昨日発表された日本通信の下方修正に目を通された方はお気付きだと思いますが
私には何とも淋しいIRに映りました。
http://www.j-com.co.jp/ir/pdf/1503.pdf
MVNO事業が採算面で厳しいことは当初から予想していましたが
相次ぐ新規参入で、幾ら差別化を図ろうとしても
格安スマホという基本的な概念を考えれば、最終的に価格競争になるのは火を見るより明らかです。
無論利用者にとって価格競争(価格破壊)はこの上ないメリットですが
サービスを提供する側からみれば薄利多売を避けて通ることは不可能で
牛丼チェーンの値下げ競争にも似た先行きへの不安を感じます。
しかも牛丼なら価格だけでなく、味や材料で勝負することも出来ますが
格安スマホの場合は料金+ボリューム(データ容量)で決まると言っても過言ではありません。
昨日のIRは発表時間も異例の遅さでしたが
MVNO事業のパオイニアである日本通信の苦悩がひしひしと伝わって来る様でした。
下方修正を受け株価は大幅に下落しましたが、毎度のことなのである程度予想されていたのか
或は、依然として同社の成長性に期待する投資家が多かったためか
結果的には寄り底で引けましたが、今度ばかりは後遺症が残るのではないでしょうか。
一時は1000億円を超えていた時価総額は現在600億円にまで減少しましたが、それでもPERは70倍。
勿論成長性を加味すれば決して高いとは感じなかった株価収益率ですが
今後、市場が従来通りの評価を下すかどうかは、かなり厳しい様に思えます。