【QAあり】PWHD、上期営業利益は過去最高益で7期連続増益を達成 保有顧客数は179万件で業界シェア32%を堅持
トピックス ー2026年3月期上期(4月-9月)ー

金本彰彦氏(以下、金本):みなさま、こんにちは。プレミアムウォーターホールディングス代表取締役社長の金本です。それでは、2026年3月期上期の決算説明会を開催します。よろしくお願いします。
まず、トピックスですが、上期の営業利益は過去最高益を達成しました。これで7期連続の増益となります。ユーザー数が着実に増加しており、安定して利益を出せている状況です。
保有顧客数は前期末比で6万件増加し、179万件を達成しました。前年上期比で20パーセントの増加となり、非常に順調に推移しています。
業績ハイライト ー2026年3月期上期(4月-9月)業績ー

業績ハイライトです。売上収益は403億4,700万円で、通期予想の800億円に対して進捗率は50.4パーセントです。営業利益は67億3,700万円で、通期予想の120億円に対して進捗率は56.1パーセントとなりました。
また、親会社の所有者に帰属する中間利益は39億3,600万円で、通期予想65億円に対して進捗率は60.6パーセントと、こちらも非常に順調です。
EBITDAは129億9,400万円となっています。
業績ハイライト ー保有顧客数ー

続いて、保有顧客数の推移についてご説明します。2016年7月に経営統合を行い、「プレミアムウォーターホールディングス」が誕生しました。当時のユーザー数は39万件でスタートしました。
その後、右肩上がりでユーザー数を増加させ、2025年9月末時点で179万件を突破しました。現状では180万件を超えており、できるだけ最短で200万ユーザーを達成し、その後の300万ユーザーに向けた戦略を立て、しっかりと取り組んでいきたいと考えています。
連結損益計算書 ー2026年3月期上期(4月-9月) 前年同期比較ー

続いて、連結損益計算書です。前期が389億1,100万円だったのに対し、今期は403億4,700万円となり、前年同期比103.7パーセントとなりました。営業利益は前期59億9,900万円に対し、今期が67億3,700万円で、前年同期比112.3パーセントです。
金融収益は前期6,900万円に対し、今期は2億7,900万円で、前年同期比403.7パーセントです。親会社の所有者に帰属する中間利益は前期31億2,800万円に対し、今期は39億3,600万円で、前年同期比125.8パーセントとなりました。
1株あたりの中間利益は前期105.06円に対し、今期は132.52円で、前年同期比126.1パーセントとなりました。EBITDAは前期119億5,900万円に対し、今期は129億9,400万円となり、前年同期比108.7パーセントと順調に推移しています。
売上収益の推移 ー上期(4月-9月)数値比較ー

続いて、売上収益の推移についてご説明します。前期の上期では売上収益が389億1,100万円でしたが、今期は403億4,700万円と3.7パーセント増加しました。
この要因として、保有顧客数の増加が挙げられます。上期の保有顧客数の純増数は前年同期と比較して20パーセント増加しており、引き続きユーザー数が順調に積み上がっています。
また、高機能サーバーの利用増加も要因の1つです。前期1年間における新規契約のうち、高機能サーバーの契約率は16パーセントだったのに対し、今期上期では46.5パーセントと大きく伸びています。
高機能サーバーについては、単価が高いことが売上収益の押し上げ要因になっています。また、解約率が非常に低いことも特筆すべき点で、解約率の抑止が売上収益の増加に寄与していると考えています。下期についても引き続き積極的に提案を行っていきたいと思います。
また、2024年3月期の売上収益は415億円ですが、ここには売却をしたエフエルシープレミアム社のモバイル事業の売上が含まれています。それを差し引くと、水事業だけで右肩上がりの成長を続けています。
営業利益の推移 ー上期(4月-9月)数値比較ー

続いて、営業利益の推移です。前期の上期が59億9,900万円に対し、今期は67億3,700万円と12.3パーセント増加しています。
要因としては、保有顧客数の増加により、全体の生産性を向上させることができた点が挙げられます。
また、前期から行っている岐阜北方工場の本格稼働により、製造・物流コストの改善が順調に進んでいます。自社物流比率は51.3パーセントで高い水準を維持しており、これを下期にもつなげてさらなるコスト削減に取り組んでいきます。
さらに、前期から継続している顧客獲得コストの改善策として、営業体制の見直しを行い、生産性を向上させたことで、1件あたりの顧客獲得コストを削減することができ、これが営業利益の増加に寄与しています。
営業利益の推移 ー四半期推移ー

