スポーツイヤー2026の号砲鳴る、株高乱舞する関連銘柄にズームイン <株探トップ特集>

配信元:株探
投稿:2025/12/15 19:30

―ミラノ冬季五輪、WBC、サッカーW杯でビッグチャンス到来―

 来年は、スポーツ好きの投資家にとっては「たまらない年」となりそうだ。2月の「ミラノ・コルティナ冬季五輪」にはじまり、3月には日本が連覇を狙う「2026 ワールドベースボールクラシック(WBC)」、6月から7月にかけては「サッカー・ワールドカップ(W杯)北中米大会」が開催される。更には、9月19日開幕の「愛知・名古屋アジア大会」など、ビッグイベント目白押しの1年となる。これら大会の成績次第では、ご祝儀買いや思惑人気が関連株を刺激する可能性も高い。そんなビッグチャンスが続くわけだから、そりゃあたまらない。今年も残すところ、あとわずか。かっ飛ばしモード突入前の スポーツ関連株を緊急点検した。

●電通グループ、サッカーW杯国内放送権を取得

 東京株式市場は強弱観が対立するなかも、日経平均株価は5万円台をキープ。全体相場の地合いは、AI相場のバブル崩壊論を背景に変調気味ではあるとはいえ、そこはやっぱり掉尾の一振に期待がかかる。こうしたなか、いくつものビッグイベントが控えるスポーツ関連株には出遅れ感も漂う。加えて、企業業績が好調に推移し、材料性と好業績をあわせ持つ銘柄も多いだけに魅力は十分といえそうだ。スポーツにおいては熱狂的なファンに加え「にわかファン」の登場も試合をいっそう盛り上げ、同時に株式市場でのインパクトを強めていくことになる。がんばれニッポン!株式市場の視線も熱い。

 スポーツイヤーとなる26年だが、それぞれの大会を巡るニュースが続々と発信され、開催機運も醸成されてきた。今月4日には、電通グループ <4324> [東証P]傘下の電通が「FIFAワールドカップ2026の国内における放送権を取得」したと発表。放送局や動画配信サービス事業社と連携し、多彩な視聴方法をとる方針だ。莫大な放映権料が重荷になるとの見方もあるが、一方で期待感も。同社の25年12月期の連結業績は、営業利益段階で176億円(前期は1249億9200万円の赤字)を計画し黒字転換を図る。株価は、11月28日に3554円まで買われ直近高値をつけたあとは上昇一服。ただ、3200円近辺では押し目買い意欲も強く、切り返しに注目が集まる。

 口火を切るミラノ冬季五輪では、日本代表切符を懸けた選考レースがいよいよ最終局面入りしており、悲喜こもごものニュースが相次ぎ流れ始めている。直近では、中国で開催されたスノーボードのワールドカップ(W杯)のハーフパイプで、日本勢が表彰台を独占。優勝した平野歩夢選手と3位の平野流佳選手が派遣推薦基準を満たし代表入りを確実に。2位の戸塚優斗選手も代表入りが有力視されている。前回の北京冬季五輪で金メダルを獲得した平野歩夢選手には連覇への期待がかかる。

 野球では、前回のWBCで米国との激闘の末に優勝した日本だが、MLB所属の日本人選手の参加の可否に大きな注目が集まっている。ドジャースの大谷翔平選手は自身のインスタグラムで早々に参加を表明、山本由伸選手も参加の意向だという。ただ、佐々木朗希選手については不出場と伝わった。熱い視線が向かうWBCだが、米動画配信大手のNetflixが、日本国内における独占配信権を取得したと発表し波紋を呼んでいる。地上波での放送がなくなるわけだが、NHKと民放各局は、報道目的での試合映像は放映でき、テレビニュースでは従来どおり試合のハイライトが視聴できるという。

●スポーツイヤー先取るハブ

 こうしたなか、株式市場でスポットライトが当たるのが、スポーツバーとしても人気の高い英国風パブを展開するハブ <3030> [東証S]の存在だ。株価は、すでにスポーツイヤーを先取りした格好で、急勾配の5日移動平均線を足場に年初来高値圏を快走。業績も順調に推移している。26年2月期第2四半期累計(3~8月)の営業利益(非連結)は前年同期比12.2%増の3億900万円に伸び、通期計画の4億7000万円に対する進捗率は65.7%となった。スポーツ中継などを店内で放映することから、WBCのNetflix国内独占配信の影響については少々気にかかるが、冬季五輪にWBC、そしてサッカーW杯と相次ぐビッグイベントは同社の追い風になることは間違いない。今後、折に触れて投資家の熱い視線が注がれることになりそうだ。

