*15:01JST 精工技研 Research Memo（1）：2025年3月期は大幅な増収増益。財務も健全で成長投資と株主還元を強化 ■要約

精工技研<6834>は、1972年の創業以来、精密加工技術を軸に事業成長を続けてきた。現在は精機関連と光製品関連の2つの事業を展開している。2025年3月期の連結業績は、すべての指標で大幅な増収増益を達成した。特に光製品部門が売上高10,782百万円（前期比52.5%増）と大きく伸長し、営業利益率も5.5%から20.7%へ改善した。一方、精機部門については、売上高は9,200百万円（前期比5.6%増）と増加したものの、営業利益はやや減少した。全体の受注高・受注残高はそれぞれ33.7%、57.8%増と好調を維持している。財務面では営業キャッシュ・フローが大幅に改善し、現金及び現金同等物期末残高は7,320百万円に増加。中期経営計画の前倒し達成に加え、株主還元強化や成長投資にも積極姿勢を示している。

1. 2025年3月期の連結業績概要
2025年3月期の業績概要は、売上高が19,982百万円（前期比26.6%増）、営業利益が2,817百万円（同167.7%増）、経常利益が2,979百万円（同134.7%増）、当期純利益が2,225百万円（同192.4%増）だった。光製品部門が光コネクタ部品や光コネクタ研磨機、検査・測定装置の販売増を背景に売上・利益とも大きく伸長し、セグメント利益も急拡大した。一方、精機部門は売上高が堅調ながら、営業利益は減少した。全体では受注高、受注残高ともに大幅に増加しており、今後の成長も期待される内容となっている。

2. 2026年3月期連結業績の見通し
2026年3月期の業績見通しは、売上高が22,000百万円（前期比10.1%増）、営業利益が3,000百万円（同6.5%増）、経常利益が3,100百万円（同4.0%増）、当期純利益が2,300百万円（同3.4%増）と、前期の高成長を踏まえつつも堅調な増収増益を計画している。精機関連は回復、光製品関連は堅調な成長を見込んでいる。設備投資・研究開発も継続し、中期経営計画に基づく成長と収益力強化を図る方針である。

3. 成長戦略
同社は中期経営計画「マスタープラン2022」で、2027年3月期に売上高25,000百万円、営業利益2,500百万円（営業利益率10%）を目標としていたが、2025年3月期に営業利益2,817百万円を記録し、2年前倒しで達成した。これを受けて2027年3月期目標を営業利益3,300百万円（同13.2%）に上方修正した。精機・光製品ともに25%増の売上高を見込んでおり、成長と収益性を両立する方針を明確にしている。

■Key Points
・2025年3月期の連結業績は、すべての指標で大幅な増収増益
・2026年3月期は前期の高成長を踏まえつつも堅調な増収増益
・2027年3月期の経営目標である売上高25,000百万円、営業利益2,500百万円（営業利益率10%）を2年前倒しで達成
・2027年3月期の目標を営業利益3,300百万円に上方修正

（執筆：フィスコ客員アナリスト　中山博詞）

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