続いて、営業利益の四半期推移です。前期の第2四半期は30億7,200万円でしたが、今期の第2四半期は34億5,100万円と12.4パーセント増加しました。
過去には特殊要因で利益が増加した四半期もありましたが、それを含めても今期の第2四半期は過去最高益となりました。
EBITDA・売上原価(率)の推移 ー四半期推移ー

続いて、EBITDAおよび売上原価率の推移についてです。前期のEBITDAは第2四半期で60億8,800万円でしたが、今期は66億900万円となり、8.6パーセント増加しました。
売上原価率については、前期第2四半期が14.9パーセントだったのに対し、今期は14.5パーセントとなりました。資材などの原価が上昇する中でも、ユーザー数の増加や全体的な生産性向上によって、0.4ポイントの改善を達成しています。
連結貸借対照表 ー2026年3月期上期(9月末)前期末比較ー

続いて、連結貸借対照表です。前期2025年3月期の期末は資産合計で、1,120億7,600万円でしたが、今期は1,228億500万円で、前期末対比109.6パーセントとなっています。ユーザー数が増加したため、資産も増加しています。
資本については、前期の250億7,300万円に対し、今期は278億9,500万円で、111.3パーセントとなりました。自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率)は、前期の22.4パーセントから今期は22.7パーセントに上昇しています。
自己資本比率については、株主さまへの還元と成長戦略を踏まえつつ、しっかりとコントロールし、30パーセントを目指して今後も取り組んでいきます。
連結キャッシュ・フロー計算書 ー2026年3月期上期(4月-9月)前年同期比較ー

連結キャッシュ・フロー計算書についてご説明します。前期の営業活動によるキャッシュ・フローは102億6,500万円、今期は110億8,600万円で、しっかりと営業活動によるキャッシュ・フローを増加させることができました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前期が64億5,700万円、今期が67億4,500万円となりました。フリー・キャッシュ・フローについては、前期が38億800万円、今期が43億4,100万円です。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前期の66億7,100万円に対し、今期は18億4,500万円となりました。現金および現金同等物の期末残高は、前期が276億6,900万円に対し、今期が344億400万円であり、こちらも前年同期と比較して増加しています。
財務指標

続いて、財務指標です。自己資本・自己資本比率に関して、今期第2四半期の自己資本は278億8,000万円、自己資本比率は22.7パーセントとなっています。先ほどお伝えしたように、成長戦略や株主さまへの還元を含め、30パーセントを目指していきたいと考えています。
基本的1株当たり当期利益(EPS)についてですが、2023年度および2024年度には特殊要因があり、大きく上昇しました。それを加味しても、今期の着地予想は過去最高の219円となっています。
流動比率は109.0パーセントです。ただし、現預金と投資有価証券(純投資)を含めると449億8,800万円となり、それを加味すると140.6パーセントとなります。当社としては、問題ない水準で推移していると考えています。
ROEは24.6パーセントと、高い数値を記録することができました。
株式指標

株主還元についてです。まず株式指標についてですが、1株あたり当期利益(EPS)については、先ほどお伝えしたとおり、過去の特殊要因があった期を考慮しても、今期が最高益の予想となっています。
株価収益率(PER)についてです。現状、株価を含めて非常に低いと認識しています。日本の今後の水道水の状況や環境については、この後お伝えしますが、天然水や宅配水に対する需要が今後確実に高まっていくと見込んでいます。そのため、これからが成長期であると考えています。
このような見通しを踏まえると、株価収益率(PER)を含めた株価が非常に安価であると考えています。業績向上とともに、株主のみなさまに現状をしっかりお伝えし、株価の向上を図りたいと考えています。
株価純資産倍率(PBR)は3.59倍です。
株主還元

株主還元について説明します。まず配当ですが、2022年3月期からスタートし、20円、60円、80円、100円と増配してきました。今期については、中間配当55円、期末配当55円で、合計110円を予想しています。
配当性向は50.2パーセントですが、今後も50パーセント前後で推移すると現状では考えています。
また、2025年5月に開始した5億円の自社株式の取得については、10月15日で完了しました。
株主優待

