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*13:23JST AVILEN:高度AI人材を武器に人材育成支援とソフト開発で事業拡大、パッケージ型AIソフトとM&Aによる成長に期待
AVILEN<5591>は、AIソフトウェアの開発・導入、AI戦略コンサルティング、AI人材育成支援サービスを事業とする、2018年創業の企業である。単にソフトウェアを開発するだけではなく、顧客企業のAI人材育成を支援することにより顧客企業のAIトランスフォーメーション(AIX)の内製化を進め、既存のAI市場を超えて潜在的な市場を開拓・展開するビジネスモデルが同社の特徴だ。2024年12月期の売上高は1,241百万円(前年比33.6%増)、営業利益189百万円(前年比10.1%増)、EBITDA214百万円(前年比19.1%)となっている。売上高を事業ユニット別にみると、AIソフトウェアユニットが791百万円(前年比62.7%増)、顧客の組織開発・人材育成を支援するビルドアップユニットが450百万円(前年比1.6%)。同社の競合企業は、PKSHA Technology<3993>、エクサウィザーズ<4259>、IBMなどである。
人材不足が慢性的な課題となっているAIビジネス市場において、同社の優位性の源は同社が運営する機械学習研究者コミュニティ「DS-Hub」の高度AI人材だ。このコミュニティは、主にデータサイエンス分野を研究している東京大学などの学生メンバーで構成されており、各メンバーは同社と業務委託契約を締結、同社事業の支援を行っている。DS-Hubのメンバーは、いずれも同社開発の技術スクリーニングテスト(合格率6%)を通過した先端AI技術者で、2024年12月時点で378名が在籍。このコミュニティは安定した採用ルートとしての役割も担っており、これまでにDS-Hubの上位層から27名が正社員として入社、同社のデータサイエンティスト(DS)・エンジニアの約8割を占めている(2024年12月時点)。
同社の技術的優位性は、Estimea(データ分析・予測)、Genea(画像生成)、Findea(異常・損傷検知)、Instructea(LLM)など、AVILEN AIと呼ばれる9つの技術コアモジュールにある。9つのコアモジュールは、同社が幅広い顧客の課題解決に必要なソフトウェアの効率的な開発を実現する基礎となるが、これらコアモジュールの技術をアップデートし最新性を維持するために重要な役割を果たしているのも、同社のDS・エンジニアからなる社内組織(AVILEN Research)とDS-Hubの機械学習研究者だ。顧客ニーズをくみ取るための課題深堀力については、役員や正社員として同社に在籍している大手コンサルティング・ファーム出身者などが対応、加えて課題分析などの素養があるDS-Hubメンバーがいれば適切な能力開発を施している。同社の課題解決力は多くの顧客に評価されており、顧客の取引継続率は70%超。DS・エンジニアやコンサルタントといった同社コア人材の離職率は低く、ここ4~5年では数名程度の退職にとどまっている。
同社のアカウント戦略は、AIXの本気度、事業規模、AVILENのケイパビリティを考慮して絞り込んだ重点顧客へのビルドアップとAIソフトウェアのクロスセルの徹底である。一方、これを補完する形で、同社はAIエージェントを含むパッケージ型ソフトウェアの開発・拡販を中長期的な戦略の重要な取り組みとしている。すでに同社は、帳票処理AIエージェント、AIコールセンター、AIボイスボットといったAIソリューションを開発・提供しており、今後もCS、HR、営業、バックオフィスといった業務領域ごとの課題を対象とした多くのパッケージ型AIエージェントを開発、効率的に同社顧客のカバレッジを業界横断的に強化していく方針だ。
同社の中長期的な戦略の中核をなすもう一つの柱は、M&A・パートナリングによるさらなる成長である。同社は、資本提携先である大塚商会や三菱UFJ信託銀行等と共同R&Dや販売面での連携を強化する一方、2024年10月には高い生成AI技術力を持つベンチャー企業LangCoreを買収、小型AIベンチャーの買収によるロールアップ戦略の第一歩を踏み出した。高い技術力を持つ特化型AIベンチャーを複数傘下に加えていくこの戦略の狙いは、特化型AIベンチャーの技術力と同社の課題解決力・アカウント戦略とのシナジー創出による、顧客の持つ真の課題解決のためのAIソリューションの深化だ。買収候補となるAIベンチャーのパイプラインは十分にあり、同社は昨年70社以上のAIベンチャーと面談を実施している。
