“デッド・キャット・バウンス”のチャート形状?
【注目ポイント】「87.500円」を上抜けブレークするか否か
【シナリオ①】同レート超えなら、「89.640円」付近までの上昇を想定
【シナリオ②】同レートで上値抑制なら、「85.000円」割れを模索する動き
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「85.000~89.640円」
今週11日に直近安値となる「85.109円」を付けた後、「下値固め」→「反発フロー」となっているNZドル/円。一時的な反発フローを表現する“デッド・キャット・バウンス”のチャート形状とも取れる中、もう一段の上値トライとなるのでしょうか。
上図の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 21日MA(移動平均線)がやや右肩下がりであること、2) 遅行スパンがローソク足の下方にあること、3) ローソク足が赤色雲(=抵抗帯、先行スパン)の中で推移していること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の下方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で-DI>+DIとなり、ADXが右肩上がりでの推移になっている(上図青色点線丸印)ことから、現在のNZドル/円・日足チャートは「下降トレンド一服」→「上値追い模索」を示すチャート形状であると判断します。
目先、注目すべきポイントは・・・約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す21日MAならびに赤色雲の上辺である先行2スパンをメドとする「87.500円」(上図黄色矢印および黒色線)を上抜けブレークするか否か。
同レートは、直近の高安レート(高値:89.639円[1/7]、安値:85.109円[2/10])を基準とするFR(フィボナッチ・リトレースメント)・50.0%、いわゆる“半値戻し”の水準であることから、今後のNZドル/円のトレンド観測をする上での“分水嶺(ぶんすいれい)”と捉えて良いでしょう。
筆者が想定する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
この先、「87.500円」を終値ベースで上抜けブレークした場合は、「半値戻し水準超え」→「もう一段の上値トライ」となりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンのローソク足への近接」や「BB(ボリンジャーバンド)・+2σライン(≒89.170円)超え」、また「-DI>+DIの乖離縮小」なども伴いながら、1月7日に付けた直近高値水準である「89.640円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇を想定すべきでしょう。ただし、現時点では200日MAが右肩下がりでの推移となっていることから、上値余地は限定的でしょう。
[シナリオ②]
一方で、「87.500円」超え未達(=上値抑制)となった場合は、「上値抵抗圧力の強まり」→「再度下落フロー」となりそうです。当該ケースでは、「下降バンドウォークの再開」や「遅行スパンの下放れ」、また「-DI>+DIの乖離拡大」なども伴いながら、今月11日付けた安値水準である「85.000円」(上図Ⓑ水色線)割れを模索する動きとなりそうです。
上記シナリオ①および②を概括すると、現下のNZドル/円はもう一段の上値追いを模索する中、当面※は「85.000~89.640円」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。 (※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)
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