構造的な米ドル安相場?対米ドル通貨が全般的に強気基調!
【注目ポイント】「0.60000ドル」で下値サポートされるか否か
【シナリオ①】同レートでの下値サポートなら、「0.62000ドル」付近までの上昇も
【シナリオ②】同レート割れなら、「0.58380ドル」付近までの下落を想定
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「0.58380~0.62000ドル」
先月13日に直近安値となる「0.58370ドル」を付けた後、徐々に上値を切り上げる展開となっているNZドル/米ドル。今後、もう一段の上値追いとなるのでしょうか。
上図の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 21日MA(移動平均線)が右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足を上抜ける“好転”(上図黄色丸印)が示現していること、3) ローソク足の下方に青色雲(=サポート帯、先行スパン)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして4) DMI(方向性指数)で+DI>-DIとなり、ADXが低位置から右肩上がりでの推移になりつつある(上図赤色点線丸印)ことから、現在のNZドル/米ドル・日足チャートは上昇トレンド序盤を示すチャート形状であると判断します。
その他では、ⅰ) ローソク足がBB(ボリンジャーバンド)・+1σラインと同・+2σラインの間を推移する“上昇バンドウォーク”となっていること、またⅱ) BB・±2σラインが拡張する“エクスパンション”が示現していることを加味すると、現在のNZドル/米ドルについては極めて“美しい”(=典型的かつ教科書的な)上昇トレンド示すチャート形状が示現していると言って良いでしょう。
そんな中、足もとにおける注目ポイントは・・・BB・+1σラインをメドとし、心理的な節目でもある「0.60000ドル」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。
筆者が想定する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
この先、「0.60000ドル」で下値サポートされた場合は、「上昇バンドウォークの継続」→「もう一段の上値追い」となりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンのさらなる上放れ」や「エクスパンションの進展」、また「+DI>-DIの乖離拡大」なども伴いながら、昨年10月4日以来の高値水準である「0.62000ドル」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇を想定すべきでしょう。
[シナリオ②]
一方で、「0.60000ドル」を終値ベースで割り込んだ場合は、「上昇バンドウォーク崩れ」→「一旦の下押し」となる可能性も。当該ケースでは、「SARの売りサインへの転換」や「遅行スパンの“好転フェイク(ダマし)”」、また「+DI>-DIの乖離縮小」なども伴いながら、BB・-2σラインをメドとする「0.58380ドル」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落を想定すべきでしょう。ただし、現状では青色雲が分厚い形状(=強い下値支持帯)となっていることから、下値余地は限定的となりそうです。
上記シナリオ①および②を概括すると、NZドル/米ドルはもう一段の上値切り上げを模索する相場付きとなる中、当面※は「0.58380~0.62000ドル」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。 (※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)
「トランプ関税」および「トランプ減税」に伴う米ドル安基調が継続する中、ここもとは対米ドル(ストレート)通貨の強気基調が多く確認できます。そのストレート通貨であるユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルについても引き続き下値しっかりの相場付きが継続しそうです。
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