「“下げ渋り”が基本」は変わらないが…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2025/02/27 11:06

◆ いわゆる“往って来い” - 一時“149円後半”も、再び“148円台”へ


やはり「スポット取引の月内最終応当日」に伴う“実需絡みフロー”と、そして“100週移動平均線(昨日は148.541円)”に到達した“下値達成感”が先行しました。
この影響にてドル円には“巻き戻し”が先行し、NYタイム中盤にかけて“149.882円”へと押し上げられる場面が見られました。
ただその後は一変し、再び“押し下げ”られる展開となっています。
キッカケとなったのは、またしても「トランプ発言」でした。

 『EUに25%関税を近く賦課』

弱い米経済指標が相次いでいることもあり、これが“リスク回避姿勢→円買い”につながったからです。
こうして再び“148円台”へ押し下げられるなど、“上値の重さ”を意識したまま、昨日の取引を終えています。

◆ ただ“下抜け”の可能性は昨日より増している…?


“前日安値(148.557円)”つまり“100週移動平均線(148.543円)”はまだ割り込んでいませんので、昨日同様に“下げ渋り”が基本との見方は変わらないと見られます。
ただし“一旦反発”を見せただけに、“下値達成感”という観点は減退したと見るのが妥当ということになります。
そうなると“下値はしっかり”とは見るものの、下回るようなことがあると“さらなる下値模索”も意識せざるを得ないところです。

関税賦課は“インフレ高騰”を促す要因の一つですので、改めて短期金融市場で織り込んだ「米年内2回利下げ観測」が後退する可能性はあります。
そうなると“金利選好→ドル買い”となる可能性も秘めていることになりますが、明日に「米PCEコア・デフレータ」を控えるスケジュール感では…。

基本的には“下値の堅さ”、少なくとも“下げ一服”を想定したい局面と考えますが、昨日よりも“下抜け”の可能性が増していることは、頭の片隅に残しておきたいところです。
もちろんどちらにしても決め打ちは厳禁といえますが…。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

150.944(2/12~2/25の38.2%戻し、大台)
150.854(日足・一目均衡表転換線)
150.731(2/21高値、月足・一目均衡表転換線)
150.462(ピボット2ndレジスタンス)
150.304(2/25高値、20月移動平均線)
150.032(2/12~2/25の23.6%戻し、大台)
上値5:149.882(2/26高値、-1σ)
上値4:149.790(ピボット1stレジスタンス)
上値3:149.445(2/26高値後の61.8%戻し)
上値2:149.311(2/26高値後の50%戻し)
上値1:149.227(週足・一目均衡表基準線)
前営業日終値:149.117
下値1:149.000(大台)
下値2:148.629(2/26安値)
下値3:148.557(2/25安値、100週移動平均線、ピボット1stサポート)
下値4:148.401(24/10/11安値)
下値5:148.328(24/10/10安値)
148.020(24/10/9安値、大台、ピボット2ndサポート)
147.866(-2σ)
147.346(24/10/8安値)

《10:50》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想