続いて、株主優待についてです。5,000円相当のカタログギフトはとても好評であり、株主のみなさまに大変喜ばれています。今後もこの取り組みを継続していきたいと考えています。
また、優待内容の一環として、株主であり「天然水」のユーザーさまには、天然水を1セットお送りしています。株主のみなさまには、ぜひ「天然水」のユーザーにもなっていただければと思います。
当社が展開可能な市場

続いて、市場動向についてです。当社が展開可能な市場として、まず当社がいるウォーターサーバー市場があります。内訳は、宅配水で1,792億円、給水型(浄水型)が354億円、水道直結型が47億円の合計2,193億円となっています。まずは、この市場でのシェアをしっかりと確保していきたいと考えています。
また、水道の蛇口に付ける浄水器市場が512億円、ペットボトルのミネラルウォーター市場が4,664億円です。昨今、ペットボトルの価格が高騰していることもあり、そうしたマーケットも着実に獲得していけるように取り組んでいきたいと考えています。
さらに炭酸飲料や無糖茶飲料・コーヒー飲料を含めると、潜在的な市場として5兆円規模となります。
国内のウォーターサーバー市場 ー世帯普及率の推移ー

続いて、国内のウォーターサーバー市場の世帯普及率の推移についてですが、現状では9.4パーセントとなっています。
日本における今後の水道水の状況を考慮すると、ウォーターサーバーへのニーズは確実に高まると考えており、この普及率も着実に上昇すると見込んでいます。その中で、確実にシェアを獲得できるよう取り組んでいきたいと考えています。
ウォーターサーバー業界地図

ウォーターサーバーの業界地図についてご説明します。まず、ガス会社系、レンタル・クリーン・オフィスサービス系などがあります。当社は水宅配事業を展開しており、2025年11月18日時点では180万ユーザーを超えています。ここからさらに200万ユーザー、300万ユーザーへとユーザー数をしっかりと拡大し、業界No.1の地位をより確固たるものにしていきたいと考えています。
「水」を取り巻く社会問題

水を取り巻く社会環境についてです。まず、水道管の老朽化が挙げられます。全国的に整備された水道管の中には、耐用年数とされる40年を超えている地域も多くあります。今後、更新が必要とされていますが、人口問題などの影響もあり、更新が可能かという部分が大きな課題となっています。
また、PFAS問題があります。国内の一部地域の地下水や河川から高濃度のPFASが検出されており、健康被害が懸念されています。その中で、水道法の水質基準が厳格化され、2026年4月からPFAS対策が義務化される予定です。このように、PFAS問題は今後さらに注目され、重要性が高まっていくと考えています。
また、地震などの自然災害についてです。南海トラフ地震に関して、発生確率が約60パーセントから90パーセントと予測されており、その際には飲料水の備蓄が重要な対策となることが指摘されています。このような背景から、天然水や宅配水のニーズが今後さらに高まると考えています。
さらに企業の熱中症対策があります。今年6月から企業における熱中症対策が義務化されましたが、適切な水分補給ができる環境を整える必要性があるため、水に対する関心もさらに高まると考えています。
「水」を取り巻く社会問題 ー水道水への不安ー

続いて、水を取り巻く社会問題の1つである水道水への不安についてです。今後、人口が減少していく中で、全国の水道料金の推計結果が示されています。各都道府県で軒並み水道料金が上がると想定されています。
例えば岩手県では、2021年度の水道料金と比べ、2028年度には61パーセント上昇する可能性があると予測されています。
水道料金が上がるだけでなく、スライド右側に記載したように、国土交通省が「小規模な集落が散在する地域においては、莫大な費用をかけて水道施設を整備・更新することは困難と考えられ、このような場合は、宅配給水や移動式浄水処理装置の巡回など、従来の水道事業が行ってきた施設による供給とは異なる衛生的な水の供給についての検討もやむを得ないと考えられる」と発表しています。
このように、エリアによっては水道水自体が供給できない場所が出てくる可能性が高いと言われています。そのため、そのような状況では、天然水や宅配水の必要性、重要性が確実に高まると考えています。
「水」を取り巻く社会問題 ー災害備蓄ー

