*14:03JST 学情 Research Memo（3）：サービスを組み合わせ、ニーズに合わせた高いマッチング精度を実現（1） ■学情<2301>の事業概要

1. 主な商品
同社では、大学・短大・専門学校の新卒者、第二新卒者及び20代・30代の転職希望者に対する企業PR・情報提供サービス業務及び各種採用コンサルティング業務、人材紹介を、以下の商品を中心に展開している。

a) 「Ｒｅ就活」
20代専門の転職サイトである。登録会員の93.3%が20代で、そのうちの75.2%が初めての転職という会員構成である。基本属性や経験、志向性など詳細な検索とアプローチが可能であり、希望人材へのスカウトメールの自動配信など効率的な採用サービスを提供している。採用地域や職種などに応じて多彩なプランを組み合わせ企業にとって最適な提案を行っている。キャリア採用市場においては、少子高齢化、若年層の減少、労働に対する価値観の変化（人材流動化）、IT・DXの加速などにより若手人材に対する採用ニーズが急速に拡大し、人材のマッチングニーズは多様化・細分化している。そうしたなかで「Ｒｅ就活」は、企業・求職者双方のニーズに対応する形で毎年機能のアップデートを実施している。2023年10月には生成AIを活用して履歴書の自己PRを作成する新サービス「スマートPRアシスタント」の提供を開始したほか、2024年4月には生成AIを活用してスカウトメールの文章案を作成する「スマートスカウト アシスタント」の提供を開始している。今後も新たな機能の実装により、登録会員数と導入企業数を加速させる構えだ。実際、2017年のフルリニューアル以降、会員数は右肩上がりで増加しており、2025年1月には会員登録者数が260万人を超えた。20代通年採用という市場を黎明期から創り上げてきた同サービスは、求職者、採用企業双方から支持を集め、6年連続で20代が選ぶ20代向け転職サイト第1位（2019年〜2024年(株)東京商工リサーチ調査）を獲得している。そうしたなか、2024年11月にはサービス開始から20周年を迎えている。

VUCA時代において、主体的なキャリア形成に対する関心が高まっており、25～34歳の5人に1人は転職を希望している。採用企業側では、新卒採用市場の難化、慢性的な人手不足、DXの推進などにより通年採用を拡大するなかでキャリア採用に対するニーズも高まっており、同商品に対するニーズは今後も好調に推移することが想定される。

b) 「Ｒｅ就活テック」
企業のDX推進などの流れを受け、経験者、とりわけIT人材に対する需要が加速度的に拡大するなかで、ITエンジニア経験者の採用に特化した新サービスとして2023年5月に市場投入された。「Ｒｅ就活テック」はITエンジニア経験者が、ITエンジニア採用企業から直接ヘッドハンティングを受けることができる「ダイレクトリクルーティングサイト」であり、企業から求職者に直接オファーを送る「ヘッドハンティング」機能、求職者から企業に直接応募する「逆オファー」機能、応募前に相互理解を深める「カジュアル面談」機能などを有している。「Ｒｅ就活」の会員登録者数260万人超というブランド資産を活用して事業を展開できることが、同サービスの競争優位の1つとなっている。同社にとっては、IT人材に特化したサービスを提供することによって、従来は取引のなかった新規顧客の獲得にもつながっている。またターゲットを明確に絞ったサービスを提供することで、求職者・採用企業双方のニーズに、より的確に対応できるという利点もある。2025年5月にはサービスのリニューアルを予定している。「Ｒｅ就活30」の最新のダイレクトリクルーティングサービスのプラットフォームを利用し、ヘッドハンティング機能の充実を図る。同時に、5〜10年のITエンジニア経験を持つ求職者を歓迎する優良企業の求人や上流工程の求人の拡充によって、同サービスが対象とするITエンジニアの経験年数を従来の1〜3年から4〜10年に広げている。今回のリニューアルでより多くの求職者と採用企業のニーズに応えるサービスへと変貌を遂げ、同サービスの成長をさらに加速させていく構えだ。

c) 「Ｒｅ就活30」「Ｒｅ就活ユース」
求職者・採用企業、双方のニーズが多様化するなかで、同社は今後もターゲット特化型の新サービスを継続的に開発し、市場のニーズに応える方針を掲げている。「Ｒｅ就活30」「Ｒｅ就活ユース」は同方針の下に新たに開発されたサービスだ。「Ｒｅ就活30」は2024年10月にローンチ済み、「Ｒｅ就活ユース」は2025年の春ローンチ予定となっている。「Ｒｅ就活30」は、キャリアの次の一手を考える30代が、企業から直接ヘッドハンティングを受けることができる「ダイレクトリクルーティングサービス」である。「Ｒｅ就活30」においても「Ｒｅ就活」のブランド資産を活用できることが競争優位の1つとなっている。実際、「Ｒｅ就活」の登録会員で20代後半以上の求職者にサービス告知を実施したことなどによって、2024年11月時点の登録会員数はサービス開始からわずか1ヶ月で計画比5倍の5,025人と急拡大している。また、「Ｒｅ就活」を活用して20代の頃に転職活動をした求職者が30代になった際に再び、「Ｒｅ就活30」を利用して転職活動を行うといった傾向もある。「Ｒｅ就活」で多くの20代求職者と接点を持ってきたことも「Ｒｅ就活30」の会員登録者数が急伸している要因と言える。

一方、「Ｒｅ就活ユース」は10代・20代前半の高卒者を中心とした高卒・第二新卒の転職希望者と企業のマッチングを実現する転職サイトである。高卒・第二新卒者に対する企業の採用ニーズが高まりを見せるなか、若年層の多様なニーズに応えることを目指す。また、「Ｒｅ就活」ブランドの1つとして「Ｒｅ就活」が築き上げてきたブランド資産をフルに生かして業績拡大を図る方針だ。

（執筆：フィスコ客員アナリスト　清水陽一郎）

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