キットアライブのニュース
【QAあり】キットアライブ、堅調なクラウド需要背景に売上高は前年比8.9%増 1Q は大幅昇給により減収となるも計画どおり進捗
アジェンダ

嘉屋雄大氏:みなさま、こんばんは。株式会社キットアライブ代表取締役社長の嘉屋雄大です。本日は大変お忙しい中、弊社の四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。
スライドに記載の資料にしたがって、2025年12月期第1四半期の決算についてご説明します。どうぞよろしくお願いします。
北海道から日本のクラウドビジネスを支える Kitalive Inc.

弊社の事業概要です。本社は北海道にあります。「北海道から日本のクラウドビジネスを支える」というビジョンのとおり、私も含めて「北海道が好きだ」という人間が非常に多く集まっています。
ビジネスとしては、「Salesforce」というパブリックプラットフォームを取り扱っており、北海道から東日本、南は鹿児島まで、日本全国のお客さまにクラウドビジネスをお届けする会社となっています。
株式会社キットアライブについて

会社のプロフィールです。本社は札幌駅から歩いて5分ほどの街中にあります。東京事業所も日本橋にあり、63名の社員のうち約9割が北海道に所属しています。
従業員の平均年齢は32.6歳とまだ非常に若い会社です。設立も2016年と、社歴もまだ短いですが、札幌証券取引所アンビシャス市場には設立から6年後の2022年に上場しています。
事業内容については後ほどご説明します。役員構成はスライドに記載のとおりです。
サービスの特徴

事業内容としてサービスの特徴をご説明します。当社は「Salesforce」を使ったビジネスを行っています。「Salesforce」は非常に有用なクラウドプラットフォームですので、多くの会社での採用が進んでいます。その中で、当社が提供するサービスを2つに分けています。
1つ目は「Salesforce」の導入支援です。「Salesforce」はもともと、CRM等の顧客管理や営業の情報管理に強みを持つプラットフォームです。最近ではそこに加えて、例えば取引先にクラウドライセンスを持っていただいて、リアルタイムにご注文情報をいただいたり、仕入先にもクラウドライセンスを持っていただいて、必要な情報や商品をすぐに連携し発注を行ったりすることも可能です。
それにより、販売管理や営業管理の情報、引当などを含めた在庫情報がリアルタイムに連結されていきます。これらの情報をすべて1プラットフォーム「Salesforce」上で管理し、リアルタイム性を上げていきます。
つまり、他のサブシステムとのデータ連携等の必要がなく、「Salesforce」にすべての情報が集まってくるような状況を作り上げます。現在は、そこで作り上げた情報をさらに会計システムへ連携するような案件が増えてきています。
そのような案件のITコンサルティング・要件定義・設計・開発、システムテストという一連の流れを経て、運用保守までをワンストップでご提供するサービスになっています。
2つ目は「Salesforce」の製品開発支援です。こちらはビジネス版の「App Store」とお考えいただくと、非常にイメージしやすいかと思います。
多くの会社において、販売管理や名刺管理、勤怠管理などのアプリケーションやシステムを使いたいというニーズがあります。それをストアで探し、アプリを見つけて何回かクリックするだけでインストールが終わり、すぐにその会社で使えるようになります。
まさにBtoB版の「App Store」といったイメージですが、当社ではそのようなアプリの開発を支援しています。構想から支援することもありますが、早期のサービス展開の支援を継続的に行っています。
導入支援と製品開発支援を組み合わせるかたちでビジネス展開していることが、当社の強みとなっています。
ビジネスの流れ

ビジネスの流れについてご説明します。スライド中央に当社があります。右から2列目の製品開発委託元企業から製品開発をご依頼いただき、当社が支援するという関係になります。その製品が世に出ると、当社が導入支援や追加のカスタマイズを行います。
また、委託元企業からお客さまをご紹介いただくことも多くあるほか、当社が開発した製品のライセンス販売や仕入販売といったことも行っています。
加えて、一番左のセールスフォース・ジャパンからも多くのお客さまや案件をご紹介いただいています。セールスフォース・ジャパンと協業するかたちで、お客さまへの導入支援を行っています。
当社の市場ニーズ

