【QAあり】アズ企画設計、売上高・営業利益・経常利益すべて過去最高 富士ホーム子会社化で不動産管理事業が伸長、業績拡大も加速

投稿:2025/10/17 15:00

2026年2月期 第2四半期 決算ハイライト

松本俊人氏(以下、松本):株式会社アズ企画設計代表取締役社長の松本です。2026年2月期第2四半期の決算説明を行います。

はじめに決算ハイライトです。スライドのとおり、売上高、営業利益、経常利益、販売用不動産のすべてにおいて過去最高となりました。売上高は52億6,300万円、営業利益は3億3,100万円、経常利益は1億5,700万円、親会社株主に帰属する中間純利益は8,900万円です。

営業利益率は6.3パーセントと低いものの、第3四半期に入って繁忙期となっており、利益と売上の増加を見込んでいます。販売用不動産も8月末現在で130億円強となっています。今後さらに業績の向上を目指していきます。

2026年2月期 第2四半期の主要なトピックス①-1

第2四半期の主要なトピックスをご紹介します。1つ目に、当社ではこれまで社外との連携を進め、浅草で創業70年の富士ホームを子会社化することについて、9月25日に調印式を行いました。翌9月26日の7時から、当社の生え抜き社員である小川が新社長として意欲的に業務をスタートさせています。

今回のM&Aは、短期間でスムーズに手続きを進めることができました。このノウハウを今後も活かしていきたいと考えています。

2026年2月期 第2四半期の主要なトピックス①-2

富士ホームのM&Aには4つのシナジーがあります。浅草で70年続くことは稀有であり、すばらしい企業です。質の高い人材の獲得だけでなく、浅草のある台東区は、もともと当社の戦略エリアに隣接している地域で、日頃から人があふれ、取引も数多く行われていました。

ビルや区分所有の物件、さらにはインバウンドの需要が根強く、当社の買取再販事業とのシナジーが期待されます。また、富士ホームは不動産所有者にフォーカスしており、キャッシュリッチなオーナーが200名以上います。

ストック収入による安定収益基盤の拡大を強化し、都心エリアや、隣接する台東区、隅田川を渡った墨田区など、優良エリアでの事業拡大を進めています。当社グループとして、富士ホームも社員の方々とも協力しながら業績を伸ばしていきます。

当社もさらなる業績拡大のための成長余地が非常に大きいと考えています。これにより、企業価値を一層高めていきます。

2026年2月期 第2四半期の主要なトピックス②

トピックスの2つ目は、中期経営計画の前倒しです。今期は、営業利益10億8,000万円を達成します。来期の計画としては、売上高145億円、営業利益11億8,000万円、経常利益9億円、親会社株主に帰属する当期純利益(以下、当期純利益)6億円を見込んでいます。

最終的には、これまで社内でも話してきた「1人あたり営業利益3,000万円」の目標を早期に達成できるよう事業を進めていきます。

2026年2月期 第2四半期の主要なトピックス③

トピックスの3つ目として、8月に株主優待の拡充を行いました。「QUOカード」の額面について、保有100株以上では年間合計6,000円でしたが、変更後は100株から199株で8,000円、200株から299株で1万8,000円、300株以上で3万円に拡充しました。

10月1日現在の株価から想定すると、配当と優待を合わせた総合利回りは、スライドの黄色の枠に示すとおり3.83パーセントから4.53パーセント程度になる見込みです。こちらは株主の拡大を目的としています。

2026年2月期 第2四半期の主要なトピックス④

トピックスの4つ目として、5月に第5回、第6回の新株予約権を発行しました。目的は、財務基盤の強化、大型案件への投資による利益拡大と、今回の富士ホームを例としたM&Aや戦略的提携の強化です。

2025年9月末時点で、4億9,000万円の調達額に対する進捗率は89パーセントです。今日10月9日現在では98.5パーセントまで行使が進んでいます。第6回は今後予定されています。資金調達は順調に進展しており、純資産を増強しながら事業の拡充を進めていきます。

セグメント別概要(全体)