そして、災害についてです。令和元年以降に発生した災害や震災をスライドに並べていますが、緑色で示された部分が該当します。東日本大震災では、水道が復旧するまでに24日間必要でした。また、阪神・淡路大震災では37日間かかっています。このように、水道の復旧にはどうしても時間がかかる傾向があります。
その中で、当社では防災意識に関する調査を実施しました。防災グッズを用意している方は全体の61.2パーセント、用意していない方は38.8パーセントでしたが、その中で82.7パーセントの方が防災グッズを必要と感じています。そのため、ライトや懐中電灯、非常食、そして飲料水の備蓄に対する意識は、今後さらに高まっていくと思われます。
今後の戦略

このような社会的な問題を背景に、今後の戦略をしっかりと考えていきたいと思います。その中で、これは当社の最重要課題となりますが、獲得コストを意識しつつ、保有顧客数を純増させ続けていきます。
新規顧客を着実に増やし、既存顧客の満足度を高め、解約率を抑止し、その差異である保有顧客数を増やしていきます。今後も愚直に徹底して取り組んでいきます。
今後の戦略

その中で、営業戦略をしっかりと練り上げて保有顧客数を増やし、それを水源戦略や物流戦略につなげることで、全体的なコスト削減に取り組んでいきたいと考えています。
今後の戦略 ー営業戦略(新規獲得)ー

新規獲得の戦略についてですが、全国に約1,400名の営業員が毎日稼働しており、これがプレミアムウォーターホールディングスグループの強みとなっています。この中で直販の生産性を向上させ、そのノウハウを販売店さまにも共有し、さらに強い営業組織を構築していきたいと考えています。
次に、強い販路を持つ企業との連携強化について、ラストワンマイル社やINEST社といった上場会社と資本提携を進める中で、多くの水を販売していただいています。また、「KABU&ウォーター」のような取り組みについても、今後もしっかりと実施していきたいと考えています。
今期に関しては、OEMや大手企業とのアライアンス提携について、前期と比べて20パーセント以上新しい取り組みが増えています。これにより、来期以降の新規契約につながると考えています。
また、長期契約プランを選ぶ顧客が増加しています。直近では、新規契約の90パーセント以上が5年契約となっています。契約時に長期間利用することを約束する仕組みにより、解約の抑止につながるとともに、今後のARPU(1契約あたりの売上)向上にも寄与すると考えています。今後も新規契約については5年契約で提案を進めていきたいと考えています。
今後の戦略 ー営業戦略(顧客満足度向上)ー

続いて、顧客満足度の向上についてです。顧客ニーズに合わせた商品の研究・開発を進めています。前期には5機種の新しいサーバーをリリースしました。これからもユーザーの声をしっかりと吸い上げ、求められる商品を取り入れた研究・開発を行い、新しい商品のリリースを続けていきたいと考えています。
また、ユーザーの利便性向上も重要な課題です。「便利で使いやすい」といったニーズに応えることが非常に重要であるため、引き続き利便性の向上を目指して商品の研究・開発に取り組んでいきます。
さらに、環境に配慮した取り組みとして、ペットボトルの軽量化を進めています。2010年に製造したペットボトルと比較すると、2024年には使用されるプラスチックの量を23パーセント削減することに成功しています。
当社の天然水12リットルペットボトルと一般的な500ミリリットルのペットボトル24本を比較したデータによると、当社のペットボトルはCO2排出量を52パーセント削減することができます。このデータは第三者機関から提供されたものであり、「どうせ水を飲むなら、使うなら、環境にもやさしい商品はどうですか?」という提案を今後も確実に進めていきたいと考えています。
今後の戦略 ー成長戦略ー

営業戦略を練り、新規顧客の獲得を増やし、顧客満足度を追求して解約を抑止し、保有顧客数の増加につなげます。そして、それをストック利益の蓄積へとつなげ、株主さまへの還元とさらなる成長投資を目指していきたいと考えています。
今後の戦略 ー成長戦略(ストック利益とは)ー

当社におけるストック利益の定義は、保有顧客によって将来的に継続的に生み出される利益としています。
ストック売上は、主に水の売上を指します。ユーザーさまからいただいた水の売上から、その売上に伴う水の原価、物流費、カスタマーサービスなどのサービスコストを差し引いたものがストック利益となります。このストック利益の拡大に、当社は毎年尽力しています。
今後の戦略 ー成長戦略ー