当社の市場ニーズは「クラウドを活用し、全国のお客さまの生産性向上に北海道から貢献すること。」です。
2025年12月期第1四半期累計 業績ハイライト

2025年12月期第1四半期の業績についてご説明します。まずはハイライトです。売上高は前期比8.9パーセント増の2億1,400万円となりました。
営業利益は3,900万円と、前期比では若干の減益となりました。こちらは今年1月にかなり大きな昇給を行ったことが影響していますが、当初の計画どおりと考えています。
その他の売上総利益、経常利益、当期純利益の実績と、それぞれの予想進捗率はスライドに記載のとおりです。
2025年12月期第1四半期 貸借対照表

貸借対照表です。資産合計と負債合計はスライドに記載のとおりです。自己資本比率は上昇し、90.6パーセントとなりました。財務基盤としては、引き続き健全な状態を保っていると考えています。
売上高/経常利益の推移

売上高と経常利益の推移です。まだ第1四半期ですので、グラフで見比べるとかなり低く見えますが、第1四半期期間の経常利益は18.7パーセントで着地しています。
純利益、1株当たり純利益の推移

純利益と1株当たり純利益の推移についても、同じような傾向になっていますが、スライドのグラフのとおりです。
純資産額/総資産額、1株あたり純資産額の推移

純資産額と総資産額、1株当たり純資産額の推移です。内部留保の積み上げにより順調に成長していると考えています。
売上総利益・売上総利益率の推移

売上総利益と売上総利益率の推移です。売上総利益率は若干低下しているものの、42.5パーセントとなりました。
都道府県別取引先と累積取引先社数の推移

都道府県別の取引先の推移です。スライド左側の図が所在になりますが、現在は北海道を含めて19都道府県のお客さまと取引しています。
スライド右側は、これまでの取引数を累積したグラフです。直近では北海道が44社、北海道以外が86社と、およそ2対1の比率で北海道以外の取引先が多くなっています。
グラフを見ると、第6期、第7期ぐらいから北海道以外の取引先が伸びていることがわかります。ちょうどこの頃にコロナ禍が始まり、世の中にWeb会議が浸透していった時期と比例しています。
Web会議をみなさまに認めていただいたことで、当社としても距離の壁がなくなり、日本の多くのお客さまに対して「Salesforce」の導入支援を行える機会が増えました。
主たる取引実績

許諾をいただき当社のホームページにロゴを掲載しているお客さまについて、スライドに一部掲載しています。
スライド左上の労働金庫連合会さまは金融のお客さまとなります。その右の北海道ガスさまは北海道ということで当社本社との距離も近く、支援を行っています。そのほか、北海道大学さまをはじめとした非常に多くの業種のお客さまとビジネスをしており、オールマイティに取引があることも1つの特徴だと考えています。
2025年12月期通期業績予想 (当初予想から変更なし)

業績予想は、開示している情報から変更ありません。今期の売上高は前期比22.6パーセント増の約10億円で、大きく伸ばしていく計画としています。
営業利益は、前期比22.9パーセント増の1億7,000万円を目指します。経常利益は、前期比4.3パーセント増の1億6,000万円の計画です。戦略的な事業運営に伴い、今期のみ一時的に営業利益に対して経常利益の増加率は低下する予定です。
2025年12月期通期業績予想 (当初予想から変更なし)

スライドは業績予想をグラフにしたものです。売上高は右肩上がりで、引き続き増収の予定です。経常利益は先ほどご説明したとおり、増加率は少ないですが、昨年よりは伸びていくと予想しています。
2025年12月期採用・育成施策

当社はお客さまにインテグレーションするビジネスを行っているため、エンジニアが非常に必要となっています。今期の採用目標は16人ですが、この4月までに新卒・第二新卒社員合わせて6名が入社しています。
新卒採用だけではなく、第二新卒採用にも非常に力を入れています。現在は、1月・4月・7月・10月の四半期単位での入社制度に変更しており、採用機会の損失防止に取り組んでいます。
スライド上段中央に「積極的広告展開」と記載していますが、これは大学生協と協業し、学食のトレイに広告を掲載したり、学生に安く夕食を食べていただくかわりに当社広告を見ていただいたりなど非常に多くの取り組みを行っています。
これにより認知度も少しずつ上がっていると感じています。この取り組みは短期的なものではなく、通年で行う予定です。当社のブランド力はまだまだ弱いですが、広告を見る機会を増やすことで覚えていただきたいと考えています。現在進行形で、認知度の大幅な向上に取り組んでいます。
上段右側には「AIサービスの積極導入」と記載しています。生成AIや自律型AIも含めて日進月歩でどんどん便利になっていると、私自身も感じています。
AIの導入によって社員の負荷を軽減することを並行して行っています。現在は採用活動に生成AIサービスを導入し、業務効率が大幅に向上しています。例えば、今までは人間が必ず1人ついていなければできなかったような仕事を、片手間でできるようなイメージで運用を行っています。
また、生成AIサービスとAIの文字起こしサービスとして「ChatGPT」「Gemini」「Notta」を全社で導入し、社員に使ってもらい負担を軽減しています。
加えて、人材育成強化のためのタレントマネジメントシステムも導入しており、成長を支援しています。
自律型AI「Agentforce」導入プロセス