2025年12月期の売上高は1,614百万円(前年比30.0%増)、営業利益250百万円(前年比32.0%増)と、大幅な増収増益を見込んでいる。慢性的な人材不足が市場拡大のボトルネックとなっているAIビジネス市場において、AI人材育成支援とAIソリューションのクロスセルをビジネスモデルとし、DS-Hubの運営を通じて優秀なAI人材が確保できる同社の事業成長のポテンシャルは高い。特化型AIベンチャーのロールアップ戦略が非連続な成長をもたらす可能性もあり、同社の今後の動向には注目しておきたい。
<HM>
人材不足が慢性的な課題となっているAIビジネス市場において、同社の優位性の源は同社が運営する機械学習研究者コミュニティ「DS-Hub」の高度AI人材だ。このコミュニティは、主にデータサイエンス分野を研究している東京大学などの学生メンバーで構成されており、各メンバーは同社と業務委託契約を締結、同社事業の支援を行っている。DS-Hubのメンバーは、いずれも同社開発の技術スクリーニングテスト(合格率6%)を通過した先端AI技術者で、2024年12月時点で378名が在籍。このコミュニティは安定した採用ルートとしての役割も担っており、これまでにDS-Hubの上位層から27名が正社員として入社、同社のデータサイエンティスト(DS)・エンジニアの約8割を占めている(2024年12月時点)。
同社の技術的優位性は、Estimea(データ分析・予測)、Genea(画像生成)、Findea(異常・損傷検知)、Instructea(LLM)など、AVILEN AIと呼ばれる9つの技術コアモジュールにある。9つのコアモジュールは、同社が幅広い顧客の課題解決に必要なソフトウェアの効率的な開発を実現する基礎となるが、これらコアモジュールの技術をアップデートし最新性を維持するために重要な役割を果たしているのも、同社のDS・エンジニアからなる社内組織(AVILEN Research)とDS-Hubの機械学習研究者だ。顧客ニーズをくみ取るための課題深堀力については、役員や正社員として同社に在籍している大手コンサルティング・ファーム出身者などが対応、加えて課題分析などの素養があるDS-Hubメンバーがいれば適切な能力開発を施している。同社の課題解決力は多くの顧客に評価されており、顧客の取引継続率は70%超。DS・エンジニアやコンサルタントといった同社コア人材の離職率は低く、ここ4~5年では数名程度の退職にとどまっている。
同社のアカウント戦略は、AIXの本気度、事業規模、AVILENのケイパビリティを考慮して絞り込んだ重点顧客へのビルドアップとAIソフトウェアのクロスセルの徹底である。一方、これを補完する形で、同社はAIエージェントを含むパッケージ型ソフトウェアの開発・拡販を中長期的な戦略の重要な取り組みとしている。すでに同社は、帳票処理AIエージェント、AIコールセンター、AIボイスボットといったAIソリューションを開発・提供しており、今後もCS、HR、営業、バックオフィスといった業務領域ごとの課題を対象とした多くのパッケージ型AIエージェントを開発、効率的に同社顧客のカバレッジを業界横断的に強化していく方針だ。
同社の中長期的な戦略の中核をなすもう一つの柱は、M&A・パートナリングによるさらなる成長である。同社は、資本提携先である大塚商会や三菱UFJ信託銀行等と共同R&Dや販売面での連携を強化する一方、2024年10月には高い生成AI技術力を持つベンチャー企業LangCoreを買収、小型AIベンチャーの買収によるロールアップ戦略の第一歩を踏み出した。高い技術力を持つ特化型AIベンチャーを複数傘下に加えていくこの戦略の狙いは、特化型AIベンチャーの技術力と同社の課題解決力・アカウント戦略とのシナジー創出による、顧客の持つ真の課題解決のためのAIソリューションの深化だ。買収候補となるAIベンチャーのパイプラインは十分にあり、同社は昨年70社以上のAIベンチャーと面談を実施している。
2025年12月期の売上高は1,614百万円(前年比30.0%増)、営業利益250百万円(前年比32.0%増)と、大幅な増収増益を見込んでいる。慢性的な人材不足が市場拡大のボトルネックとなっているAIビジネス市場において、AI人材育成支援とAIソリューションのクロスセルをビジネスモデルとし、DS-Hubの運営を通じて優秀なAI人材が確保できる同社の事業成長のポテンシャルは高い。特化型AIベンチャーのロールアップ戦略が非連続な成長をもたらす可能性もあり、同社の今後の動向には注目しておきたい。
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