来週の相場で注目すべき3つのポイント:GDP改定値、米FOMC、メジャーSQ算出日
配信元:フィスコ
投稿:2025/12/06 15:57
*15:57JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:GDP改定値、米FOMC、メジャーSQ算出日
■株式相場見通し
予想レンジ:上限51000円-下限49000円
今週末の米国株式市場は上昇。ダウ平均は前日比104.05ドル高の47954.99ドル、ナスダックは同72.99ポイント高の23578.13で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比170円高の50650円。個人消費支出(PCE)価格コア指数は前年比2.8%の上昇、前月分や市場予想の2.9%上昇を下回ったことで、12月連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ見通しが維持される形となった。ただ、週末要因によるポジション調整の売り圧力から、上値は限定的にとどまっている。
来週は9日から10日にかけて開催される米FOMCが注目イベントとなる。ウィリアムズNY連銀総裁の利下げ支持以降は市場の金融政策に対する見方が変化、現状では0.25%の利下げがほぼ確実視されている。焦点となるのは、パウエル議長の会見、最新の経済見通しにおけるドットチャートなどを受けて、26年の利下げペースに対する見方が変化するかどうか。パウエル議長会見では、政策判断は会合ごとにデータを確認して判断とする従来の見解を繰り返す可能性が高く、ややタカ派的と捉えられる可能性があろう。前回9月時点でのドットチャートは、0.25%の利下げ回数について、26年は1回、27年は1回、28年は0回となっていたが、これも今回は変化がないとみる。総じて短期的な出尽くし感を強めさせるものとなる公算が大きい。次期FRB議長と想定されるハセット米国家経済会議委員長は利下げを推し進めると期待されているが、パウエル議長の任期は5月まであり、少なくともそこまでは、利下げ打ち止めとの見方が有力になっていくことになろう。
12月1日に行われた植田日銀総裁の会見では、次回の金融政策決定会合において、「利上げの是非について適切に判断する」と語られている。これによって、12月18-19日に開催される日銀金融政策決定会合では利上げがメインシナリオとなってきている。市場でサプライズを起こさせないという観点から考えると、15日の日銀短観の結果などにかかわらず、利上げが決定される可能性は高い。セクター別の動きでは、銀行などのプラスセクターとマイナスセクターの明暗が進む余地は残っているとみられよう。なお、米国利下げ、日本利上げという両極端の動きから、為替市場のドル安円高反転、並びに、相対的な日本株の敬遠ムードが強まる可能性もあるとみる。
来週は、週末にメジャーSQ算出日を迎えるなか、週央にかけては、米FOMCを控えていることもありロールオーバーを中心とした模様眺めムードの強い展開となりそうだ。11日には米半導体のブロードコムが決算発表を予定しており、翌日の東京市場の半導体関連株に何らかのインパクトを与えるものとみられる。ほか、経済指標では、8日に7-9月期国内総生産(GDP)改定値が発表されるが、先の法人企業統計調査の結果が反映され、それなりの下振れには注意が必要となる。
法人企業統計調査では、設備投資の伸び率鈍化が確認されているが、設備投資関連に関しては、将来的なフィジカルAI市場の成長期待が高まる方向となっている。今後、産業用ロボットのみならず、工作機械や建設機械などにも、こうしたフィジカルAI市場の広がりが想定されることになろう。
■為替市場見通し
来週のドル・円は伸び悩みか。米連邦準備制度理事会(FRB)は、12月9-10日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25ptの追加利下げを決定する公算が大きい。米国の追加利下げはある程度織り込まれているため、26年に向けた金融当局者の金利見通しで一段の緩和に慎重なら、ドル売りは抑制されるだろう。日本銀行は、今月18-19日開催の金融政策決定会合で追加利上げを決定する可能性が高いとみられているが、26年も複数回の利上げが実施される可能性が浮上した場合、日米金利差の一段の縮小を意識してリスク回避的な円買いが継続するとみられる。ただ、日本の財政悪化が引き続き問題視されており、日銀による追加利上げを受けても、米ドル・円は152円台を維持する可能性が高いとみられる。
■来週の注目スケジュール
