遅行スパンの“好転”なら、上昇モメンタムが強まりそう
【注目ポイント】「87.500円」を上抜けブレークするか否か
【シナリオ①】同レート超えなら、「89.560円」付近までの上昇も視野に
【シナリオ②】同レートでの上値抑制なら、「85.390円」付近までの下落も
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「85.390~89.560円」
【季節的アノマリー】『NZドル/円は4月にかけて上昇しやすい』
今月4日に直近安値となる「83.126円」を付けたNZドル/円は徐々に上値を切り上げ、同18日には「87.309円」まで上昇。その後は往って来いの相場付きとなりつつ、足もとではもう一段の上値追いを模索する動きとなっています。
上図の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 21日MA(移動平均線)が右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足を上抜ける“好転”になりつつある(上図黄色丸印)こと、3) ローソク足が赤色雲(=抵抗帯、先行スパン)の上方で推移していること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の上方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で僅かながら+DI>-DIとなり、ADXが低位置にある(上図赤色点線丸印)ことから、現在のNZドル/円・日足チャートは上昇トレンド序盤を示唆するチャート形状であると判断します。
その他では、ⅰ) ローソク足がBB(ボリンジャーバンド)・+1σラインと同・+2σラインの間を推移する“上昇バンドウォーク”になりつつあることに加え、ⅱ) BB・±2σラインが拡張する“エクスパンション”になりつつあることから、今後のNZドル/円はトリガー次第では上昇モメンタムがさらに強まる可能性も。
そんな中、喫緊の注目ポイントは・・・BB・+2σラインをメドとする「87.500円」(上図黄色矢印および黒色線)を上抜けブレークするか否か。
筆者が想定する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
この先、「87.500円」を終値ベースで上抜けブレークした場合は、「上値抵抗線超え」→「もう一段の上値トライ」へのトリガーとなりそうです。当該ケースでは、「SARの買いサインへの転換」や「遅行スパンの“好転”」、また「+DI>-DIの乖離拡大」なども伴いながら、200日MAをメドとする「89.560円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇も視野に入れるべきでしょう。特に、「遅行スパンの“好転”」が示現した場合は上昇モメンタムが強まる明確なシグナルとなり得るため、刮目すべきでしょう。
[シナリオ②]
一方で、「87.500円」超え未達(=上値抑制)となった場合は、「上値抵抗圧力の強まり」→「下押しフロー」となりそうです。当該ケースでは、「上昇バンドウォーク崩れ」や「遅行スパンの“好転フェイク(ダマし)”」、また「+DI>-DIの乖離縮小あるいは収斂」なども伴いながら、約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す21日MAをメドとする「85.390円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落となりそうです。
上記シナリオ①および②を概括すると、現下のNZドル/円はもう一段の上値追いを模索する相場付きとなる中、当面※は「85.390~89.560円」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。 (※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)
他方、各通貨ペアの季節的なトレンド傾向を示す「シーズナル・サイクル」では、『NZドル/円は4月にかけて上昇しやすい』とのデータ※があります。とは言え、当該傾向・パターンについてはあくまで過去の実績ベースであるため、今春も必ずそうなるとの帰結には至りませんが、NZドル/円トレードのご参考の一つにしていただければ幸いです。(※過去20年のデータ、Equity Clockより)
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