金
日中取引時間は、NY市場の下落の流れを引き継ぐ手じまい売り先行で始まり前日比65円安の3969円で寄り付く。その後は、安値圏で推移したのちNY時間外の上昇と円安進行ともに値を回復するも結局前日比23円安の4011円で終了。28日のNY市場は米国の経済成長減速の兆しや、この日から2日間の予定で始まった欧州連合(EU)首脳会議の成果に対する悲観的な見方を背景に、ドル高・ユーロ安となったことによりドル建ての金は割高となり売られた。また欧米経済の減速でインフレ率の後退観測が強まっているため、インフレヘッジ資産としての金の魅力が減退したことも売り材料となっている。EU首脳会議を巡っては、ひとまず経済成長対策で合意するも、即効性のある危機対策が期待できない見方が主流でありそのため市場ではリスク回避姿勢の地合いとなっている。29日の閉幕次第ではあるが、ユーロ圏債務危機に関しては急激な前進も悪化もなく、よって依然明確な方向性を欠く展開が続くこととなるであろう。本日夜間取引時間は、欧米での経済指標が景気減速を示すようであれば再度売られる可能性があるため、戻り売りでの対応が望ましいと思われる。
夜間取引レンジ 3,966円~4,035円
中川