セグメント別の全体の概要です。先ほどハイライトでも触れたとおり、不動産販売事業は大幅な増収増益、不動産賃貸事業も増収増益となっています。

課題となっているのは不動産管理事業で、ここ数年横ばいの状況が続いています。これは、管理の中心となっている埼玉本店にて、管理オーナーの高齢化や、埼玉での事業が30年以上継続していることによる物件の入れ替えなどが影響し、管理の売上・利益が横ばいとなっているためです。

今回、浅草で多数の管理物件を持つ富士ホームと連携して東京での管理物件を増やすとともに、アズ本社としても管理の拡大を図り、不動産管理事業の売上を拡大していきたいと考えています。

不動産販売事業の状況

メインの不動産販売事業についてです。レジデンス2棟、ビル2棟、区分事務所2件、区分マンション1件の合計7件で成約しています。大型不動産の販売が進み、売上高は47億7,900万円、営業利益は3億6,900万円となりました。今後も大型化が進むにつれて、売上・利益も増加していくと考えています。

販売用不動産在庫水準の推移

販売用不動産の在庫水準についてです。スライドのグラフ右側に示すとおり、8月末現在で過去最高の130億円強となっています。本日10月9日現在はさらに増加している可能性があります。都心を中心とした優良不動産の在庫を順調に増やしています。

また、自己資本比率に関しては、在庫拡大により相対的に減少するものの、新株予約権の行使による増加もあるため大幅に減ることはなく、18.5パーセントで推移しています。

不動産賃貸事業の状況

不動産賃貸事業についてです。不動産賃貸事業では販売用不動産が増えることにより賃料収入が増加し、それに伴い売上・利益も増加しています。今後も不動産賃貸事業の売上・利益は増加していくと考えています。

不動産管理事業の状況

課題である不動産管理事業です。不動産管理事業では、賃貸管理契約と、それに伴うリフォームなどの件数が横ばいとなっています。

この点を課題と捉え、浅草でビルを100棟以上管理する富士ホームのスタッフと、アズ本社のスタッフが、ある意味で競争しながら双方のノウハウを強化することにより、全体の売上を増やしていく必要があると認識しています。

連結貸借対照表

連結貸借対照表です。販売用不動産の在庫は、2025年2月の実績からプラス51億円と大幅に増加しました。純資産も34億円と大きく増えています。ただし、自己資本比率はB/Sの借方である在庫の増加により18.5パーセントとなり、3.8ポイント下がっています。

当社の事業について

当社の事業についてです。10年前に東京へ進出した際に掲げた目標は、東京23区を中心に、1都3県で不動産販売事業を柱とした事業を展開することでした。近年はそのうち都心5区を中心に事業を進めています。

売上構成としては、不動産販売事業が92パーセント、不動産賃貸事業が6パーセント、不動産管理事業が2パーセントとなっています。このうち、ストック型である不動産賃貸事業と不動産管理事業を増やすことも当社の課題です。

当社の強みについて

当社の強みは、リーシングを中心としたバリューアップです。もともと賃貸・管理からスタートしているため、そのノウハウをほぼ全社員が持っています。このような強みを活かし、物件の価値向上に努めています。近年は賃料の値上げに関するノウハウも十分に蓄積され、バリューアップに貢献しています。

収益不動産の販売においてはスピードを特に重視しています。ただし、販売においては単に売り切るのではなく、1物件で約3件の申し込みの中から慎重にお客さまを選んで売る手法に少しずつ切り替えています。

また、長期保有することでP/Lに寄与する賃料収入も得られるため、取組みを工夫しつつ利益の向上を図っていきます。

2026年2月期と2027年2月期の業績予想について

今期決算と来期業績予想についてです。想定以上に利益は伸びているものの、まだ十分な利益率には達していません。2桁以上の利益率を目指し、「1人あたり営業利益3,000万円」という社内目標の早期達成に向けて努力していきます。

今期は、中期経営計画最終年度の目標値である売上高135億円、営業利益10億8,000万円、経常利益8億円、当期純利益5億1,000万円を1年前倒しで達成する計画です。これを確実に達成し、来期は売上高145億円、営業利益11億8,000万円、経常利益9億円、当期純利益6億円を掲げ、売上・利益の拡大を進めていきます。

