ECB理事発言でユーロ買い先行も一服、ドル円は米金利上昇とともに155円台半ばへ上昇=ロンドン為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2025/12/08 20:48
ECB理事発言でユーロ買い先行も一服、ドル円は米金利上昇とともに155円台半ばへ上昇=ロンドン為替概況

 ロンドン市場では、シュナーベルECB理事のタカ派発言を受けてユーロ買いが先行した後、米金利上昇に伴うドル買い戻しが入る「往って来い」の展開となった。序盤はECB理事の「次の動きが利上げという見方に違和感はない」との発言に反応しドル売り・ユーロ買いが強まったが、その後は「近いうちに金利が変更される可能性は小さい」としたことや米長期金利の上昇を背景にドルが買い戻された。ユーロドルは1.16台半ばから後半で振幅している。ドル指数はロンドン朝方の低下を埋める動きを見せている。ドル円は東京午前の下げを消して155円台半ば超えまで上昇。ユーロ円は181円台乗せ、ポンド円は207円台乗せへと買われている。ユーロ対ポンドではユーロ買いが優勢で、ECB理事発言による初動のユーロ買いが効いている。欧州株はまちまち、米株先物は先週末終値付近での揉み合いなど、リスクセンチメントは比較的落ち着いている。

 ドル円は155円台半ばでの取引。東京午前には155.30台から154.90付近まで下押しされたが、その後は買戻しが続いている。ロンドン序盤に先週末終値155.33レベルを上回ると、高値を155.58付近まで伸ばしている。米10年債利回りが4.12%台から4.15%台へと上昇しており、ドル買い圧力となった。

 ユーロドルは1.16台半ばでの取引。シュナーベルECB専務理事が「次の動きが利上げという見方に違和感はない」と発言したことを受け、ユーロドルは東京時間の1.1637付近から一気に1.1672付近まで急伸した。しかし、同氏が「近いうちに金利が変更される可能性は小さい」と付け加えたことや、レーン・フィンランド中銀総裁が「下方リスクがやや優勢」と慎重な見方を示したことで買いは失速し、1.1650ドル付近へ反落した。米債利回り上昇もドル買いにつながった。12月のセンティックス投資家信頼感指数は改善したものの、ドイツ景気への懸念が指摘されておりユーロ買い反応はみられず。一方、ユーロ円はドル円とともに堅調で、181.23付近に高値を更新している。対ポンドでもユーロは堅調。

 ポンドドルは1.33台前半での取引。ポンドは対ドルで上値が重い展開。ポンドドルは序盤にユーロにつれ高となり1.3347付近まで買われたが、その後の全般的なドル買い戻しの流れに押され、1.3314付近へと安値を広げた。対ユーロでもポンド売り(ユーロポンドの上昇)が進んでおり、0.8730台から0.8750台へとユーロ高・ポンド安が進行、ポンドドルの重石となった面も。ポンド円は円売りが優勢。東京午前に207円付近から206.60付近まで下落した後は、買いの流れが継続している。ロンドン時間には高値を207.21付近に伸ばしている。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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