当社ではさまざまなAIサービスを使っていますが、セールスフォース・ジャパンも自律型AI「Agentforce」を提供しています。
「Agentforce」はまさにエージェントのようなものです。例えば、CRMなどその会社の情報が入っているデータベースに対して「キットアライブ」と入力し、「キットアライブの過去の訪問履歴からキットアライブの情報を取りまとめてください」と指示すると、即座にそれを出してくれます。
そこに「このような商談があって、それを登録した」という内容があれば、そのデータも作ってくれます。そのようなイメージで、アシスタントのようなかたちで使えて、ゆくゆくはマネージャー的な判断もできるようになります。
「Agentforce」は日本での展開も少しずつ始まっており、当社でも導入プロセスを整理しているところです。実際に案件として取り進めているものもありますが、まずはスライド上部に記載の「目的とKPIの明確化」を目指します。このAIを導入すること自体の目的と数値的なKPIをどこに置くかを、お客さまと一緒に決めていきます。
この「Agentforce」を動かすためには、スライド右側の「質の高いデータの準備」が必要になります。そのデータをもとにして、どのようにAIが振る舞うかが決まるからです。必要なデータを準備することを「データアセスメント」と呼びますが、これもお客さまと一緒に行うことになります。
これを行うと「そのデータはまだ十分に集まっていません」あるいは「レアパターンが多く、なかなか通常で使えるようなデータがありません」など、さまざまな問題が出てきます。そこを克服するかたちでデータを溜める必要があります。「スコープクリープ」と呼びますが、最初の段階は小さなスコープで始めて、スピードを上げていきます。
「小さく始めて素早く繰り返す、アジャイルアプローチ」と記載していますが、通常「アジャイル開発」というと、システム開発における言葉に見えます。しかし、ここでの「アジャイル」は「ビジネス自体をアジャイルにしていこう」といった意味合いで捉えています。
先ほどのKPIも含めて、スコープを変えていかなくてはなりません。お客さまと非常に近しいコミュニケーションを取っていく必要があるということです。
そのために、スライド左側に記載のとおり、お客さまにもステークホルダーの関与をお願いしていきます。計画段階から主要な関係者を巻き込んで、定期的なフィードバックを収集します。このサイクルを何度も回すことで、AIの効果の検証を進めていきます。
これにはかなりノウハウが必要になりますが、セールスフォース・ジャパンはこの自律型AIの分野に非常に早く参入されています。当社もいち早く参入していますので、このノウハウも早く蓄積できているのではないかと考えています。
今後の成長イメージ

「Agentforce」は「Salesforce」の売上の中でもまだ新しいですが、成長分野として考えており、先ほどご説明したように来期も売上を伸ばしていきます。また、利益も今期、来期と伸ばしていくイメージで考えています。
国内パブリッククラウドサービス市場予測

市場性についてです。現在当社が扱っている「Salesforce」が属するパブリッククラウドサービス市場は、2024年から2029年までの年間平均成長率が16.3パーセントと、比較的高い成長率で順調に伸びていきます。したがって、市場としてはまだ潤沢な中で進められると考えています。
国内CX関連ソフト/CRMアプリケーション市場予測

お客さまに係るCX関連ソフトウェア市場とCRMアプリケーション市場の年間平均成長率は、それぞれ8パーセント、9.6パーセントで、堅調に伸びると予測されています。そのため、当社の外部環境は、引き続き良好だと認識しています。
少人数プロジェクトの特徴