事業戦略について(全体像)

当社の事業戦略は、「営業利益向上」「社外との連携」「販売事業の規模拡大」の大きく3つです。社外との連携は私が最も重要視しているものです。今回の富士ホームのM&Aは2025年9月25日に完了し、短期間での事業提携を実現しました。

当社は、なるべく短期間で事業提携を行い、グループ全体として円満に成長していくことを目指しています。この成功事例を皮切りに、今後2件目、3件目、4件目と増やしていきます。

「販売事業の規模拡大」については後ほどご説明しますが、大型化と多様化を進めています。エリアを限定し、事業戦略の3つの柱の1つとして不動産販売事業の拡大を進めます。

【事業戦略】価格帯の向上(大型化)

「販売事業の規模拡大」ということで、スライドの円グラフの左から右へ、価格帯の赤枠で示された5億円から10億円、さらには10億円以上の部分を増やし、比率を半分以上にすることを狙いとして、現在事業を進めています。対象は日本国内だけでなく、最近ではインバウンドの富裕層や黒字企業に絞り、徹底的な営業を行っています。

【事業戦略】商品種別の多様化

商品種別の多様化については、エリアを都心5区に限定しています。従来はレジデンス系が多かったのですが、現在は事業用へと広げています。区分・居住用と区分・事業用の割合は、居住用が6割、事業用が4割です。これをおおむねフィフティ・フィフティにしていく方針です。

不動産開発事業については、お金と時間がかかりますが、渋谷区西原や港区など都心の優良な物件を対象に土地を購入し、開発を進めています。年に数件行っており、現在は2件のプロジェクトに取組んでいます。今後も場所を慎重に選びながら進めていく予定です。

プレミアムマンション事業や区分事業についても、都心5区を中心に事業を展開し、価格帯や種類を増やしていきます。

【事業戦略】戦略的業務提携やM&Aの推進

業務提携についてです。社外との提携は私の仕事だと思っています。今回の富士ホームの事例では、スライドの円グラフの黄色で示すPMとオーナー管理に該当します。さらに対象としているのは、BM、AM、DX、バリューアップ領域です。

これらの企業とは年間を通してさまざまな商談を行って調整を進めており、近い将来には成果が出てくると思います。今後2件目、3件目と連携を重ね、グループ全体で業績を伸ばしていく戦略です。「みんながより良く、みんなが1番を目指せるように」という発想から、この戦略を「AtoZ構想」と掲げています。

サステナビリティへの取組み

サステナビリティ活動として、最近ではトレーラーハウスの寄付をはじめとした企業版ふるさと納税、健康優良法人認定に向けた取組み、富士ホームのグループ化、さらに地元のサッカーチームの応援など、さまざまな社会活動を引き続き行っています。

人材交流 ヒトとの繋がりを大切する社風

最も重視しているのはヒトとの交流です。みんなで1番を目指す「AtoZ構想」のもと、「アズサロン」、経営者サロン、クリスマスディナーショー、今回の富士ホームのグループ化、企業版ふるさと納税、地元サッカーチームや大学スポーツ団体の支援に力を入れていきます。現在は3つの大学を支援していますが、今後4つ、5つと増やしていきたいと考えています。

ヒトとのつながりを重視し、地元のサッカーチーム「アヴェントゥーラ川口」のスポンサー活動だけでなく、さまざまなつながりをさらに増やしていきます。

株主優待変更後の配当と株主優待の利回り想定について

冒頭でお話しした株主優待についてです。総合利回りは3.83パーセントから4.53パーセント程度となっています。スライド右下に変更後の優待内容を記載しています。配当に関しては、業績に基づいて前期並みを維持しつつ、業績向上に努め、その都度発表したいと考えています。

2026年2月期第2四半期の決算は、過去最高を記録しました。この結果に満足せず、引き続き気を引き締めて、今期末から来期に向けて業績をさらに向上させていきます。

以上でご説明を終わります。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:物件の販売状況と仕入について

