―7桁の英数字で住所を識別、郵便物のほかネット通販、物流など業務効率化に威力―
近年急速に土地・住所に関する問題意識が高まっている。外国人による大規模な土地取得の実態調査に国土交通省が動くとの報道も足もとでみられているが、今回の衆院選における自民党の大勝を受けて、更にこの傾向が加速していくことが予想される。そんななか、住所に関する注目すべき新たな動きがみられている。住所を7桁の英数字で識別する「デジタルアドレス」の導入がそれだ。新サービスの創出が期待されているデジタルアドレス関連株の動向を探った。
●1月には業界横断のコンソーシアムが発足
さまざまな個人情報を記入・入力する機会は日常生活の中で非常に多くある。その中でも、特に多いのが「住所」だろう。言うまでもなく住所は、郵便や宅配などにとどまらず、行政、金融など社会のあらゆる分野で活用される最重要といっても過言ではない個人情報の一つだ。その一方、社会の複雑化や生活様式の変化に伴い、住所という情報の利便性や効率性の面で課題が顕在化してきている。
そんななか産学官連携かつ業界横断の共創型コンソーシアム「デジタルアドレス・オープンイノベーション」が1月23日に発足した。業種の枠を超え、多様な関係者と連携しながら、次世代にふさわしい住所のデジタルトランスフォーメーション(DX)化を加速することを目指して結成されたのが本コンソーシアムだ。
●住所の情報性が高まり利便性が増す
そもそもコンソーシアムの名称にも含まれている「デジタルアドレス」とは何か。日本郵政 <6178> [東証P]グループ傘下の日本郵便が「住所を、もっと便利に。」というコンセプトのもとで、2025年5月から「デジタルアドレス」のサービス提供を開始しているものだ。具体的には、7桁の英数字で表現されたデジタルアドレスを入力するだけで、事前に登録した住所と連携するというものとなっている。
当然住所そのものではなく、日本郵便が顧客に提供する「ゆうID」に紐づいている。引っ越しなどで実際の住所が変更になった場合でも、登録している住所を変更するだけで、同じデジタルアドレスを使い続けることができ、家族や友人、各種サービス提供者との情報共有もよりスムーズになる。郵便に限らずネット通販やタクシーといった物流や運輸サービスなどでの活用が見込め、誤配送や入力ミスの防止にもつながるため業務の効率化などで威力を発揮することが期待されている。また、デジタルアドレスから名前を特定したり、逆に名前や住所からデジタルアドレスを検索したりすることはできない設計となっているようだ。デジタルアドレスが定着すれば、住所という情報の一貫性が高まり、利便性が増すことが期待される。
日本郵便は郵便番号・デジタルアドレスAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の提供もしており、順次使える場所やサービスが拡大している。また、発足したコンソーシアムには、オブザーバーとして総務省及びデジタル庁が参加しており、国としてもこの動きに期待感を持っていることがうかがえる。以下では「デジタルアドレス」関連の銘柄に焦点を当てた。
●GMOや楽天グループ、セイノーHDなど注目
GMOインターネットグループ <9449> [東証P]~同グループのGMOグローバルサイン・ホールディングス <3788> [東証P]がインターネット上で身元識別を実現する電子認証サービスを提供し、行政や小売現場のペーパーレス化・デジタル化を包括的に支援している。また、ネットショップ支援事業を展開するGMOメイクショップは、EC構築サービスとして日本郵便のデジタルアドレスを初導入している。
楽天グループ <4755> [東証P]~デジタルアドレス・オープンイノベーションに参画。ECサイトである「楽天市場」において、コード管理による誤配送の防止が見込まれるほか、金融や証券サービスでの連携拡大によって、顧客の利便性向上が期待される。
セイノーホールディングス <9076> [東証P]~ネット環境を利用した出荷支援システム「カンガルー・マジック2(マイセイノー)」といった独自の配送管理システム・Webサービスを運用している。届け先コード入力で簡単に出荷登録できるほか、出荷状況や請求情報照会などができるサービスである。また、最先端の物流技術を提供するアイディオット(東京都渋谷区)との業務提携により、物流・サプライチェーンDX構築支援コンサルティングなどを強化している。
フレクト <4414> [東証G]~DXを支援するマルチクラウド・インテグレーター。クラウド先端テクノロジーとデザインを活用して、顧客ニーズの変化に適応できる高いアジリティ(機敏性)で支援。また、事業領域の拡大に向けて、官公庁や公共領域の体制を強化している。
テラスカイ <3915> [東証P]~米国のセールスフォース
NTT <9432> [東証P]~傘下のNTTデータグループは、長年にわたり中央省庁や地方自治体などを対象に、税務、雇用・労働、貿易、交通など社会を支える情報システムの構築・運用などを手掛けている。また、大手金融機関や大企業での採用を皮切りに、日本国内で導入が急速に進んでいる国際送金向け住所構造化サービス「Addresstune」を25年9月末からグローバルに展開。
株探ニュース
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