“不意な揺れ動き”、特に“乱高下”に警戒を…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2025/02/07 11:31

◆ 再び日米双方から… - “円買い”そして“ドル売り”


まるで前日と同じ…。

田村日銀審議委員は『25年度後半に少なくとも1%程度まで利上げ必要』と発言したことで、昨日も「日銀早期利上げ観測」は高まりました。
一方で「雇用関連の米経済指標」は昨日も軟調となり、「新規失業保険申請件数」は“予想を上回り(21.9万件)”、「非農業部門労働生産性」は“伸び鈍化(23.%→1.2%)”を示しています。
「単位労働コスト」こそ“伸び拡大(0.5%→3.0%)”を見せたものの、“予想(+3.4%)を下回った”こともあり、「米景気悪化懸念」は継続しています。
こうして「米利下げ観測」も再燃しつつある中、米10年債利回りは“低迷”を続け、ドル円は“151.234円”へとさらに下落、本日に入って“150.954円”まで売り込まれるに至っています。

◆ 引き続き、テクニカル的には“もう一段の下値模索”と見るのが妥当だが…?


こうして昨日の“日足・一目均衡表の雲下限”“200日/100日移動平均線”のみならず、本日は“週足・一目均衡表先行スパン下限(本日は151.098円)”“12/3~1/10の76.4%押し(151.052円)”をも下回るに至っています。
こうなると“さらなる下値模索”を意識せざるを得ず、テクニカル的には“もう一段”を懸念せずにはおれないというのが実状となります。

◆ それでも"不透明要素"が大きく…? - 米雇用統計&日米首脳会談


こうした中、本日は注目の「米雇用統計」、そして「日米首脳会談」が予定されています。
前者の事前予想は「非農業部門雇用者数(NFP:+17.0万人)」「平均時給(前年比+3.8%)」が“前月より鈍化”、「失業率(4.1%)」は“前月並み”が想定されています。
このためまずはここからの“乖離具合”が注目されるところですが、ただ今回は「年次改定」が予定されています。
そしてそれは“下方修正(60万-70万人)”が想定されているだけに、前記ヘッドラインのみならず、こちらにも注目せざるを得ない・・・?

この後に行われる後者に関しては、「対日関税賦課」や、逆に「ドル高・円安牽制」をトランプ大統領が持ち出す可能性が否めないところです。
ただいわゆる「トランプトレード」となるだけに、現時点で想定(予測)するのはあまり意味がない…?

テクニカル的には“さらなる下値模索”が想定される局面といえますが、やはり“急変動(当然下にも、そして上にも…)”には十分に警戒しておきたいところです。
そして本稿執筆時には“下落往き過ぎ感”がすでに台頭している状況を鑑みれば、たとえ“ポジション調整”であったとしても“応分以上の動き”となる可能性についても…?


◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

153.556(2/3~2/6の50%戻し、ピボット2ndレジスタンス)
153.461(日足・一目均衡表転換線、-1σ)
153.361(日足・一目均衡表先行スパン下限)
153.000(大台、1/10~2/6の23.6%戻し、2/3~2/6の38.2%戻し)
152.903(2/6高値、20週移動平均線)
152.767(200日/100日移動平均線)
上値5:152.538(50週移動平均線、ピボット1stレジスタンス)
上値4:152.330(2/3~2/6の23.6%戻し)
上値3:152.000(大台)
上値2:151.820(週足・一目均衡表先行スパン上限)
上値1:151.675(-2σ)
前営業日終値:151.456
下値1:151.234(2/6安値)
下値2:151.098(週足・一目均衡表先行スパン下限)
下値3:151.002(12/11安値、大台)
下値4:150.902(12/10安値)
下値5:150.766(月足・一目均衡表転換線、ピボット1stサポート)
150.397(20月移動平均線)
150.195(ピボット2ndサポート)
150.000(大台)
149.695(12/9安値)

《11:05》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想