員会を設置しました。3ヶ月に1回、1万円単位の細かなコストまで見ています。さすがに千円単位では見えませんが、どのようなコストなのかを全社的に見て、コストをコントローラブルにしています。

質疑応答:「利回りくん」でこだわったポイントについて

荒井:「個人的に『利回りくん』のUI/UXは非常に優れていると感じています。サービス開発や提供に当たって特に意識した点や、こだわって取り組んだポイントがあればぜひお聞かせください」というご質問です。

杉本:ありがとうございます。まさしくいただきたかったご質問です。不動産クラウドファンディングのいろいろなサイトをご覧いただきたいのですが、私はメジャーどころのサービスは自分で登録してみました。しかし、一言で言うと「冷たい」です。儲かるのだとは思いますが、「冷たそうだな」という印象を持っています。

「利回りくん」というネーミングにも表れているとおり、我々は不動産投資の民主化を掲げていますので、まずはUIにおいても親しみやすさが必要だと考えました。さらに、お客さまがどのような不動産を持つのかをアニメーションなどで細かくご説明し、なるべく多くビジュアルを入れていくことも重要です。

そして、登録においては7歳児でも70歳でもワンタッチで登録できるようにすることが目標でした。少なくとも5分以内に不動産投資が始められる段階を作り出さなければ、お客さまが立て続けに離脱していくと考えています。

サイトにヒートマップを作り、お客さまがいったいどこで離脱しているのか、お客さまはどこを見ているのかを徹底的に研究して、ミリ単位でボタンをずらすなど、UI/UXに関しては命を懸けるくらい、魂を持って取り組みました。

お客さまの中には、おそらく「利回りくん」という名前に思わず吸い込まれて「なんとなく始めてしまった」という方も多いと思います。

そのような親しみやすさに加え、お客さまにアカウンタビリティを果たし、なるべく動画でわかりやすく説明することを心がけ、UI/UXを徹底して日進月歩で向上させています。私が全部のサービスを経験して、何がストロングポイントになるかを研究してきたことが、使いやすさや親しみやすさの要因の1つであると考えています。

荒井:「使えばわかる」というのがポイントでしょうか?

杉本:ぜひ使っていただきたいと思います。

質疑応答:時価総額の目標について

荒井:「現在の時価総額は100億円台ということで、時価総額が会社の価値であると考えた場合に、早々に必ず達成させたい時価総額と、長期目線で到達したい時価総額を教えてください」というご質問です。

杉本:非常に直接的なご質問をありがとうございます。まず、我々は時価総額を目指す経営ではありません。冒頭にお話ししたとおり、良いものを作ってお客さまに喜んでいただきたいと考えています。お客さまの幸せがあって初めて社員の幸せにつながり、その次に会社が成長して株主還元ができ、そして社会還元もできると思っています。

ただし、上場企業ですのでベンチャースピリットを持って成長し続けていかなければなりません。目の前のことにひたすら取り組んでいくことを考えていますが、1つの指標として、我々がベンチマークしている同業他社が3社ほどあります。こちらを1つの参考値としてご覧いただきたいと思います。

具体的には、不動産テック、あるいは不動産クラウドファンディングを展開しており、実業もしっかりと取り組んでいるところで我々がベンチマークしている会社です。PERで言うと、最低16倍から最大50倍程度まであります。PBRは、約2.7倍から最大5.3倍です。最大値に当てはめると、時価総額は1,000億円程度になってしまいますが、だいたいその平均値です。

他社のPER、PBR、ROA、ROEなどを分析し、大きなことを言わずにまずは平均値である450億円から500億円程度を我々の企業価値として、「このあたりは達成していかなければいけないだろう」と、IR担当と日々話しています。

杉本氏からのご挨拶

杉本:経営統合後、無事に初の決算発表を迎えられたことは、旧クミカの株主のみなさま、そしてシーラテクノロジーズの株主のみなさまが我々の未来を信じてご支援いただいた結果の賜物だと思っています。心より感謝を申し上げます。

そして、やはり何よりもこれからが一番大事だと思っています。一歩一歩、着実に積み上げて、ひたすらシェアを伸ばし続けていきます。

地道に取り組んでいき、お客さまから「この会社は着実に積み上げていくな」「株主還元策を確実にやってくれるな」という信頼を積み重ねるまでに、長期的に10年はかかると思っています。この信頼をみなさまから得ていくためにも、一歩ずつ積み上げていきたいと思います。

今後ともご支援、ご指導のほど、よろしくお願いします。

配信元: ログミーファイナンス

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