司会者:「第1四半期に続き、第2四半期においても順調に販売用不動産の売却が進んでいますが、売却したのは前期仕入物件だと思います。計画どおりに売却が進んでいると考えてよいでしょうか? 想定よりも長期化しそうな在庫はありますか?」というご質問です。

松本:長期化する物件はなく、販売は順調です。売却物件7件のうち、今期仕入れて今期販売したのは1件で、残りは前期以前の仕入物件です。販売は順調で、1物件につき平均3件程度の申し込みがあります。このペースで仕入と販売を強化していきます。

質疑応答:居住用と事業用不動産の割合および仕入環境について

司会者:「第2四半期末の在庫のうち、一棟・居住用不動産、一棟・事業用不動産などの内訳を教えてください。仕入環境、価格面、競争面はいかがでしょうか?」というご質問です。

松本:居住用と事業用の割合については、居住用のほうが多くなっています。おおよそ6割が居住用、4割が事業用です。これを1:1ぐらいまで持っていきたいと考えています。

仕入環境は非常にレッドオーシャンです。当社だけでなくさまざまなプレイヤーがいるため、仕入は非常に難しい状況です。ただし、130億円以上の優良な不動産を所有し、現在リノベーション等を進めており、この分野のノウハウはかなり蓄積されてきました。私自身も自信を持っています。このようなレッドオーシャンの中でも、業績は拡大できると考えています。

質疑応答:不動産販売事業の好調と管理の課題について

司会者:「不動産販売事業が好調な一方、不動産管理事業が横ばいの理由がよくわかりません。もう少し詳しい解説をお願いします」というご質問です。

松本:理由は2つあります。1つ目に、販売後の管理が分離してしまうケースがまだ多いことです。次のオーナーさまに物件をご購入いただいた後、管理の提案を丁寧に行い、確実に引き継ぐことが課題です。

2つ目に、従来のオーナーさまは特に埼玉本店に多いのですが、世代交代に伴い物件の売却等が増加しています。その結果、アパートやマンションの管理が他社に移ることが増えています。今後は物件販売後の管理も当社で確実に獲得するとともに、富士ホームのような都心での管理の強化を進めていきたいと考えています。

質疑応答:計画上振れの要因と今後の利益率向上について

司会者:「中計を1年前倒しで達成されるとのことでしたが、中計策定時と何が違ったのか、外部要因と内部要因に分けて教えてください。また、2027年2月期の計画は利益成長スピードが加速するとのことですが、そのドライバーについても考え方をお聞かせください」というご質問です。

小尾誠氏(以下、小尾):管理部長の小尾です。まず、策定時との違いについて、当社では利益率を高める経営を重視しています。松本からも「1人あたり営業利益をどんどん高めていこう」と号令がかかっています。

そのような中、社員間でも利益率を意識した仕事を創出する動きが加速したと考えています。そのため、計画から1億円ほど上振れして実績を出すことができました。この勢いをさらに加速させ、中計を推進しながら上積みを図る計画を作成しました。

不動産販売事業の利益率を高めることは、今後の成長のドライバーになると考えています。また、それに付随してM&Aも進めていければと思っています。

質疑応答:富士ホームの事業承継とグループ化について

司会者:「今回の富士ホームの買収に至った経緯を教えてください。また、今後も同様の地域に根ざした管理会社の買収を計画されているのでしょうか?」というご質問です。

松本:富士ホームについては、事業承継となります。現在は会長として尽力している前社長からの承継で、会長は私よりも一回り先輩です。そのような経営者が多いと感じています。

仲介会社の紹介で物件の審査を行い、今回は非常に迅速な対応で、9月25日に調印式となりました。短期間で無事に成約し、翌日9月26日の朝7時には、弊社の生え抜き社員である小川が新社長として出勤し、すでに業務に取組んでいます。このような経緯で、富士ホームをグループ化することができました。