●フジHD、ニッポン放送がWBC実況生中継

 フジ・メディア・ホールディングス <4676> [東証P]傘下のニッポン放送が今月10日、「侍ジャパン出場全試合の実況生中継が決定」したと発表。6大会連続でのWBC生中継となるが、テレビでは契約が必要なNetflixが独占配信権を取得しているだけに、ラジオ実況に大きな期待が高まっている。さまざまな問題が噴出し波乱の1年だったフジHDだが、年初には1500円近辺だった株価が、あれよあれよと言う間に7月には3911円まで買われ年初来高値を更新。およそ2.5倍化するという変貌ぶりをみせた。ここ3600円手前で跳ね返され上値の重い展開が続くが、じわり煮詰まり感も漂う。先月10日には、26年3月期業績予想で連結営業利益を120億円の赤字から105億円の赤字に赤字幅を縮小している。

●ゼットに思惑、アシックス、ミズノ、ゴルドウインに注目

 スポーツ関連の中核銘柄としては、やはりアシックス <7936> [東証P]、ミズノ <8022> [東証P]、ゴールドウイン <8111> [東証P]が3本柱となる。更にスポーツ用品卸大手で、野球用品に定評があるゼット <8135> [東証S]も要マークだ。ゼットは、23年のWBCでは開幕前から短期資金を呼び込み、株価が上昇したことは記憶に新しい。同社株は、PERが9倍台、PBRは0.5倍台と極めて割安に放置されていることもポイントだ。また、アシックスの25年12月期の連結業績は、営業利益段階で前期比39.8%増の1400億円を計画し過去最高を更新する見通し。カテゴリーでは、スポーツスタイル及びオニツカタイガー、地域では日本地域、欧州地域を中心に引き続き好調に推移すると見込んでいる。株価は、直近安値3505円を底に上値指向で、8月19日につけた年初来高値4289円奪回を目指す。ミズノ、ゴルドウインも通期の連結営業利益は過去最高を計画しており、ここからの展開に目が離せない。

●ヨネックス、モリトなどにも妙味

 また、バドミントン、テニス、ゴルフが3本柱のヨネックス <7906> [東証S]だが、前出のスノーボードの戸塚優斗選手は同社所属。人気種目なだけに、戸塚選手の成績次第では株価に刺激を与える可能性もありそうだ。意外にも同社とスノーボードの関わりは古く、1995年にGATTA(ガッタ)のブランドでスノーボードに参入している。26年3月期連結営業利益は、前期比14.3%増の162億円を予想し、5期連続で過去最高益を更新する見通しだ。

 少々毛色が変わるが、服飾付属品商社で18年にスノーボードなどの輸入販売を手掛けるマニューバーラインを傘下に収めたモリト <9837> [東証P]にも目を配っておきたい。同社は、スノボーに加えスケートボードの販売も行う。21年開催の東京五輪の際には、堀米雄斗選手が金メダルを獲得、また同じく金メダリストとなった「13歳 真夏の大冒険」のフレーズで一躍人気となった西矢椛(もみじ)選手の活躍などで、スケボー人気の高まりによる売り上げ増を期待した思惑買いが流入し株価を急動意させた経緯がある。25年11月期の連結営業利益は、前の期比11.5%増の32億円を計画。株価は高値圏で推移するも上昇一服場面だが、高値奪回からの再攻勢に期待も。また、官公庁向け熊撃退スプレーの売上高が増加している点もテーマ性に乗る。

 開催が迫るミラノ冬季五輪では、今季を最後に引退を表明し有終の美に期待がかかる坂本花織選手が所属するシスメックス <6869> [東証P]、同じく今季で最後のノルディックスキー複合男子の渡部暁斗選手に加え、ノルディックスキー・ジャンプ女子の丸山希選手を擁する北野建設 <1866> [東証S]にも注目。

 そのほかでは、宅配寿司「銀のさら」、宅配御膳「釜寅」などを展開し、大会期間中にフードデリバリー需要の増加が期待されるライドオンエクスプレスホールディングス <6082> [東証S]は思惑買いを誘う可能性も。また、スポーツ専門店大手のアルペン <3028> [東証P]、ヒマラヤ <7514> [東証S]、ゼビオホールディングス <8281> [東証P]などの動向にも注視が必要だ。



株探ニュース
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