200週MAを意識する相場付き!
【注目ポイント】「102.750円」で下値サポートされるか否か
【シナリオ①】同レートで下値サポートなら、「107.200円」付近までの上昇を想定
【シナリオ②】同レート割れなら、「100.000円」割れを模索する展開となりそう
【当面(=1カ月程度)の“主戦場”(コアレンジ)】「100.000~107.200円」
日本時間3日未明に発出された『トランプ関税』がマーケットの波乱要因となっています。リスク回避主体で「株売り」「米ドル売り」「円買い」フローが進展し、国際商品相場では原油や銅も下落する動きとなる、まさに『トランプ関税ショック』が巻き起こっています。そんな中、米国・トランプ政権に対して比較的強硬な姿勢を取り続けているカナダに目を向けてみたいと思います。以下で、カナダドル/円の週足チャートを分析していきましょう。
上図(週足チャート)の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 26週MA(移動平均線)が横向きであること、2) 遅行スパンがローソク足を下放れる“逆転”になりつつあること、3) ローソク足の上方に赤色雲(=先行スパン、抵抗帯)があること、そして4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の下方で点灯していることから、カナダドル/円・週足チャートは、上下圧力が拮抗するレンジ相場を示すチャート形状であると判断します。
他方、チャート下部にあるSSTC(スローストキャスティクス)を構成する2本の線が“売られ過ぎ”を示唆する20%ライン付近で交差した後に右肩上がりとなる“ゴールデン・クロス”(上図青色点線丸印)が示現しているとの見方もできるため、足もとのカナダドル/円は下値固めを模索する局面(時間帯)と捉えることも可能です。
上述したSSTCについては、20%ライン付近で2本の線が交差した後、右肩上がりとなる“ゴールデン・クロス”が示現したケース(上図黄色丸印および青色矢印)では、「下落フローの一服」→「下値固め」→「反発/上昇フロー」となりやすいことから、フェイク(ダマし、上図黄色四角印)には十分留意しつつ、その動向に刮目すべきでしょう。
そんな中、注目すべきポイントは・・・200週MAをメドとする「102.750円」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。同水準は、BB(ボリンジャーバンド)・-2σラインと近似値であることから、同水準はカナダドル/円の中長期スパンにおいて重要な分水嶺(ぶんすいれい)と言えるでしょう。
筆者が想定する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
この先、「102.750円」で下値サポートされた場合は、「下値固め」→「反発フロー」となりそうです。当該ケースでは、「(赤色雲の下辺である)先行1スパン(≒110.070円)超え」や「遅行スパンの“逆転フェイク(ダマし)”」、また「SSTCの“ゴールデン・クロス”進展」なども伴いながら、約半年間における市場参加者の平均コストを示す26週MAをメドとする「107.200円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇を想定すべきでしょう。
[シナリオ②]
一方で、「102.750円」を終値ベースで割り込んだ場合は、「200週MA割れ」→「下降モメンタムの強まり」へのトリガーとなる可能性も。当該ケースでは、「下降バンドウォークの継続」や「遅行スパンの“逆転”示現」、また「SSTCの“ゴールデン・クロス”未達(=フェイク、ダマし)」なども伴いながら、心理的な節目である「100.000円」(上図Ⓑ水色線)割れを模索する展開となりそうです。特に、遅行スパンの“逆転”が示現した場合は、カナダドル/円の中長期スパンにおけるトレンド転換(レンジ相場→下降トレンド)シグナルとなり得そうです。
上記シナリオ①および②を概括すると、現下のカナダドル/円・週足チャートでは方向感を模索する相場付きとなる中、当面※は「100.000~107.200円」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。 (※ここでの「当面」は、1カ月程度のスパンを想定しています。)
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