パナソニックが2012年度中にも本社の従業員約7千人を半減する検討に入った。配置転換や数百人規模の希望退職で3千~4千人を減らす。これまで赤字のテレビ事業などで人員の削減を進めてきたが、本社のリストラも進め、素早い経営判断ができる体制をつくる。実施されればパナソニックにとって初めての本社人員の大幅削減になる。
対象は国内のグループ従業員約13万人のうち、本社の事務部門の4千人と研究開発部門の2千人、生産技術部門の1000人の計約7千人。本年度中に早期退職を募り、そのほかは子会社への異動などで調整する。7月にも労使協議に入る。
日本の電機メーカーは韓国など海外勢に比べ、新規事業を始める際に本社と各事業部門との調整で時間を浪費する傾向が強いとされる。6月末に就任する津賀一宏次期社長は「スピード感のある経営を目指す」と強調しており、人員削減に伴う本社の組織改編などで意思決定を早める。
パナソニックは12年3月期に連結純損益で過去最大となる7721億円の赤字を計上した。13年3月期は500億円の連結純利益を出す目標を掲げ、テレビのパネルや半導体など不振事業で人員を削減。さらに傘下に収める三洋電機の冷蔵庫など白物家電部門を中国のハイアールに売却するリストラを進めている。