ストック利益の推移についてです。2017年3月期からプレミアムウォーターホールディングスが誕生しましたが、その当時のストック利益は63億3,700万円でした。
今期の2026年3月期通期予想では、330億円のストック利益を計画しています。この10年間でストック利益を5倍に成長させることができました。
この330億円のうち、210億円は将来のストック利益を増やすための獲得コストとして使用し、新しいユーザーのために費やしています。そして、残りの120億円が営業利益となります。
これから、このストック利益を毎年10パーセント成長させていきます。複利方式で毎年10パーセント成長を実現するため、社員一丸となって努力しています。これを達成できれば、2030年3月期には480億円を超えるストック利益を達成することができます。この目標に向かって邁進していきたいと考えています。
今後のプレミアムウォーターホールディングス

最後に、営業戦略をしっかりと策定し、それを保有顧客数の増加につなげ、物流・製造の効率向上を図ることで、営業利益率や営業キャッシュ・フローの向上を目指します。そして、成長戦略実現に向けた次の投資へとつなげていきます。
これにより、ストック利益の拡大や企業価値の向上を実現し、株主のみなさまへの還元を図ります。この好循環サイクルを、これからも必ず実現していくために取り組んでいきますので、今後ともよろしくお願いします。
私からは以上です。
質疑応答:中長期的な指標について
司会者:「保有顧客数や売上、営業利益など、中長期的に目標としている数字はありますか?」というご質問です。
金本:売上高や営業利益など、社内で目標としている数値はありますが、特に重視しているのは先ほどお伝えしたストック利益です。
ストック利益を毎年10パーセント成長させていきたいという目標のもと、社員一丸となって取り組んでいます。株主のみなさまには、ストック利益がどのように伸びているか、また10パーセント成長が実現できているかをご確認いただければと思います。
質疑応答:営業利益増加の理由と将来の展望について
司会者:「営業利益が伸長しているのは、経費削減の効果が大きいのでしょうか? 今後も経費削減等、営業利益を改善する余地があるのでしょうか?」というご質問です。
金本:営業利益が伸びている理由として、経費削減の効果もありますが、最大の要因はユーザー数が積み上がっていることです。ユーザー数がしっかりと積み上がっていけば、全体的な生産性の向上やコスト削減が可能になります。
ユーザー数が増え続ける限り、営業利益をさらに伸ばすことが可能です。今後、ユーザー数が200万ユーザー、300万ユーザーと増加するにつれて、営業利益を一層向上させる余地は十分にあります。それを確実に実現するために取り組んでいきたいと考えています。
質疑応答:競合他社の天然水市場における戦略について
司会者:「競合他社の傾向や、その戦略に対する対抗策を教えてください」というご質問です。
金本:まず、天然水を扱っている競合他社に関しては、当社のように物流戦略や水源戦略を展開できず、浄水型に移行している企業がほとんどです。競合他社はその浄水型を活用し、当社の天然水ユーザーを乗り換えさせるかたちで動いてきていますが、当社も浄水型をリリースしたことで、その対策はしっかりと行えています。
直近の解約率が大きく下がっている要因の1つに、この競合他社からの乗り換え対策があることは間違いないと思っています。
また、先ほどお伝えしたように、日本の水道水に関するさまざまな問題を考えると、天然水(宅配水)に対するニーズは今後さらに高まると思います。その際、日本全国津々浦々に安定した価格で天然水を提供できるのは「プレミアムウォーター」だけだと考えています。このようなニーズに対して、当社でしっかりと応えていきます。
また、浄水型についても、天然水ではこれまでカバーできなかった市場があることは確かです。例えば、法人のお客さまや天然水のボトルが重いと感じる方、あるいは価格を重視される方など、対象となるお客さまに浄水型を提案することが非常に重要です。
そのため、天然水と浄水型の両方を今後しっかりと拡大していきたいと考えています。近い将来、天然水と浄水型の両方の市場で「プレミアムウォーター」がNo.1ブランドとなれるよう、今後も全力で取り組んでいきます。
質疑応答:天然水と浄水型のユーザー比率および顧客純増について
司会者:「保有顧客数179万件の天然水と浄水型の顧客割合をご教示ください。また、4月から9月で増加した6万件の顧客数についても、天然水と浄水型の顧客割合をご教示ください」というご質問です。