事業承継は非常に優良な案件が多いと思っています。今後もこのような案件を積極的に取り入れ、グループ全体として成長を図りたいと考えています。

質疑応答:上期の計画進捗状況について

司会者:「上期計画は非開示となっていましたが、御社の計画と比べて上振れだったのでしょうか?」というご質問です。

小尾:上期の計画は非開示となっており、公表しているものではないため、明確な数字についてはお答えしかねます。おおむね順調に進んでいることだけはお伝えしておきます。

質疑応答:コストアップやスケジュール遅延の対策について

司会者:「建物開発のプロジェクトがあるとのことですが、建築コストの上昇やスケジュールの遅れなどはないでしょうか?」というご質問です。

松本:コストと期間は上振れるケースが多く、コストアップや期間の延長がよくあります。そのような問題への対策として、特にファイナンス面で余裕を持って借り入れを行っています。

施工会社ともしっかり打ち合わせを行っていますが、それでもコストと工事期間が予定よりオーバーするケースは少なくありません。そのため、計画には余裕を持たせています。それにより、厳選したエリアであれば販売時の価格も上振れるケースが多くなります。したがって、十分に余裕を持つことが最も重要だと考えています。

質疑応答:利益率を高めるための施策について

司会者:「利益率を高めるための施策について、もう少し解説をお願いします」というご質問です。

小尾:利益率を高めるための施策として、まず1人あたり営業利益を高めるという課題のもと、社内の採算管理を厳格化しています。事業計画の採算についても厳格に見直し、それにより利益率を高めることを目指しています。

仕入の目利き力や情報力も重要ですが、最近特に力を入れているのはリーシングにおける賃料の最大化です。また、既存の入居者物件の中でも、明らかに賃料水準が低い物件があります。それらは伸びしろがある物件と捉え、賃料交渉を真摯に行って賃料を引き上げていきます。

そのようなことによって逆算すると、販売価格の上昇は利益率の上昇につながります。そのため、なるべく伸びしろのある物件を発掘し、それを加工することで効率的に利益率を上げていきます。このような取組みを駆使して、利益率を高める経営を実現していきたいと考えています。

質疑応答:建築費高騰とリノベーション事業の展望について

司会者:「都心では、大型開発案件に押され、中小ビルの空室増や建築費高騰で改装を諦め、売却するようなケースが増えているのでしょうか? また、御社のリノベーションは、オフィス用から住居用への転換などのフルリノベーションもあるのでしょうか?」というご質問です。

松本:建築費の高騰は都心を中心に顕著です。当社は身の丈に合った事業を行っているため、大型案件よりも中規模以下の案件が多いのですが、それぞれの立地に応じて適切に対応しています。例えば渋谷区や港区など都心5区での事業においては、長年お付き合いのある建築会社と綿密に打ち合わせを行い、今後も事業を進めていきます。

現在、空室は非常に少ない状況です。そのため、価格と工程をきちんと管理すれば、稼働率はほぼ100パーセントになると考えています。

リノベーションについては、オフィスから住居への転換は難しく、当社ではこれまで扱ったことがありません。過去の事例としては、ホテルをオフィスに変えたり、ホテルを寮に転用したりしたケースがありましたが、そこまで大幅な用途転換ではないものが中心となっています。

オフィスから住居への用途転換は少し難易度が高いと思いますが、逆に住居からオフィスへの転用は可能性があると考えています。遵法性をきちんと満たした上で、このようなリノベーションには今後もチャレンジしていきたいと思います。

質疑応答:富士ホームのグループ加入に伴う不動産管理事業の展望について

司会者:「不動産管理事業が、横ばいから上昇に転じる時期の想定はいつ頃でしょうか?」というご質問です。

松本:不動産管理事業はここ数年低迷しています。今回グループ化した富士ホームは賃貸・管理を中心にしている会社です。富士ホームがグループに加わったことで、今期および来期以降は不動産管理事業を拡大したいと考えています。

ストック収入を増やすことが当社の経営の安定につながるため、富士ホームのような会社をさらにグループに迎え入れ、当社の埼玉本店や東京本社のスタッフも、良い点を積極的に取り入れたいと考えています。時期的には来期から不動産管理事業の売上・利益が増加すると見込み、取組んでいきたいと思っています。