この環境の中で、当社がどのような取り組みを行っているかについてご説明します。
先ほどの「Agentforce」の導入も含めて、お客さまと非常に近しいところでビジネスをしていく必要があります。それにより社員もさまざまな経験をすることができます。当社では、それを非常に重視しています。
少人数プロジェクトの特徴の1つ目は、「複数工程の経験」です。少人数プロジェクトでは、複数工程を経験せざるを得なくなるというところはありますが、例えば、プログラムだけ、設計だけということではなく、非常に多くの工程を1人のメンバーが経験することで、その経験値を早くから身につけることができます。
2つ目の「業務理解度の向上」については、お客さまと近しいところでということで、打ち合わせにはすべてのプロジェクトメンバー、例えば若いメンバー、新卒メンバーも参加します。Web会議も活用することにより、コミュニケーションを重ね、業務理解度を上げることができます。
採用・育成

現在、私たちは若手を多く採用し、「Salesforce」エンジニアを育成しています。平均年齢は32.6歳と、非常に若い社員が多い会社です。
先ほどご説明したAIビジネスなど、日進月歩で変化していく部分を吸収しなければならない、技術的な要素やビジネスの要素が数多く存在します。若手メンバーは非常に優秀ですので、そのような要素について、早くから経験していただくということです。
そして、Web会議を活用し、全国の企業への「Salesforce」導入を支援しています。
北海道大学様との連携を強化

弊社の近くには北海道大学があり、引き続き連携を行っています。アントレプレナーシップを養う「北大テックガレージ」というプロジェクトでは、「世の中にないものを自分たちで作っていこう」ということで、自分たちで事業計画のようなものを作成し、ピッチなども行っています。
これは弊社が1社独占で支援しており、必要な物品などを寄付から購入いただいています。
全社員のうち25%が北海道大学出身

このようなつながりもあることから、社員の4人に1人、25パーセントが北海道大学の出身です。2025年4月にも、北海道大学から3名が入社しました。
Salesforce認定資格保有者数一覧

「Salesforce」の認定資格者数の一覧です。スライド一番上の「アプリケーションアーキテクト」と「システムアーキテクト」は、比較的難易度が高い資格で、それぞれ6名、3名が保有しています。このように、弊社は数多くの資格者を抱えています。
その他の資格については、1人で複数の資格を保有しているメンバーもたくさんいますが、このようなメンバーが在籍しており、今後も継続的に資格の取得に取り組んでいきます。
地域とともに成長を

「Kids Alive」について、こちらも毎回お話ししている内容です。「北海道札幌に根ざして」という部分で、「この北海道札幌が成長していく、だから私たちも成長していく」という思いを信じ、日々の事業活動を行っています。
そのため、「Kids Alive」というこども手当を社員に支給しており、同額を四半期に一度、札幌市に寄付しています。今後もこの活動を継続していきます。
従業員持株会の設立

弊社は従業員持株会を設立しました。拠出金は1口1,000円(上限50口)、奨励金付与率は拠出金の20パーセントとし、2024年6月から開始しています。
私たちのミッション