金本:179万件のうち、天然水のユーザーが約84パーセント、浄水型のユーザーが約16パーセントの比率です。また、新規獲得における天然水と浄水型の比率は、天然水が約75パーセント、浄水型が約25パーセントとなります。
6万件の顧客純増についてですが、浄水型に関しては最近リリースされたばかりで満期を迎えたユーザーがいないため、解約はほとんど天然水に限られています。そのため、純増については浄水型のほうがやや多い現状です。
ただし、今後は浄水型のユーザー数も増えていくことから、年間の顧客純増数は最終的に天然水と浄水型でほぼ同じ水準で推移すると考えています。
質疑応答:天然水と浄水型の取り組みについて
司会者:「天然水のほうが利益率は高いので、天然水に注力したほうが業績は上がると思いますが、今後の天然水の伸びについての予想を教えてください」というご質問です。
金本:当然、当社は天然水の会社ですので、今後も天然水をメインに展開していくことは間違いありません。これからの日本の情勢や状況を考えると、天然水(宅配水)に対するニーズは必ず高まると思っています。そのため、しっかりとその流れを捉え、大きく業績の向上につなげていきたいと考えています。
ただし、浄水型のマーケットも確実に存在するため、そこも的確に対応し、天然水・浄水型の双方でユーザー数を大きく増やし、業績の向上につなげていきたいと考えています。これからも天然水をメインとする姿勢は変わりませんが、天然水・浄水型の両方にしっかりと取り組んでいきます。
質疑応答:自社工場と外部委託の割合および収益性について
司会者:「天然水の自社工場と外部委託工場の割合と、収益率の違いについて教えてください」というご質問です。
金本:自社工場と委託先企業の割合については、具体的な数字は戦略上お伝えできませんが、当然ながら自社工場の比率が高いです。収益性においても、自社工場の方が顧客数は多く、生産性が高いため、収益性も高くなっています。
外部委託の企業については、委託先も利益を確保する必要があるため、収益性は低下します。だからといって、すべてを自社工場に集約するという考えではありません。
天然水については、物流戦略と水源戦略をセットで考えています。日本全国に水源があることで物流戦略に寄与し、BCP対策にもつながります。そのため、当社の自社工場がメインとなりますが、外部委託の企業ともしっかりと連携し、全体的な生産規模を拡大していけるよう、今後も取り組んでいきます。
質疑応答:非流動資産「その他の金融資産」の内訳と投資有価証券の増加について
司会者:「非流動資産の『その他の金融資産』が四半期ごとに大きく増加している背景、保有されている金融商品の内容やその方針についてご解説ください」というご質問です。
清水利昭氏(以下、清水):非流動資産の「その他の金融資産」の内訳についてですが、増加しているのは投資有価証券という項目です。この投資有価証券は、国内外で安定した業績を上げている上場企業の中から、当社と業務関連性がありそうな企業に投資し、将来的にアライアンスの可能性も視野に入れつつ、配当金などの金融収益を得ることを目的として取得しています。
方針としては純投資で進めており、余剰資金の使い道を含めて、投資有価証券の取得を進めています。
質疑応答:通期見通しの上方修正を行わなかった理由について
司会者:「第2四半期累計で営業利益の進捗率が56パーセントと、50パーセントを超えていますが、通期見通しの上方修正を行わなかった理由をご教示ください」というご質問です。
清水:今回、営業利益の進捗が50パーセントを超え、56パーセントに達している状況ですが、これを上方修正するというよりも、非常に順調に推移していると認識しています。そのため、上方修正ではなく、順調な推移として着地見込みに向けて進めている状況です。
また、下期実績の進捗に関しては、上方修正が可能であればと考えていますので、適宜開示等をご確認いただければと思います。
質疑応答:自社物流の理想的な比率について
司会者:「自社物流比率について、ここ最近は50パーセントを少し超える程度で維持されていますが、こちらが適正な水準ということでしょうか? 理想的な水準をご教示ください」というご質問です。
金本:現在、大手物流会社さまと非常に良好な関係を築いています。当社の自社物流網では対応が難しいエリアでも配送をしていただいており、まずはこの良好な関係性をお伝えしたいと思います。そのうえで、現状ではこの50パーセント程度がベストな水準ではないかと考えながら進めています。