質疑応答:高価格帯エリアでの案件と事業計画について

司会者:「不動産開発事業において、現状の年間竣工棟数、物件規模、仕込みの状況、今後の開発における居住用と事業用の割合を含む展望について、詳細を教えてください」というご質問です。

松本:現在取組んでいる案件は渋谷区と港区で、こちらが25億円から30億円超です。土地代が高いエリアや需要のあるエリアでは建築費が上がっているため、土地代が安いエリアで事業を進めると相対的に割高になります。したがって、価格帯としては30億円前後以上になると考えています。

身の丈に合った経営という観点からも、年間で2件から4件程度のペースで、業績を見ながら少しずつ増やしていければと考えています。

質疑応答:融資情勢および金利調達コストの影響と対応戦略について

司会者:「長期金利が上昇傾向にありますが、御社の調達コストの状況と、銀行の融資姿勢の変化による最終ユーザーの購入動向に変化はあるでしょうか?」というご質問です。

小尾:融資情勢に関しては変化を感じていません。むしろ、金融機関のみなさまとは信頼関係の構築が進んでいるものと当社では認識しています。

金利調達コストについては上昇局面にあり、調達コストが上昇傾向にあると認識しています。ただし、その影響は限定的であると考えています。エンドユーザーの購入数は依然勢いが落ちておらず、購入人数も高い水準で推移しています。このことから、需要や購買意欲は堅調に推移していくと当社では判断しています。

今後、さらに金利が大きく上昇するような状況になれば、不動産投資家の方々が物件を見る目がより厳しくなることも想定されます。当社はその点も視野に入れながら、都心の価値が落ちにくい物件を中心に取り扱う戦略を実践しています。引き続きそれら戦略を実行し、付加価値の高い商品づくりを意識して対応していきたいと考えています。

質疑応答:人手不足とDX系人材の採用について

司会者:「人手不足が各業界で生じ、特に建築関連は不足していると聞きます。御社の業容拡大の中で人員不足はないのでしょうか?」というご質問です。

松本:結論からお伝えすると、当社の場合、現在のところ人手不足の問題はありません。営業系および管理系については、従業員数は2025年2月末時点で63名です。

富士ホーム、東京本社、埼玉本店では今のところ人手が不足している状況ではありませんが、唯一、DX系の集客・システム分野の人材が少なく、採用が難しいと感じています。この問題に対しては、社内で採用するか、あるいは社外と連携し、優良企業をグループ化する案も検討しています。

質疑応答:新たな中期経営計画の発表時期について

司会者:「中期経営計画を1年前倒しで達成とのことですが、新たな中期経営計画の発表はいつ頃と期待しておけばよいでしょうか?」というご質問です。

小尾:新たな中期経営計画の発表時期について、現時点では確定していません。足元の事業環境の大きな変化も踏まえ、より実効性の高い計画策定が求められていると認識しており、現在慎重に検討を進めている最中です。2026年4月頃までに正式な発表時期を公表できるよう進めていきたいと考えています。

質疑応答:不動産開発事業の取組みと今後の方向性について

司会者:「不動産開発事業において、事業用の開発も検討されるとのことですが、どのように付加価値を高めていく予定でしょうか?」というご質問です。

松本:当社の開発事業は、オフィス、商業施設など事業用を中心に展開しており、過去には東北でホテル事業も手がけていたため、その知見やノウハウを有しています。現在はオフィスを中心に事業を進めていますが、店舗や商業施設の開発にも取組んでいます。

また、浅草の富士ホームをグループ化したことにより、宿泊事業も拡大していきます。宿泊事業については、オペレーションは外部の優良企業と連携しています。今後はオフィス、商業、宿泊系の3つを事業の中に取り込んでいきたいと考えています。

松本氏からのご挨拶

松本:本日はご清聴ありがとうございました。10月を迎え、すでに第3四半期に入っています。これから11月、12月、2026年1月、2月と事業に注力し、最終的に本決算でみなさまに良い報告ができるよう、さらに気を引き締めて取組んでいきます。今後ともよろしくお願いします。

配信元: ログミーファイナンス

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