四半期決算や本決算が近づくと、持ち越すべきか手仕舞うべきかで迷うことが良くあります。
明らかに景気が上向いている時は別ですが、景気の見通しがはっきりしない時は本当に悩みます。
投資家さんによっては決算を跨ぐ持越しは一切しないと決めている人も居られると思いますが
個人的な印象ではその方が7:3くらいで正解の様な気がします。
以前その原因をいろいろ考えて見たのですが、私が辿り着いた結論は以下の通りです。
◇明らかに好決算や上方修正が期待出来る銘柄は誰もが知っているので
殆どの場合事前に株価が高騰している。
◇普段需給が今一つの銘柄は好決算や上方修正のタイミングで売りたい投資家が待ち構えている。
◇好決算や上方修正は買い方のメリットであると同時に売り方にもメリットになる。
つまり株式相場が駆け引きの場である以上
常に自分の考えとは逆の事態を想定して置く必要があるということです。
しかしそんなことを言ったら株なんて怖くて買えないという話になりますが決してそうではなく
ファンダが良好な銘柄に長期投資するのが個人投資家の基本姿勢であることに変わりはありません。
ですからここでは短~中期的にキャピタルゲインを狙う投資を想定していますが
長期投資でも決算時は一旦売却しその後買い戻す方法も一考に値すると思います。
ところで間もなく26年度決算の3Qが近づいています。
このタイミングでは通期業績見込みを同時に開示するケースが多いので
前の日記にも書きましたが為替や地合いの影響を軽視することは出来ません。
万一円高傾向のまま決算発表となれば企業の業績見込みも控え目になる可能性がありますし
好決算の銘柄であっても昨年15兆円買い越した外人の利確の場になることも考えられます。
そこで個人的な考えですが
今回の四半期決算の場合、例年に無く首を傾げる様な株価が続出する可能性を頭に描いており
特に昨年外人の持ち株比率が大きく上昇した銘柄ほど注意が必要だと感じています。
(参考①)昨年ロングオンリーで買われた銘柄も任天堂の様に1月は下げに転じています。
(参考②)外国人持ち株比率上位100社
http://www.stockboard.jp/flash/sel/?sel=sel533
因みにこちらも毎度お馴染みですが
決算を跨いで持ち越すかどうかを決めるポイントについて再掲して置きます。
但し今回は日記の最後尾に赤字で示した注意事項を付け加えています。
<下方修正又は悪決算でも上がる株>
①悪い決算を想定し事前に売られており
下方修正発表後は既に売り物が少なくなっていた(売り枯れ状態)
②不安だった悪材料が表面化したことが逆に安心感に繋がった(悪材料出尽くし)
③元々人気の高い銘柄で目先の業績よりも事業の将来性が評価された(常に需給が良好な銘柄)
④機関投資家や大口の株主が買い支えた
<下方修正や悪決算で下がる株>
①下方修正や決算内容が予想以上にネガティブだった
(上方修正や好決算を期待していたか、予想以上に悪い決算内容だった)
②元々人気が薄く長期安定株主が少なかった(慢性的に需給が悪い銘柄)
<上方修正や好決算で上がる株>
①上方修正や好決算を知った投資家が新たに買いを入れる(比較的人気の薄い銘柄に多い)
②上方修正や決算内容が予想以上のポジティブ・サプライズだった(最もS高が期待出来るケース)
③空売りの買戻し
<上方修正や好決算でも下がる株> ← 今回最も注意して置きたいケース
①修正幅や決算内容が想定内だったため過大評価の反動で失望売りが出た
(業績に対する事前の期待が大き過ぎた)
②好決算を期待して事前に買われており、材料発表と同時に利益確定売りが出た
(人気が先行していた)
因みに四半期決算が好調でも通期業績見込みにサプライズが無ければ
むしろ材料出尽くしで売られることは良くあります。
こうした現象は地合いによっても異なりますが
現状は為替が円高に振れていることから、特に外需主導型企業の場合は
3Qの進捗率が90%を超えていても通期予想を据え置く可能性があるので注意が必要かと思います。
【決算を跨いで持ち越す場合の事前チェック事項】
◇企業の人気度(人気=需給の良い銘柄は株価が下がっても回復が早い)
◇事業の将来性(長期投資では重要な要素、一時的に株価が下がっても慌てる必要は無い)
◇月足から見た株価水準(既に割高ではないか)
◇直近1ヶ月程度の株価推移(事前に買われ過ぎていないか)
◇浮動株数(少ないと僅かな売買で株価が大きく振幅するためS高やS安になりやすい)
◇買い長or売り長(信用取り組みが悪いと好決算でも悪決算でも売り圧力が勝ることが多い)
◇想定為替レートの確認(慎重な設定は上方修正に、甘めの設定は下方修正に繋がる可能性あり)
(ご参考)想定為替レート → http://minkabu.jp/blog/show/567479
◇市場環境(地合いが悪いと好決算でも材料出尽くしで売りが優勢になりやすい)
◇市場環境その②(外人が好決算や上方修正に売りをぶつけて来る可能性もあるので要注意!)
(追伸)今回の決算で投資家人気がさらに高まる銘柄は今年のお宝銘柄になる可能性があります。
NISAの利用も含め銘柄を選別する良い機会と捉えれば
むしろ胸躍る決算と言えるかも知れません (*^^*)