また、全体の天然水ユーザー数を増やすことで、比率を変えずに母数を着実に上げていく方針です。これにより、両者の生産性をさらに向上させる取り組みを進めていきたいと考えています。現状の理想的な水準としては、おおむねこの50パーセントあたりではないかと思います。
質疑応答:自己資本比率の現状と目標について
司会者:「自己資本比率はここ2年、3年横ばいとなっていますが、30パーセント到達の目標時期や、短期的な自己資本比率の推移の見通しはありますか? また、自己資本額が上昇している中で、自己資本比率が上がっていない理由について、あらためてご解説いただけますか?」というご質問です。
清水:以前、ご説明したとおり、自己資本比率について、目標としているのは30パーセントです。この2年から3年は横ばいであることは確かですが、おっしゃるとおり、自己資本額自体は毎期増加しています。自己資本比率が上がらない理由は、総資産に占める割合が自己資本となっており、総資産の増加が自己資本率の伸びを抑える要因になっています。
総資産が増加する理由としては、先ほどの金本の説明にもあったとおり、当社はいまだ成長期にあると認識しているためです。ウォーターサーバー事業や投資などの影響で資産が上昇し、それに伴い有利子負債の調達によって総資産が増えている状況です。
それに伴い、自己資本は増加しているものの、比率としては横ばいの時期が続いていると考えています。
自己資本比率30パーセントの到達時期について、現時点では明確に見通せる部分はございませんが、成長が続く中で総資産が増加し、自己資本額も増えている状況にあります。そのため、自己資本比率30パーセントを達成するタイミングは、成長の度合いにもよると考えています。
これからもしばらくは、自己資本比率が20パーセントを超えた水準を維持しつつコントロールしていくことを目標にしています。
質疑応答:「KABU&ウォーター」契約状況と新規獲得比率について
司会者:「他社との協業についてお聞きしたいです。特にカブ&ピース社の開示情報では、7月末に3.5万人が利用しているということでしたが、ここの勢いについて現時点の見解をおうかがいしたいです。
また、カブ&ピース社に限らず、新規顧客について、競合からの乗り換えなのか、新規の顧客層にリーチしているのか、といった状況もお聞きしたいです」というご質問です。
金本:まず「KABU&ウォーター」についてですが、前期からスタートした事業で、今期も一定の契約を獲得していることから、勢いはまだ十分にあると考えています。
新規獲得については、乗り換えか新規かによって異なります。例えば、Webを利用した販路ではほとんどが新規顧客ですが、対面での販路では乗り換えでご契約いただくユーザーもいます。全体的な比率としては、乗り換えが約30パーセント、新規が約70パーセントという比率で推移していると見ています。
質疑応答:天然水(宅配水)市場における競合との差別化要因について
司会者:「宅配水市場において、御社が顧客から選ばれている理由を教えてください。競合の宅配水と何が違うのでしょうか?」というご質問です。
金本:まず、天然水(宅配水)市場においては、現在、多くの競合他社が天然水の獲得を諦め、浄水型に注力している状況があると思います。ただ、ウォーターサーバーに関しては、やはり説明が必要な商材であり、実際に使ってみて便利さを感じてもらうことが重要です。その中で、当社が選ばれている一番の理由は、圧倒的な営業力だと考えています。
しっかりとユーザーに時間を取っていただき、説明を聞いてもらい、その中で選んでいただくという営業力が、他社と比較して非常に優れていると考えています。天然水を配送するだけでは、それほど大きな差をつけるのは難しいかもしれませんが、営業力で圧倒的な差をつけていることが、当社が選ばれている理由だと考えています。
質疑応答:高機能サーバーの収益性と利用状況について
司会者:「高機能サーバーについて、利益率は通常のサーバーに比べてどれくらい異なるのでしょうか? 単価が高いようですが、解約率が非常に低い理由について教えてください。
また、既存顧客が高機能サーバーへ置き換える可能性、速度の見通し、新規顧客が高機能サーバーをえらぶ比率の増加の足元の状況について教えてください」というご質問です。
金本:まず、具体的には通常サーバーとの利益率の差についてお伝えすることは難しいのですが、例えば水道料金が高いケースがあることや、レンタル料金をいただいている点などがあります。それを考えると、サーバー製造の原価は高くなっていますが、それを補うだけの収益性がしっかりと担保されている点が挙げられます。
また、高機能サーバーには、使ってみた際の使いやすさや、さまざまな機能が付いています。他社のサーバーと比較して機能が優れているため、結果として、高機能サーバーが乗り換えの対象となることはあまりありません。それが、解約率が非常に低い理由の1つだと考えています。
