【IRアナリストレポート】ADワークスグループ(2982)

著者:鈴木 行生
投稿:2025/06/04 10:48

~個人富裕層向け収益不動産事業を拡大、配当利回り4%を確約~

【ポイント】
・今1Qは極めて好調であった。収益不動産事業が業績を牽引している。とりわけ、不動産小口化事業がリード役となっている。今2025年12月期の会社計画は、営業利益36億円、税前利益28億円(前期比+9.9%)であるが、これを上回る勢いである。

・今2025年12月期は、中期3ヵ年計画の2年目に当たるが、当初の会社計画を上方修正した。不動産小口化商品「ARISTO(アリスト)」が牽引している。アリストの販売は、2023年50億円、2024年132億円に対して、今2025年は200億円、来2026年は270億円を計画している。これが業績をリードしよう。

・中期3ヵ年計画では、3年目の2026年12月期で、営業利益37億円、税前利益30億円、ROE 10.4%、この時の収益不動産残高は500億円(2023年12月末447億円)を目指す。これらの目標は射程内にある。その先の2027年12月期について、ROEで13~14%を目指すと新たな目標を公表した。それに向けた実行戦略が具体化しよう。

・昨年12月に、会社サイドは、新しい配当方針を公表した。配当性向が50%内であれば、配当利回り4%以上を確約する。株価300円に対して配当利回り4%として配当は12円、400円になると同16円が予定できる。16円でも、今期のEPSに対して配当性向は50%を下回っている。

・2025年12月期の配当は12円を予定しているが、株価の上昇に伴い14円への増配が期待できよう。投資家にとって、今後株価が上がっても、配当利回り4%を確約する配当が見込めることはありがたい。配当利回り4%の確約は、ユニークなKPIとして注目できよう。

・株価は300円を超えてきたので、次は400円を目指そう。株価250円で、プライム上場維持基準の流通株式時価総額100億円はクリアできる。中長期業績のもう一段飛躍に向けて、引き続きビジネスモデル(価値創造の仕組み)の革新が進もう。この1Qに、2つの新規事業がスタートした。1つはオフィス区分事業であり、もう1つは系統用蓄電所事業である。いずれも有望である。次なる挑戦として注目したい。

目次
1.特色 個人富裕層向け不動産事業に専心
2.強み 不動産小口化商品で独自の領域を拡大
3.中期経営計画 新3ヵ年計画は上方修正の方向
4.当面の業績 ピーク利益の更新が続こう
5.配当方針 配当利回り4%を確約
6.企業評価 プライム上場基準のクリアを目指して

ADワークスグループ <2982>
企業レーティング
株価
(25年6月3日)
304円
時価総額 151億円
(49.670百万株)
PBR 0.77倍
ROE 9.37%
PER 8.22倍
配当利回り 4.6%
総資産 60271百万円
純資産 18998百万円
自己資本比率 31.5%
BPS 394.3円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2020.12 16840 645 427 264 6.8 2.6
2021.12 24961 933 650 312 7.2 3.5
2022.12 27856 1376 953 527 11.3 4.5
2023.12 41342 2441 1978 1419 29.9 8.0
2024.12 49910 3216 2547 1610 33.5 10.0
2025.12(予) 55000 3600 2800 1780 37.0 14.0
2026.12(予) 60000 4000 3100 2000 41.5 14.0

(2025.3ベース)

(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想。2020.12期は9カ月決算。
 
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/ADWG202506.pdf

日本ベル投資研究所の過去レポートはこちらから

配信元: みんかぶ株式コラム

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