ドルカナダ、もう一段の上値トライとなるか

著者:津田隆光
投稿:2025/04/25 10:11

基本は「戻り売り」がワークしそう

ドルカナダ・日足・複合チャート
ドルカナダ・日足・複合チャート出所:トラリピFX/CFDチャート

【注目ポイント】「1.39040カナダドル」超えとなるか否か
【シナリオ①】同レート超えなら、「1.41570カナダドル」付近までの上昇を想定
【シナリオ②】同レートでの上値抑制なら、「1.36300カナダドル」付近までの下落
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「1.36300~1.41570カナダドル」


21日に昨年10月17日以来の安値となる「1.37763カナダドル」まで下落した米ドル/カナダドル(以下、ドルカナダ)。同日のローソク足形状が、一旦の下げ止まりを示唆する「下影(したかげ)陽線」となった後、「下値固め」→「往って来い」の動きとなっています。

上図の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 21日MA(移動平均線)が右肩下がりであること、2) 遅行スパンがローソク足の下方にあること、3) ローソク足の上方に赤色雲(=抵抗帯、先行スパン)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして4) DMI(方向性指数)で-DI>+DIとなり、ADXが高位置にある(上図青色点線丸印)ことから、現在のドルカナダ・日足チャートは下降トレンド継続を示すチャート形状であると判断します。


喫緊の注目ポイントは・・・相場のトレンド転換ポイントを示すSARの基準値である「1.39040カナダドル」(上図黄色矢印および黒色線、4月25日時点の基準値)超えとなるか否か。

筆者が想定する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)


[シナリオ①]
この先、「1.39040カナダドル」超えが示現した場合は、「SARの買いサインへの転換」→「もう一段の上値トライ」となりそうです。当該ケースでは、「21日および200日MA(いずれも≒1.40000カナダドル)超え」や「遅行スパンのローソク足への接近」、また「-DI>+DIの乖離縮小」なども伴いながら、赤色雲の上辺である先行2スパンをメドとする「1.41570カナダドル」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇を想定すべきでしょう。ただし、現状では赤色雲が厚い形状(=強い上値抵抗帯)となっていることから、上値余地は限定的でしょう。

[シナリオ②]
一方で、「1.39040カナダドル」超え未達(=上値抑制)となった場合は、「SARの売りサイン継続」→「下落フロー」となりそうです。当該ケースでは、「下降バンドウォークの再開」や「遅行スパンの下放れ」、また「-DI>+DIの乖離拡大」なども伴いながら、BB(ボリンジャーバンド)・-2σラインをメドとする「1.36300カナダドル」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落となりそうです。


上記シナリオ①および②を概括すると、ドルカナダはしばらく上値の重い相場付きが継続するとの想定の下、当面※は「1.36300~1.41570カナダドル」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。 (※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)

津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想