また、既存顧客に対しても高機能サーバーの提案を行っていますが、提案を進める中で切り替えに関して手応えを感じています。この提案は、一定期間使用しているユーザーを対象に行っており、既存顧客のバランスを考慮しつつ進めています。
新規顧客については、先ほどもお伝えしたように、今期は新規顧客の約40パーセントが高機能サーバーを選んでいます。この比率はさらに上がると予想しており、全体の約50パーセントまで高機能サーバーを選ぶ顧客が増えるのではないかと考えています。
質疑応答:上場維持に向けた流通株式比率の対応について
司会者:「上場の維持はできそうでしょうか? 臨時株主総会で何を話し合うのか、そろそろ開示してもよいのではないでしょうか?」というご質問です。
清水:現在、スタンダード市場への適合基準で未達成となっているのは流通株式比率です。これについては、2025年6月までに開示している方針のとおり、2026年3月末までに解消することを目指し、現在対応を進めています。
こちらは業績や株価に関連する問題ではないため、親会社である光通信社と具体的に相談をしながら進めています。
また、臨時株主総会の件も含め、開示が必要な決議や事実が発生した場合には、速やかに開示を行いますので、それまでお待ちいただきますよう、よろしくお願いします。
質疑応答:岐阜北方工場の稼働率と今後の目標について
司会者:「岐阜の工場の稼働状況はいかがでしょうか?」というご質問です。
金本:順調に推移していますが、現在の稼働率は約50パーセントで、まだユーザー数を増やしていく余地があります。そのため、200万ユーザー、300万ユーザーを目指してユーザー数をしっかりと増やし、工場の稼働率と利益率を上げていきたいと考えています。現在はこの目標に向けて取り組んでいます。
質疑応答:設備投資計画とウォーターサーバー調達コストについて
司会者:「今後の設備投資の計画を教えてください。また、サーバーの調達コストは上昇しているかについても教えてください」というご質問です。
清水:現状で計画している設備投資については、工場の維持に必要な設備投資は当然必要ですが、工場関係では大きな投資計画はありません。
また、設備投資の今後の計画についてですが、これは毎期のことですが、一番大きく出てくるのはウォーターサーバーの調達コストです。新規顧客の増加もあり、ウォーターサーバーには年間約120億円を投資していきたいと考えています。
また、サーバーの調達コストは上昇していますが、その主な要因は為替の影響です。為替の上昇により調達コストが確実に増加しています。調達する国や地域も含め、最適な調達ができるよう検討を進めています。
質疑応答:個人向け社債導入の背景と成果について
司会者:「直近で、個人向け社債を起債されたかと思いますが、その戦略的な意図を教えていただけますか? 貴社が起債する社債の中では償還期間が短いと思いますので、あえて個人向けの起債をされた背景が気になりました」というご質問です。
清水:通常、これまではホール債というもので、機関投資家さま向けの社債で調達してきました。
格付けがまだBBB+の段階で、A格に達していないため、機関投資家さまを対象とした場合には信用力の面で課題があり、調達金利が高い状況にあります。
このような高金利の中での調達手段として、今回は個人投資家さまに向けて、絶対額が高いスプレッドで調達できる可能性を見込み、個人向け社債の発行に挑戦しました。
今回の実績としては、期間が短い3年債を発行し、利率2.62パーセントでの調達に成功しました。5年債では金利がさらに高くなるため、あえて短期の3年債を選択しました。
これにより、ホール債に加え個人向け社債を組み合わせた資金調達の多角化を達成することができました。今後も金利の動向を注視しながら、ホール債と個人向け社債を併用して資金調達を進めていきたいと考えています。
質疑応答:OEM提供と営業戦略について
司会者:「岐阜北方工場の稼働率が50パーセント程度とのことですが、その余剰分を活用して、他社へのOEM供給はされないのでしょうか?」というご質問です。
金本:他社でのご相談に関しては、すでにOEM提供を行っていますので、その都度条件が合えば、OEM提供を検討しています。また、これからの営業戦略上、新規顧客が増加することも想定しており、その分も含めて稼働率をしっかりと上げていきたいと考えています。
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