最後に弊社のミッションです。私たちは、「Challenge together.」という言葉をミッションとして掲げています。
先ほどお話ししたAIの導入は、まさに改革に値します。これまでとはまったく異なる事業構造を築いていかなければなりません。果たしてそれがうまくいくかどうかは、現時点では誰にもわかりません。その中で、みなさまはこの成功に向けてチャレンジしようとされています。
私たちは、その挑戦に伴走するかたちで改革を支援したいと考え、「Challenge together.」という言葉をミッションとしています。
私からのご説明は以上です。
質疑応答:株主還元方針と今後の見通しについて
「株主還元方針と今後の見通しを教えてください」というご質問です。
現在、株主のみなさまへの配当はまだ実施しておりませんが、配当や株主優待といった還元施策については、上場企業として非常に重要な責務であると認識しています。
一方で、弊社はまだ成長フェーズにあり、人材の獲得や教育・訓練などへの投資が必要であるとも考えています。そのため、将来的な株主還元については、引き続き検討を進めていきます。
質疑応答:東京証券取引所などへの重複上場について
「東京証券取引所などへの重複上場などの考えはありますか?」というご質問です。
現在、弊社は札幌証券取引所のアンビシャス市場に上場していますが、この市場はステップアップ市場として位置づけられていると認識しています。
例えば、東京証券取引所のグロース市場への移行や、上場基準の変更といった動向も注視しながら、すべての可能性について情報収集を行っていく方針です。
質疑応答:東証グロース市場の動向について
「貴社は東京証券取引所上場企業ではありませんが、東証の改革によりグロース株は5年で時価総額100億円が求められる時代になりそうです。貴社はどのようにお考えですか?」というご質問です。
この件については、東京証券取引所が4月22日に公表したグロース市場に関する今後の方針や、各種報道の内容を踏まえたご質問であると捉えています。グロース市場の基準変更について、2027年と言われていますが、時価総額100億円といった具体的な数字についてのご質問は、非常に重要な指摘であると認識しています。
まず一般論としては、グロース市場へのステップアップは、企業価値をさらに高めることになります。今回の改定もそうですが、機関投資家を含むより多くの投資家のみなさまに、鍛えるということをしていただく機会を増やすという観点からも、有効な選択肢の1つであることは重々認識しています。
ご認識のとおり、時価総額をはじめとするさまざまな上場基準を満たす必要があります。これはつまり、私たちが継続的に企業価値を向上させていくことの重要性を示していると理解しています。現時点においては、具体的な市場変更の計画やその時期について、公表できる段階ではありません。
しかしながら、弊社としては、株主のみなさまの価値を最大化することを目指し、現在推進している事業戦略を着実に実行しながら、収益力の強化と継続的な成長の実現に全力を注いでいます。
このような取り組みの結果として企業価値が向上すれば、将来的に市場変更を含むさまざまな選択肢が、現実的なものとして視野に入ってくる可能性があると考えています。その際には、株主のみなさまの期待に応えられるよう、あらゆる可能性を慎重に検討していきます。
弊社に関する重要な決定事項については、適時適切に情報開示を行っていきます。引き続き企業価値の向上に努めていきますので、ご理解いただき、今後も変わらぬご支援とご鞭撻をお願いします。
質疑応答:流動性の改善について
「大株主が過半の株式を保有していることもあるのか、出来高がほとんどありません。投資家として流動性を考えると投資が難しく感じます。この点について改善の予定はありますか?」というご質問です。
流動性の低さについては認識しており、ご迷惑をおかけしていることを深くお詫びします。まずは、IR活動を通じて弊社の取り組みを広く知っていただくことが、何よりも重要だと考えています。
昨年に続き、今年も5月29日に東京で個人投資家向けの説明会を予定しています。今後も弊社の事業活動を知っていただく取り組みを継続していこうと考えています。
質疑応答:キットアライブの強みについて
「御社の強みはどこですか?」というご質問です。
弊社は北海道および東日本を中心に、中規模・短納期の案件を数多く手がけています。また、大企業の中でも、特に迅速な対応が求められるスタートアップのプロジェクトを非常に得意としています。
さらに、高度な技術が必要となるアプリケーションや製品の開発、「Salesforce」では「AppExchange」と呼ばれているアプリの開発と導入の支援、それらを組み合わせたビジネスにおいても、弊社は大きな強みを持っています。
質疑応答:第1四半期の業績について
「前四半期比での売上、営業利益、粗利率が下がっているのですが、どのような評価でしょうか?」というご質問です。
第1四半期については前年同期比で増収減益となっており、粗利率も若干低下しています。要因として、2025年1月に比較的大きな昇給を行ったことが挙げられます。
エンジニアの人材不足がより強まる中で、弊社の社員を適切に評価し、さらなる成長を促すために昇給を実施しています。
昇給と単価の向上とのバランスが取れてくると、営業利益率や粗利率もそれに伴って推移しますが、若干のタイムラグがある状況です。受注単価の向上にも取り組んでおり、これについては今後追いついてくると見込んでいます。
