入院中の父にそう伝えた時、
「そりゃあ、大変だ。」
とカーテンを仕切った部屋の人たちから、声を掛けられました。
それまで張りつめていた心の糸が急に緩んで、思わず笑った瞬間でした
父と母が揃って急性期病院に入院、どーんと目の前が真っ暗に
それでも、クリスマス前にはふたりとも退院することができました
病院に行けば万能薬を処方してもらって、必ず治るものだと私は長年信じており、
そうではない場合を考えたことがなかったような気がします
手術室に向かう母は酸素マスクをしたまま顔色がなく、
医師から手術のリスク説明を受けた私は暗い気持ちになりました
そんな母に何と言ったらいいのかわからなくて、私は、
「お母さん、手術中に暴れる人がいるみたいだけれど、大人しくしててね。」
とバカげたことを言ってしまいました
母は酸素マスクをしたまま、「えっ、わたし、手術をするの?」と言ったのですが、
手術って、家族から伝えるシステムなんですか
それが今ではまるで嘘のような回復ぶり。
術後の経過が順調で、医師も「うん、完璧。」と自分の腕?にご満悦だそう
これで、父も母のように脅威的な回復力をみせてくれると万々歳なのですが
毎年同じことができるってことが、幸せなんだなって
映画『日日是好日』より
退屈に感じるような毎日がきっと一番幸せなんだろうな、
と思った一年でした
