明日の株式相場に向けて=超絶リスクオン、マテリアル系が全軍躍動
きょう(15日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比230円安の5万4110円と4日ぶり反落。世界的に地政学リスクが高まるなか、前日の米国株市場がハイテク株中心に軟調な動きをみせたことが、東京市場でも利益確定売りの口実となった。日経平均は前日までの3営業日で3200円あまりの上昇をみせており、25日移動平均線とのカイ離率や、騰落レシオなどテクニカル的にも過熱感が拭えなかった。きょうは深押しがあっても全く不思議はなく、むしろ健全といえる1日であった。しかし、相場の実態は思った以上に強いことが証明された。下落したのはある意味局地的にとどまり、日経平均寄与度の高い主力値がさ株の下げが反映されたに過ぎない。値上がり銘柄数が全体の7割以上を占め、TOPIXは4連騰で最高値街道をまい進した。中小型株へのテーマ買いはむしろ加速しており、グロース市場指数の大陽線もその勇躍ぶりを物語っている。レアアース関連では第一稀元素化学工業<4082.T>などのように、国産レアアースの採鉱や回収といった観点とは離れて、レアアースを使用しない、あるいは代替となる材料の開発を手掛かりに買われている銘柄も出ている。スマートフォンやパソコンをはじめ、現在レアアースが使われている商品分野すべてにおいて、レアアースが絶対に不可欠というコンセプトに凝り固まると本質を見誤るケースも出てくる。ナノサイズのゼオライト量産を25年度にも計画していると報じられているのが中村超硬<6166.T>。ゼオライトはレアアース触媒の代替候補にも挙がるほか、レアアース回収に際して吸着剤にも利用が可能。業績は低迷しているため割り切りが必要となるが、折に触れての急騰習性は念頭に置いておきたい。
今はマテリアル系の銘柄がとにかく強い。金・銀・プラチナ・銅の高騰に始まり、中国の政治的な圧力が変数として加わりレアアース関連株が暴騰したが、これは「核融合」やその点火装置である「レーザー」といった電力に絡むエネルギー周辺株に波及。一連の流れはコモディティの高騰(価値上昇)とも少々路線が違う。当欄ではマテリアル系という呼称を使っているが、戦略物資とされる半導体もいわばその一角といえる。もっと言えばフィジカルAIという概念も、神速の演算能力を有するAIが3次元と融合するという文脈で、これまでとは活躍の次元が異なり、AIのマテリアル化といえる要素がある。
あまり歓迎はできないが、株式市場全体にキナ臭さが充満しているような資金の動きとなってきた。だが、これも相場というよりない。直近材料が出て、それに反応しているように見えるマイクロ波化学<9227.T>も、実際のところ感覚的ではあるが軍事的な思惑が底流している部分があったと思われる。ここ急速人気化しているQDレーザ<6613.T>も具体的な材料云々ではなく、マイクロ波などと同じ潮流に乗った。こうなると、ブルーイノベーション<5597.T>などをはじめとするドローン関連株も、前日取り上げた下水道インフラ関連としての切り口だけでなく、地政学リスクの高まりがバックグラウンドにあるからこそ、投資マネーを誘引しているとも考えられる。
マテリアル系相場の延長に見えてくるのが量子関連だ。当然ながら量子は物質ではないが、少なくともサイバー空間ではなくリアル空間に存在するもので、量子力学的な視点に立てば同類項である。ここで、現実に意識を引き戻して高市政権が重点投資対象とする17の戦略分野を俯瞰すると、量子(量子コンピューター)がしっかりとリストアップされている。しばらく休火山状態だった銘柄群に再び光が当たる可能性がある。量子コンピューター関連では昨年12月下旬以降に戻り足を強めているのがHPCシステムズ<6597.T>だが、まだ底値圏から脱していないフィックスターズ<3687.T>やエヌエフホールディングス<6864.T>などにも遅かれ早かれリターン・リバーサルの順番が回りそうだ。更に、耐量子暗号への対応が世界的に脚光を浴びるなか、これを低価格マイコンで実装にメドをつけたユビキタスAI<3858.T>も、改めて投資マネーの琴線に触れる可能性がある。
マテリアル系の括りとなるかは微妙だが、下水道インフラ関連株も社会におけるリアル空間での重要課題に対応した銘柄群であり、引き続き高市政権下の内需国策関連としての位置付けで注目場面が続きそうだ。前日取り上げた銘柄では大盛工業<1844.T>とイトーヨーギョー<5287.T>がストップ高人気となった。地質調査や非破壊調査で実績の高い土木管理総合試験所<6171.T>や、上下水道コンサルティングで官公庁と連携の厚い日水コン<261A.T>、NJS<2325.T>といった銘柄が物色人気を鮮明とした。きょうは比較的値動きのおとなしかったヤマックス<5285.T>や、旭コンクリート工業<5268.T>なども併せてマークしておきたい。
あすのスケジュールでは、週間の対外・対内証券売買契約が朝方取引開始前に開示されるほか、前場取引時間中に3カ月物国庫短期証券の入札が行われる。また、後場取引時間中には12月の投信概況が公表される。海外ではマレーシアの2025年10~12月期実質国内総生産(GDP)速報値が開示される。インドネシア市場は休場となる。米国では12月の鉱工業生産指数・設備稼働率にマーケットの関心が高い。なお、この日はFRB高官の発言機会が相次ぎ、ボウマンFRB副議長の講演の後に、ジェファーソンFRB副議長も講演を行う予定にある。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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