*12:34JST 高島 Research Memo(4):2026年3月期中間期は産業資材がけん引も、建材及び電子・デバイスの不振が響く
■業績動向
1. 2026年3月期中間期の業績概要
高島<8007>の2026年3月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比3.0%減の45,020百万円、営業利益が同1.2%減の898百万円、経常利益が同29.0%増の1,075百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同44.0%増の695百万円となった。
売上面は、産業資材セグメントが樹脂関連資材の好調を背景に増収を確保したものの、建材セグメント及び電子・デバイスセグメントの減収分を補完することができなかった。利益面に関しては、産業資材セグメントが連結子会社であるタクセルの生産機能活用により工場稼働率が向上し、セグメント利益は同29.8%増と拡大したものの、建材セグメント及び電子・デバイスセグメントの減益が響いた。
なお、経常利益及び親会社株主に帰属する中間純利益に関しては、在外子会社における為替差益の発生などにより、前年同期比で大幅増となった。
セグメント別の業績は以下のとおりである。
(1) 建材セグメント
売上高は前年同期比3.4%減の29,160百万円、セグメント利益は同6.1%減の795百万円となった。売上高を分野別に見ると、住宅分野は新商材の販売好調により同4.5%増の5,586百万円、再生可能エネルギー資材分野は住宅向け蓄電池の販売好調に加え、2025年2月に子会社化したサンワホールディングスの新規連結効果により同21.5%増の7,902百万円と拡大した一方で、建材セグメントの売上構成比の過半を占める非住宅分野は基礎関連工事の低迷により同14.5%減の15,671百万円となった。利益面についても、減収の影響に加えて営業活動費用が増加したことで、前年同期を下回る水準となった。
(2) 産業資材セグメント
売上高は前年同期比3.4%増の8,839百万円、セグメント利益は同29.8%増の518百万円となった。売上高を分野別に見ると、繊維関連資材分野は産業用機能性繊維の資材・製品販売が堅調であったものの、アパレル事業で「選択と集中」を進め一部事業を縮小した影響から同11.8%減の3,571百万円となった。一方で、樹脂関連資材分野は自動車向けや電子・精密機器向け部材・物流資材の受注が拡大したほか、アミューズメント向けリサイクル樹脂製品の販売も伸長し、同17.2%増の5,260百万円と拡大した。利益面は、増収効果に加え、子会社の生産機能を活用した工場稼働率の向上などが寄与して大幅増益となり、セグメント利益率は同1.2ポイント改善した。
(3) 電子・デバイスセグメント
売上高は前年同期比8.3%減の7,046百万円、セグメント利益は同23.9%減の280百万円となった。売上高を分野別に見ると、デバイス分野は主要顧客において電子部品の供給不足の反動で積み上がっていた在庫が解消に向かっているものの、連結決算に用いる換算レートの影響により同0.6%減の2,624百万円となった。アセンブリ分野は、デジタルカメラの需要が低迷したことに加え、白物家電向け基板実装が国内向け・ASEAN向けともに低調に推移し、同12.3%減の4,422百万円となった。
2. 財務状況
2026年3月期中間期末時点の資産合計は、前期末比1,245百万円増の61,290百万円となった。このうち流動資産は同1,944百万円増の43,295百万円となった。これは主に、現金及び預金が1,424百万円、売上債権(受取手形、売掛金及び契約資産)が259百万円それぞれ増加したことによる。固定資産は同698百万円減の17,994百万円となった。これは主に有形固定資産が210百万円、無形固定資産が408百万円それぞれ減少したことによる。
負債合計は前期末比1,866百万円増の37,986百万円となった。このうち流動負債は同1,773百万円減の26,035百万円となった。これは主に、短期借入金が2,443百万円、電子記録債務が402百万円それぞれ減少したことによる。固定負債は同3,639百万円増の11,951百万円となった。これは主に、長期借入金が3,732百万円増加したことによる。純資産合計は同620百万円減の23,303百万円となった。これは利益剰余金が親会社株主に帰属する中間純利益の計上により695百万円増加した一方で、為替換算調整勘定が334百万円、配当金の支払いにより784百万円それぞれ減少したことによる。
主な財務指標を見ると、自己資本比率は38.0%(前期末は39.8%)、流動比率は166.3%(同148.7%)、固定比率は77.2%(同78.1%)となった。資金調達構造は長期債務の活用により安定性が高まりつつあり、流動負債の縮減と流動比率の上昇は短期の財務耐性向上を表している。自己資本比率も40%近辺を維持しており、総じて健全性と柔軟性のバランスが取れた内容である。運転資本は増加したものの、売上債権の伸長が背景にあり事業拡大に伴う前向きな資金需要と評価できる。今後回収効率の改善が進めば、より強固な財務体質の形成につながるだろう。
2026年3月期中間期の営業活動によるキャッシュ・フローは1,587百万円の収入となった。主に、棚卸資産が増加(減少要因)した一方、税金等調整前中間純利益の計上、法人税等の還付による。投資活動によるキャッシュ・フローは248百万円の支出となった。主に、有形固定資産の取得により減少した。財務活動によるキャッシュ・フローは340百万円の収入となった。主に長期借入れに伴う収入により増加した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)
