リスク回避の円高フローにも要注意
【注目ポイント】「106.500円」を上抜けブレークするか否か
【シナリオ①】同レート超えなら、「108.250円」付近までの上昇を想定
【シナリオ②】同レートでの上値抑制なら、「105.000円」付近までの下押しも
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「105.000~108.250円」
中東情勢の緊迫化に伴う原油高の影響もあり、資源国通貨であるカナダドル/円が引き続き下値しっかりかつ上値切り上げの動きとなっています。そんな中、足もとではもう一段の上値追いを示唆するシグナルが出現しています。
上図の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 21日MA(移動平均線)が右肩上がりであること、2) 遅行スパンの“好転”(上図黄色丸印)が示現していること、3) ローソク足の下方に青色雲(=サポート帯、先行スパン)があること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の上方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で+DI>-DIとなり、ADXが横這いでの推移となっている(上図赤色点線丸印)ことから、現在のカナダドル/円・日足チャートは上昇トレンド序盤を示すチャート形状であると判断します。
その他では、ⅰ) ローソク足がBB(ボリンジャーバンド)・+1σラインと同・+2σラインの間で推移する“上昇バンドウォーク”となっていること、またⅱ) BB・±2σラインが21日MAに対してパラレル推移となっていることを合わせると、今後のカナダドル/円はトリガー次第では上昇モメンタムがさらに加速する可能性も。
これらを踏まえた上での喫緊の注目ポイントは・・・200日MAをメドとする「106.500円」(上図黄色矢印および黒色線)を上抜けブレークするか否か。
筆者が想定する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
この先、「106.500円」を終値ベースで上抜けブレークした場合は、「重要線超え」→「もう一段の上値切り上げ」へのトリガーとなる可能性も。当該ケースでは、「遅行スパンの上放れ」や「SARの買いサインへの転換」、また「+DI>-DIの乖離拡大」なども伴いながら、2月13日に付けた高値水準である「108.250円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇を想定すべきでしょう。
[シナリオ②]
一方で、「106.500円」超え未達(=上値抑制)となった場合は、「上値抵抗圧力の強まり」→「下押し」となりそうです。当該ケースでは、「上昇バンドウォーク崩れ」や「遅行スパンのローソク足への近接」、また「+DI>-DIの乖離縮小ないしは収斂」なども伴いながら、約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す21日MAをメドとする「105.000円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下押しとなりそうです。ただし、現状では青色雲が厚い形状(=強い下値支持帯)となっていることから、下値余地は限定的でしょう。
上記シナリオ①および②を概括すると、現下のカナダドル/円は下値しっかりの相場付きが継続するとの想定の下、当面※は「105.000~108.250円」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。 (※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)
上述の通り、ここもとの中東情勢の緊迫化に伴い、国際商品の原油相場が強含みの展開となっています。その動きに準じて、資源国通貨も連れ高となっている中で、仮に米軍によるイラン攻撃が実施された場合は、刹那的な動きも含めてカナダドル/円が急上昇する可能性も。一方で、当該ケースではリスク回避主体の円高フローも想定されるため、カナダドル/円をはじめとする対円通貨においてはチョッピーな値動きも視野に入れるべきでしょう。いずれにしても、地政学リスクが顕在化する中でのトレードでは、リスク管理を一丁目一番地とすることが得策と考えます。
最新人気記事
-
来週の株式相場に向けて=年内最後のFOMCに関心、ブロードコム決算... 12/05 17:40
-
東京株式(大引け)=536円安と4日ぶり反落、主力株に利益確定売り膨らむ 12/05 16:13
-
来週の主なマーケットイベント 12/05 16:00
-
リガクHDが3連騰、次世代半導体向け計測装置の販売開始を引き続き材料視 12/05 09:26
-
「ロボット」が2位に急浮上、米政府がロボティクス分野への支援を検討... 12/05 12:21
新着ニュース
新着ニュース一覧-
今日 11:30
-
-
今日 10:00
-
今日 09:00

