TOPIX -9 @1,978
日経平均 -106円 @28,676円
相場全体を動かすような株価材料が不足しており、日経平均の日中の値幅は今年6月下旬以来、半年ぶりに4日連続で200円を下回った。新型コロナウィルスの変異型「オミクロン型」は感染力は強く、感染地域を拡大している(フランスやイタリアでは感染者が過去最高となった)が重症率が低いというデータが相次いでいる。そのため日本でも市中感染が確認されはじめたが、株価全体を大きく下押しする圧力にはなっていない。クリスマスから年末まで休暇を取る海外投資家も多く、東証1部の売買代金は4日連続で2兆円を大きく割り込んでいる。
年明けには株価を動かしそうな材料が出てくる。1月上旬には、12月の米雇用統計や米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録の公表がある。その頃までには相場全体が動き出すだろう。さらに、1月末以降には21年10~12月期決算の発表が始まる。
日経平均の日足チャートを見ると、下向きの60日移動平均線、下向きの25日移動平均線が暗示する通りに小安く引けた。新型コロナウィルスの感染は医学的にはもうほぼ終了したと言えるだろう。ウィルスは変異を繰り返して感染力を高めるのと引き換えにその毒性を弱めていき、その内に人類は集団免疫を獲得することにより何十万年も生き延びて来た。仮にウィルスが感染力を高めると同時にその毒性を高めるようなことがあったとすれば、人類はとっくの昔に絶滅していたはずである。したがって、新型コロナウィルスに対する過剰な恐怖は徐々に薄れていき、そう遠くない将来、株価を下押しする力も弱くなっていくはずだ。すると残る大きな懸念材料は、米国長期金利上昇と中国の景気減速ということになる。
33業種中28業種が下げた。下落率トップ5は、情報・通信(1位)、非鉄金属(2位)、電気・ガス(3位)、小売り(4位)、繊維製品(5位)となった。