足もとでは反省相場となる可能性も
【注目ポイント】「0.83300ポンド」で下値サポートされるか否か
【シナリオ①】同レートで下値サポートなら、「0.84260ポンド」超えを模索する展開
【シナリオ②】同レート割れなら、「0.82400ポンド」付近までの下落を想定
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「0.82400~0.84260ポンド」
昨日9日、昨年11月4日以来の高値となる「0.84018ポンド」まで上昇しているユーロ/英ポンド。もう一段の上値トライとなるのでしょうか。
上図の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 21日MA(移動平均線)が右肩上がりになりつつあること、2) 遅行スパンがローソク足を上放れる“好転”(上図黄色丸印)が示現していること、3) ローソク足の下方に赤色雲(=先行スパン、抵抗帯)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして4) DMI(方向性指数)で+DI>-DIとなり、ADXが右肩上がりでの推移(上図青色点線丸印)になっていることから、現在のユーロ/英ポンド・日足チャートは上昇トレンド序盤を示すチャート形状であると判断します。
他方、ⅰ) 現状ではローソク足と赤色雲の上辺である先行2スパンにおいて乖離が生じていること、またⅱ) 9日のローソク足がBB(ボリンジャーバンド)・+2σラインをオーバーシュートし、上ヒゲの長い形状、いわゆる「上影(うわかげ)陽線」になっていることを合わせて勘案すると、ここもとのユーロ/英ポンドの上昇についてはやや速度オーバーの状態と捉えて良いのかもしれません。よって、足もとではガス抜きや修正を意味する「反省相場」を伴う下落フローとなる可能性も視野に入れるべきでしょう。
そんな中、足もとにおける注目ポイントは・・・赤色雲の上辺である先行2スパンおよびBB・+1σラインをメドとする「0.83300ポンド」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。
筆者が想定する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
この先において、「0.83300ポンド」で下値サポートされた場合は、「上昇バンドウォークの継続」→「もう一段の上値追い」となりそうです。当該ケースでは、「(9日に付けた直近高値レートである) 0.84018ポンド超え」や「遅行スパンのさらなる上放れ」、また「+DI>-DIの乖離拡大」なども伴いながら、200日MAをメドとする「0.84260ポンド」(上図Ⓐ赤色線)超えを模索する展開になりそうです。
[シナリオ②]
一方で、「0.83300ポンド」を終値ベースで割り込んだ場合は、「上昇バンドウォーク崩れ」→「反省相場を伴う下落フロー」へのトリガーになる可能性も。当該ケースでは、「(約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す)21日MA(≒0.83000ポンド)割れ」や「SARの売りサインへの転換」、また「+DIと-DIの収斂」なども伴いながら、BB・-2σラインをメドとする「0.82400ポンド」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落を想定すべきでしょう。
上記シナリオ①および②を概括すると、現下のユーロ/英ポンドはもう一段の上値追いを模索する相場付きとなる中、当面※は「0.82400~0.84260ポンド」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。 (※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)
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