お客さまに提供する価値の向上により、単価を上げていきます。このような経営努力を継続することで、粗利率の向上も目指していきたいと考えています。
質疑応答:クラウドの流れについて
「クラウドの流れは一巡したのでしょうか? まだ掘り起こせるものの人が追いついていない状況なのか、教えてください」というご質問です。
第1四半期を見ると、エンジニアの人手不足が継続しています。弊社の状況を見る限りでは、クラウドの流れが一巡したといった認識には至っていません。
また、今後はAIを活用したプロジェクトが増えていくと予測されます。AIの活用に関しては、新しい需要が生まれてくると見込まれており、引き続き需要は喚起されていくものと考えています。
先ほど市場予測のところでお伝えしましたが、企業の規模や地域によって多少の差はあるものの、全体として、DXへの投資は継続されると想定しています。
質疑応答:PERについて
「御社のビジネスモデルでは、PER11倍はかなり安いと思いますが、どのようにお考えでしょうか?」というご質問です。
株価やPERについては、私たち自身で判断するのはなかなか難しい部分がありますが、同業他社と比較した場合、確かにそのような傾向があるとは感じています。
株価を上げていくことが中心になるため、先ほどもお伝えしたように、IR活動の充実と知名度・流動性の向上に、まず取り組むべきだと考えています。
また、資本効率の改善についても引き続き検討し、あわせて取り組んでいきたいと考えています。
質疑応答:地方企業としての競争力維持、拡大戦略について
「地方企業としての競争力維持、拡大のための戦略はありますか?」というご質問です。
私たちは北海道で設立し、現在も事業を継続していますが、設立当初から札幌に本社を置き、日本全国のお客さまとリモートでプロジェクトを進めてきました。これはコロナ禍のかなり前からリモートでビジネスを行っており、そのノウハウ自体が蓄積されてきた面があります。
コロナ禍以降、対面型への揺り戻しの傾向も一部感じてはいますが、リモートによる効率的なプロジェクト運営が求められる中で、弊社が保有しているノウハウを強みとして、プロジェクトの運営を行っているところです。
リモートをツールの1つとして有効に活用し、それを蓄積し、洗練させていくことが、非常に重要であると考えています。そのノウハウを社員の教育支援に活かし、ユーザーのみなさまにも伝えていきます。地方にあるからこそ提供できる強みとして、提示していきたいと考えています。
また、人材面においては、「北海道に住みたい」「ワークライフバランスを実現しながらスキルアップしたい」「日本で最高峰の仕事をしたい」というニーズが高まっています。北海道で、そのような方々と一緒に働くことで採用の優位性を高めることも、地方企業の強みであると考えています。
質疑応答:今後のターゲットエリアについて
「Web会議の浸透による商圏拡大の中で、今後のターゲットエリアはどこですか?」というご質問です。
先ほどお伝えした内容と多少重なる部分もありますが、私たちはプロジェクト導入の支援だけでなく、営業活動についてもリモートで行うケースが非常に増えてきています。
全国各地のお客さまとやり取りしており、エリアの垣根を越えて新規のお客さまを開拓している状況です。日本地図のスライドでご覧いただいたとおり、距離が比較的近い特に東日本エリア、首都圏や北関東といった地域のお客さまが多い傾向にあります。
東京については、私たちのパートナーでもある、「Salesforce」のパートナー企業が多く存在しています。そのような企業と連携しながら、ウィンウィンの関係を築いてビジネスを広げていきたいと考えています。
質疑応答:既存顧客とのリテンション施策について
「既存顧客とのリテンション施策はどうなっていますか?」というご質問です。
弊社では、既存のお客さまからのリピート受注が多い傾向があります。社内の仕組みとしても、担当エンジニアが継続してお客さまの「Salesforce」の利活用に関わっていくようにしています。
例えば追加機能の開発など、最初は営業部門に導入いただいたものを後にバックオフィスなどにも展開したいといった相談を、営業ではなくエンジニアにいただくかたちです。そのようなところから新たなビジネスにつながるケースが非常に多くあります。
「Challenge together.」というミッションの意味をお客さまにもご理解いただき、一緒にビジネスを広げていくという関係性を築くことができています。それにより、既存のお客さまとのつながりが増えているのではないかと考えています。
お客さまの業務改革に一緒に取り組んでいく姿勢が、リテンションには非常に重要だと考えていますので、今後もお客さまの理解を高めながら、寄り添った提案活動に取り組んでいきます。
先ほどお伝えしたAIの活用についても、「AIをどのように使っていけばいいのか」といった相談を含め、施策の1つとして位置づけています。
嘉屋氏からのご挨拶
本日は遅い時間まで私たちの決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。ご質問にもあったとおり、株主のみなさまや投資家のみなさまにご心配をおかけしていることについて、深くお詫び申し上げます。
これからもいただいたご指摘をもとにビジネスを成長させていきたいと考えていますので、これからもキットアライブを見ていただけますと幸いです。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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