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―原油相場は記録的乱高下、火力発電の点検相次ぐ首都圏では節電要請の可能性も―
トランプ米大統領がイランへの軍事行動を早期に終結させる考えを示し、原油先物相場が急落した。中東情勢にエネルギー事情が左右される現実を改めて突きつけられた日本においては原子力発電所の老朽化が進み、今夏は火力発電所の定期点検が相次ぐ東京エリアにおいて節電要請の可能性も指摘されている。オイルショックなど過去のエネルギー危機は省エネ技術への需要拡大の契機となったが、果たして今回のイラン危機はどうか。市場の動揺が収束した後、投資家の関心を集めそうな省エネ関連株をいくつかピックアップしたい。
●トランプ大統領発言で一変
中東情勢は目まぐるしく変化しており、マーケットもボラティリティの高い状態が続いている。ホルムズ海峡の事実上の封鎖に加え、殺害されたアリ・ハメネイ師の次男のモジタバ・ハメネイ師がイランの最高指導者に選出されたのを機に、米国・イスラエルとイランの軍事衝突が長期化するとの警戒感が高まり、米原油先物相場のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)期近物は軍事衝突前の1バレル=67ドル台から一時119ドル台まで急騰した。
しかし米国時間9日にトランプ大統領は米メディアの電話取材に対し、イランへの攻撃は「ほぼ終了したと思う」と発言。これを受けてWTI先物は81ドル台まで急落する場面があった。原油先物相場の変動に連れる形で、日経平均株価は9日に終値ベースでは過去3番目の下げ幅を記録した後、翌10日は急反発し、上げ幅は一時2000円近くとなった。
トランプ大統領の発言は原油相場の急騰の圧力を受けたものと考えることができる。「TACO(トランプはいつも尻込みする、という英文の頭文字をとった造語)」的な反応と解釈することも可能だ。再びトランプ氏が態度を硬化させれば、リスク回避ムードが席巻することになりかねない。封鎖状態にあったホルムズ海峡を通航する船舶が増えるかどうかも、今後のポイントとなるだろう。
米軍基地を抱える湾岸諸国はイランによる攻撃を受け、このうちカタールでは、国営エネルギー会社がLNGの生産を停止した。ホルムズ海峡の封鎖により海上輸送ルートが閉ざされたことも相まって、天然ガス先物相場も急騰。足もとでは停戦期待を背景に上げは一服しているものの、世界第2位の輸出規模を誇るカタールがイラン危機前の生産量を回復させるには一定の時間が必要とみられており、欧州やアジア各国の景気に暗い影を落としている。
●電気代の上昇懸念
日本の石油備蓄日数は254日なのに対し、LNGは約3週間分にとどまる。LNGは気化するため基本的に備蓄には向かない。日本国内の電源全体に占める天然ガスの比率は3割台で、発電電力量は石炭や石油、原子力などを上回りトップ。日本は発電用LNGについて調達先の多様化に努めており、カタールを含めた中東産LNGの調達量は全体の1割程度に過ぎない。更に電力会社は長期購入契約を駆使し、仕入れコストの変動抑制に努めている。とはいえ長期購入契約以外のスポット取引での調達価格高騰は、電気料金の上昇を促す要因となる。
日本は1970年代に2度の石油ショックを経験した。2010年代には東日本大震災を経て国内で稼働する原発がゼロとなり、電力不足に陥ることとなった。再稼働に至った原発が増えたといっても、今年は火力発電の補修停止や休止などが相次ぐ。経済産業省は昨年秋の段階で、東京エリアの電力需給がひっ迫する可能性があるとの見通しを示しており、気象状況次第で節電要請が復活することも想定されている。
円安による輸入物価の上昇と賃上げ機運による人件費の上昇圧力、人手不足にあえぐ国内企業にとって、電気料金の上昇は消費者による購買力の低下とコスト上昇の両面で痛手となる。半面、石油ショックと10年代の電力不足の局面において、国内企業が省エネ投資を活発化させたことも確かである。
電力料金の上昇とともに経済の下振れリスクも顕在化した際に、企業による省エネ投資を拡大させるには、政策面でのサポートが必要になる。中東有事の陰に隠れる形となったが、資源エネルギー庁は今月3日、事業者に対しデジタル・AI技術を活用した省エネ施策の検討を促すことを目的とした事例集を公開。「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」及び「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」において、EMS(エネルギーマネジメントシステム)の導入を支援する方針を示している。
中東リスクが浮き彫りとなるなかで、サプライチェーン全体で省エネ化を進めようとする機運が一段と高まるシナリオも横たわっている。マーケットの動揺が収まった際に、省エネ関連銘柄に物色の矛先が向かうシナリオを頭の片隅に置くことは、無駄なことではなさそうだ。
●アズビルや東テクなどに注目
アズビル <6845> [東証P]は計測・制御技術をもとに建物の省エネソリューションや工場の効率化に向けた事業を展開。今年は創業120年の節目となる。26年3月期第3四半期累計(4~12月)は海外子会社の譲渡による影響で減収・最終減益となったが、BA(ビルディングオートメーション)事業が好調で営業増益を果たすなど収益力は向上。オフィスビル向けの需要が高水準で推移すると見込まれるほか、海外でのデータセンターを含む大型建物向けの投資動向も同社の事業に追い風となる。2月の第3四半期決算発表後に売り込まれた分、全体相場と比較して株価には出遅れ感がある。
東テク <9960> [東証P]は空調機器専門商社で、アズビルの大手特約店。ビルオートメーションシステムを手掛けつつ、太陽光パネルや蓄電池なども取り扱い、省エネ関連株としての存在感を示す。大都市圏での再開発やデータセンターを含む民間投資、官公庁案件での需要を取り込み、25年4~12月期は2ケタの増収増益。受注高は前年同期比で23%増と大きく伸びた。9日に全体相場が急落した局面では75日移動平均線を手前に下げ渋った。
新日本空調 <1952> [東証P]は空調設備工事で国内外の省エネ化に貢献。原子力発電所関連の事業も行う。エネルギーの収支ゼロ化を目指すZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)プランナーとして、コンサルティング・設計業務でのZEBの割合を50%以上とする目標を掲げている。直近ではデータセンター関連での受注が順調に積み上がっており、26年3月期営業利益は2割増で連続最高益更新を計画する。
遠藤照明 <6932> [東証S]はLED照明器具の製造・販売が主力。電気代の削減や照明制御の活用に向けたソリューション提案を食品スーパーやドラッグストアを主軸に展開する。生鮮食品を鮮やかに引き立てつつ省エネ効果を発揮する新商品「Synca Bright」シリーズや、エリア制御で消費電力量の削減につなげる無線制御LEDシリーズ「SmartLEDZ」を供給。27年に製造・輸出入が禁止される蛍光灯の置き換え需要を巡る思惑も広がりつつある。
NEXYZ.Group <4346> [東証S]は業務用の設備を初期投資不要、月々定額の支払いにより提供するサービスを主力とし、電子雑誌などにも展開。金融機関とのパートナー提携数を伸ばしており、省エネ投資の活発化は同社の業績の押し上げに寄与することが期待される。26年9月期の営業利益予想は前期比9.9%増の20億円と、過去最高益に肉薄。株価は2月に一時700円を割り込んでから下げ渋った。足もとの水準はなお値頃感が意識される。
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