12月8日(月):毎月勤労統計-現金給与総額(10月)、実質賃金総額(10月)、GDP改定値(7-9月)、GDPデフレーター(7-9月)、国際収支(経常収支)(10月)、銀行貸出動向(含信金前年比)(11月)、貸出動向 銀行計(11月)、景気ウォッチャー調査 現状判断(11月)、景気ウォッチャー調査 先行き判断(11月)、米・ニューヨーク連銀インフレ期待(11月)、中・貿易収支(11月)、独・鉱工業生産指数(10月)など
12月9日(火):マネーストック(11月)、工作機械受注(11月)、植田日本銀行総裁が英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のイベントで講演、米・連邦公開市場委員会(FOMC)(10日まで)、米・JOLT求人件数(10月)、中・資金調達総額(11月、15日までに)、中・マネーサプライ(11月、15日までに)、中・元建て新規貸出残高(11月、15日までに)、豪・オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利発表など
12月10日(水):国内企業物価指数(11月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利発表、米・FOMC終了後、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が記者会見、米・雇用コスト指数(7-9月)、米・財政収支(11月)、中・消費者物価指数(11月)、中・生産者物価指数(11月)、加・カナダ銀行(中央銀行)が政策金利発表、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が英紙FTのイベントで講演など
12月11日(木):対外・対内証券投資(先週)、景況判断BSI大企業製造業(10-12月)、景況判断BSI大企業全産業(10-12月)、東京オフィス空室率(11月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・貿易収支(9月)、米・卸売在庫(9月)、豪・失業率(11月)、スイス・中央銀行が政策金利発表、トルコ・中央銀行が政策金利発表、ベイリーイングランド銀行(英中央銀行)総裁が英紙FTのイベントで講演など
12月12日(金):設備稼働率(10月)、鉱工業生産(10月)、独・CPI(11月)、英・鉱工業生産指数(10月)、英・商品貿易収支(10月)、露・GDP(10-12月)など
<YU>
予想レンジ:上限51000円-下限49000円
今週末の米国株式市場は上昇。ダウ平均は前日比104.05ドル高の47954.99ドル、ナスダックは同72.99ポイント高の23578.13で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比170円高の50650円。個人消費支出(PCE)価格コア指数は前年比2.8%の上昇、前月分や市場予想の2.9%上昇を下回ったことで、12月連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ見通しが維持される形となった。ただ、週末要因によるポジション調整の売り圧力から、上値は限定的にとどまっている。
来週は9日から10日にかけて開催される米FOMCが注目イベントとなる。ウィリアムズNY連銀総裁の利下げ支持以降は市場の金融政策に対する見方が変化、現状では0.25%の利下げがほぼ確実視されている。焦点となるのは、パウエル議長の会見、最新の経済見通しにおけるドットチャートなどを受けて、26年の利下げペースに対する見方が変化するかどうか。パウエル議長会見では、政策判断は会合ごとにデータを確認して判断とする従来の見解を繰り返す可能性が高く、ややタカ派的と捉えられる可能性があろう。前回9月時点でのドットチャートは、0.25%の利下げ回数について、26年は1回、27年は1回、28年は0回となっていたが、これも今回は変化がないとみる。総じて短期的な出尽くし感を強めさせるものとなる公算が大きい。次期FRB議長と想定されるハセット米国家経済会議委員長は利下げを推し進めると期待されているが、パウエル議長の任期は5月まであり、少なくともそこまでは、利下げ打ち止めとの見方が有力になっていくことになろう。
12月1日に行われた植田日銀総裁の会見では、次回の金融政策決定会合において、「利上げの是非について適切に判断する」と語られている。これによって、12月18-19日に開催される日銀金融政策決定会合では利上げがメインシナリオとなってきている。市場でサプライズを起こさせないという観点から考えると、15日の日銀短観の結果などにかかわらず、利上げが決定される可能性は高い。セクター別の動きでは、銀行などのプラスセクターとマイナスセクターの明暗が進む余地は残っているとみられよう。なお、米国利下げ、日本利上げという両極端の動きから、為替市場のドル安円高反転、並びに、相対的な日本株の敬遠ムードが強まる可能性もあるとみる。
