今週のポイント
21日に発表されたNZの4-6月期CPI(消費者物価指数)は前期比0.5%、前年比2.7%と、いずれも市場予想(0.6%と2.8%)を下回りました。CPIの結果はNZドルにとってマイナスになると考えられます。CPIの結果が市場で意識されれば、NZドルは上値が重い展開になるかもしれません。
トランプ米政権による追加関税の適用猶予期限は8月1日です(対中国を除く)。猶予期限が近づくなか、関税についてのニュースが新たに出てくれば市場は反応しそうです。トランプ政権による関税が現実味を帯びた場合、その対象となる国・地域の通貨には下押し圧力が加わるかもしれません。カナダは現時点で8月1日の関税引き上げの対象になっています。
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メキシコの7月前半CPI(消費者物価指数)が24日に発表されます。その結果がメキシコペソの材料になりそうです。
BOM(メキシコ中銀)は2月・3月・5月・6月と4会合連続でそれぞれ0.50%の利下げを実施ました。ただ、前回6月会合の声明では、それまでの「今後も金融政策スタンスの調整を継続し、同程度の規模での調整を検討する可能性がある」が修正されて、「政策金利のさらなる調整を検討する」になりました。
メキシコの7月前半CPIが強い結果になれば、次回8月7日の会合では利下げ幅が縮小されるとの観測が高まると考えられます。政策金利は据え置かれるとの観測も浮上するかもしれません。その場合、メキシコペソのプラス材料になりそうです。
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TCMB(トルコ中銀)の政策会合が24日に開かれます。トルコの6月CPI(消費者物価指数)は前年比35.05%と、上昇率は前月の35.41%から鈍化しました。上昇率の鈍化は13カ月連続です。
TCMBは24日の会合で利下げするとの見方が市場では大勢。会合における注目点は、“どの程度の利下げが行われるのか”になりそうです。利下げ幅については、1.50%~3.50%の間で市場の見方が割れているようです(2.50%の利下げが中央値)。仮に利下げが行われたとしても、市場予想の中央値である2.50%よりも小幅ならば、トルコリラはそれほど下落しない可能性があります。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.08500NZドル~1.10000NZドル>
RBA(豪中銀)は7月7-8日の政策会合で政策金利を3.85%に据え置くことを決定。市場では利下げすると予想されていたためRBAの決定はサプライズでした。RBA会合以降、豪ドル/NZドルは堅調に推移して17日には一時1.09847NZドルへと上昇し、4月上旬以来の高値をつけました。
ただ、17日に発表された豪州の6月雇用統計が市場予想よりも弱い結果になると、RBAの利下げ観測が高まって豪ドル/NZドルは軟化しました。6月雇用統計の結果は失業率が4.3%、雇用者数が前月比0.20万人増、市場予想はそれぞれ4.1%と2.00万人増でした。
OIS(翌日物金利スワップ)によると、市場ではRBAは次回8月11-12日の会合を含めて12月末までに3回(合計0.75%)利下げするとの見方が優勢。一方、同じくOISによると、RBNZは次回8月20日の会合を含めて12月末までに2回(合計0.50%)利下げするとの見方が優勢です。両者の金融政策の見通しの違いを考えれば、豪ドル/NZドルは上値が重い展開になるかもしれません。
今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.35000カナダドル~1.38000カナダドル>
米ドル/カナダドルは5月下旬から約2カ月間にわたり、おおむね1.35000カナダドル~1.38000カナダドルのレンジで推移しています。
FRB(米連邦準備制度理事会)とBOC(カナダ中銀)の金融政策面からみれば、米ドル/カナダドルは上値が重い展開になると想定されます。12月末までにFRBは複数回の利下げを行うとの観測が市場にはあります。BOCについては、OISによれば12月末までに利下げがあと1回あるかどうかと市場は見ているようです。
ただし、トランプ米大統領は7月11日に「カナダからの輸入品に35%の関税を8月1日から課す」と表明しました。トランプ政権はカナダに対し、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)準拠品を除いて原則25%の関税を3月から課しています。35%の関税はそれに10%上乗せしたものです。
新たなニュースによってトランプ政権による対カナダ関税の引き上げが現実味を帯びれば、そのことがFRBとBOCの金融政策よりも強く市場で意識されそうです。その場合、米ドル/カナダドルには上昇圧力が加わる可能性があります。
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