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1. 2026年3月期中間期の業績概要
高島<8007>の2026年3月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比3.0%減の45,020百万円、営業利益が同1.2%減の898百万円、経常利益が同29.0%増の1,075百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同44.0%増の695百万円となった。
売上面は、産業資材セグメントが樹脂関連資材の好調を背景に増収を確保したものの、建材セグメント及び電子・デバイスセグメントの減収分を補完することができなかった。利益面に関しては、産業資材セグメントが連結子会社であるタクセルの生産機能活用により工場稼働率が向上し、セグメント利益は同29.8%増と拡大したものの、建材セグメント及び電子・デバイスセグメントの減益が響いた。
なお、経常利益及び親会社株主に帰属する中間純利益に関しては、在外子会社における為替差益の発生などにより、前年同期比で大幅増となった。
セグメント別の業績は以下のとおりである。
(1) 建材セグメント
売上高は前年同期比3.4%減の29,160百万円、セグメント利益は同6.1%減の795百万円となった。売上高を分野別に見ると、住宅分野は新商材の販売好調により同4.5%増の5,586百万円、再生可能エネルギー資材分野は住宅向け蓄電池の販売好調に加え、2025年2月に子会社化したサンワホールディングスの新規連結効果により同21.5%増の7,902百万円と拡大した一方で、建材セグメントの売上構成比の過半を占める非住宅分野は基礎関連工事の低迷により同14.5%減の15,671百万円となった。利益面についても、減収の影響に加えて営業活動費用が増加したことで、前年同期を下回る水準となった。
(2) 産業資材セグメント
売上高は前年同期比3.4%増の8,839百万円、セグメント利益は同29.8%増の518百万円となった。売上高を分野別に見ると、繊維関連資材分野は産業用機能性繊維の資材・製品販売が堅調であったものの、アパレル事業で「選択と集中」を進め一部事業を縮小した影響から同11.8%減の3,571百万円となった。一方で、樹脂関連資材分野は自動車向けや電子・精密機器向け部材・物流資材の受注が拡大したほか、アミューズメント向けリサイクル樹脂製品の販売も伸長し、同17.2%増の5,260百万円と拡大した。利益面は、増収効果に加え、子会社の生産機能を活用した工場稼働率の向上などが寄与して大幅増益となり、セグメント利益率は同1.2ポイント改善した。
(3) 電子・デバイスセグメント
売上高は前年同期比8.3%減の7,046百万円、セグメント利益は同23.9%減の280百万円となった。売上高を分野別に見ると、デバイス分野は主要顧客において電子部品の供給不足の反動で積み上がっていた在庫が解消に向かっているものの、連結決算に用いる換算レートの影響により同0.6%減の2,624百万円となった。アセンブリ分野は、デジタルカメラの需要が低迷したことに加え、白物家電向け基板実装が国内向け・ASEAN向けともに低調に推移し、同12.3%減の4,422百万円となった。
2. 財務状況
2026年3月期中間期末時点の資産合計は、前期末比1,245百万円増の61,290百万円となった。このうち流動資産は同1,944百万円増の43,295百万円となった。これは主に、現金及び預金が1,424百万円、売上債権(受取手形、売掛金及び契約資産)が259百万円それぞれ増加したことによる。固定資産は同698百万円減の17,994百万円となった。これは主に有形固定資産が210百万円、無形固定資産が408百万円それぞれ減少したことによる。
負債合計は前期末比1,866百万円増の37,986百万円となった。このうち流動負債は同1,773百万円減の26,035百万円となった。これは主に、短期借入金が2,443百万円、電子記録債務が402百万円それぞれ減少したことによる。固定負債は同3,639百万円増の11,951百万円となった。これは主に、長期借入金が3,732百万円増加したことによる。純資産合計は同620百万円減の23,303百万円となった。これは利益剰余金が親会社株主に帰属する中間純利益の計上により695百万円増加した一方で、為替換算調整勘定が334百万円、配当金の支払いにより784百万円それぞれ減少したことによる。
主な財務指標を見ると、自己資本比率は38.0%(前期末は39.8%)、流動比率は166.3%(同148.7%)、固定比率は77.2%(同78.1%)となった。資金調達構造は長期債務の活用により安定性が高まりつつあり、流動負債の縮減と流動比率の上昇は短期の財務耐性向上を表している。自己資本比率も40%近辺を維持しており、総じて健全性と柔軟性のバランスが取れた内容である。運転資本は増加したものの、売上債権の伸長が背景にあり事業拡大に伴う前向きな資金需要と評価できる。今後回収効率の改善が進めば、より強固な財務体質の形成につながるだろう。
2026年3月期中間期の営業活動によるキャッシュ・フローは1,587百万円の収入となった。主に、棚卸資産が増加(減少要因)した一方、税金等調整前中間純利益の計上、法人税等の還付による。投資活動によるキャッシュ・フローは248百万円の支出となった。主に、有形固定資産の取得により減少した。財務活動によるキャッシュ・フローは340百万円の収入となった。主に長期借入れに伴う収入により増加した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)
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