来週は、週末にメジャーSQ算出日を迎えるなか、週央にかけては、米FOMCを控えていることもありロールオーバーを中心とした模様眺めムードの強い展開となりそうだ。11日には米半導体のブロードコムが決算発表を予定しており、翌日の東京市場の半導体関連株に何らかのインパクトを与えるものとみられる。ほか、経済指標では、8日に7-9月期国内総生産(GDP)改定値が発表されるが、先の法人企業統計調査の結果が反映され、それなりの下振れには注意が必要となる。
法人企業統計調査では、設備投資の伸び率鈍化が確認されているが、設備投資関連に関しては、将来的なフィジカルAI市場の成長期待が高まる方向となっている。今後、産業用ロボットのみならず、工作機械や建設機械などにも、こうしたフィジカルAI市場の広がりが想定されることになろう。
■為替市場見通し
来週のドル・円は伸び悩みか。米連邦準備制度理事会(FRB)は、12月9-10日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25ptの追加利下げを決定する公算が大きい。米国の追加利下げはある程度織り込まれているため、26年に向けた金融当局者の金利見通しで一段の緩和に慎重なら、ドル売りは抑制されるだろう。日本銀行は、今月18-19日開催の金融政策決定会合で追加利上げを決定する可能性が高いとみられているが、26年も複数回の利上げが実施される可能性が浮上した場合、日米金利差の一段の縮小を意識してリスク回避的な円買いが継続するとみられる。ただ、日本の財政悪化が引き続き問題視されており、日銀による追加利上げを受けても、米ドル・円は152円台を維持する可能性が高いとみられる。
■来週の注目スケジュール
12月8日(月):毎月勤労統計-現金給与総額(10月)、実質賃金総額(10月)、GDP改定値(7-9月)、GDPデフレーター(7-9月)、国際収支(経常収支)(10月)、銀行貸出動向(含信金前年比)(11月)、貸出動向 銀行計(11月)、景気ウォッチャー調査 現状判断(11月)、景気ウォッチャー調査 先行き判断(11月)、米・ニューヨーク連銀インフレ期待(11月)、中・貿易収支(11月)、独・鉱工業生産指数(10月)など
12月9日(火):マネーストック(11月)、工作機械受注(11月)、植田日本銀行総裁が英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のイベントで講演、米・連邦公開市場委員会(FOMC)(10日まで)、米・JOLT求人件数(10月)、中・資金調達総額(11月、15日までに)、中・マネーサプライ(11月、15日までに)、中・元建て新規貸出残高(11月、15日までに)、豪・オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利発表など
12月10日(水):国内企業物価指数(11月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利発表、米・FOMC終了後、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が記者会見、米・雇用コスト指数(7-9月)、米・財政収支(11月)、中・消費者物価指数(11月)、中・生産者物価指数(11月)、加・カナダ銀行(中央銀行)が政策金利発表、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が英紙FTのイベントで講演など
12月11日(木):対外・対内証券投資(先週)、景況判断BSI大企業製造業(10-12月)、景況判断BSI大企業全産業(10-12月)、東京オフィス空室率(11月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・貿易収支(9月)、米・卸売在庫(9月)、豪・失業率(11月)、スイス・中央銀行が政策金利発表、トルコ・中央銀行が政策金利発表、ベイリーイングランド銀行(英中央銀行)総裁が英紙FTのイベントで講演など
12月12日(金):設備稼働率(10月)、鉱工業生産(10月)、独・CPI(11月)、英・鉱工業生産指数(10月)、英・商品貿易収支(10月)、露・GDP(10-12月)など
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